よはくのてちょう

手帖の余白に書くようなことを

小島の上の我が部屋

夢を見た。

「空」と書かれているカードを持っている。
いわゆるトレーディングカード的ななにかのようだ。
札というべきなのかもしれない。

力を開放してやる。
すると空を飛べる。

海の上を飛んでいる。
紺碧、少し青みがかった黒に近い色。
波がキラキラしていてまぶしい。
しばらくいくと小さな島、というより海に突き出た岩がある。

その岩全面を覆うように細長いビルが建っている。
長辺30メートル、短辺15メートルぐらいの長方形で5階建てか6階建てのビルだ。
最上階がボクの部屋だ。

このビルは各部屋のベランダか窓からしか入れない。
船を着けられるような場所もない。
飛べない者は入れないのだ。
「空」のカードは部屋を借りるとき一種の鍵としてもらったものだ。

コースを慎重に調整しながら自分の部屋のベランダに飛び込む。
これが毎度毎度けっこう難しい。

窓やベランダは開けっ放しだ。
ガラスも入れていない。
きわめて開放的で落ち着かない。

ほぼワンフロアだ。
モノが雑多に重なっている。
散らかり放題だ。

トイレと風呂以外に、もう一角だけ周囲から独立させた小さな密室を設けている。
どうしても落ち着かない気分になったときはそこに篭ることにしている。

さて、今日自分の部屋に入ってみると。
他人のいる気配がある。
ゴチャゴチャした様々なもののいずれかの裏にいて見えないのだろう。
「誰かいるの!?」
敵意は感じられないので知人かもしれないがどうやって入ったんだろう?