よはくのてちょう

手帖の余白に書くようなことを

作家

中村眞一郎

中村眞一郎さんは大学のときの卒論のテーマにした作家です。 じつは直接知り合いだったこともあったりもします。中村真一郎手帖中村真一郎の会 水声社 2006-12売り上げランキング : 608609Amazonで詳しく見る by G-Tools中村真一郎手帖 2 (2)中村真一郎の会 …

星新一さん

星新一さんの本を持っていることは、人生をゆたかにしてくれます。下に書籍紹介。

杉浦日向子さん

杉浦日向子さんが亡くなられたそうです。これはすごいショックを受けました。もったいない。残念。百物語posted with 簡単リンクくん at 2005. 7.25新潮社 (1995.11)通常2??3日以内に発送します。オンライン書店ビーケーワンで詳細を見る

永島慎二さん

永島慎二さんが亡くなられたそうです。けっこう読んでました。今でも持ってるのは「若者たち」「旅人くん」「四畳半物語」(て題名だっけ?)くらいですが。今読むと正直ちょっと鬱陶しいかもしれませんが、せつない、むなしい感じが好きでした。

エド・マクベインさん

エド・マクベインさんが亡くなられたそうですが、あの淡々と徐々にできごとが進んでいく感覚が肌に合っていたので好きでした。

サルトル生誕百年らしい

若かりし頃のこむづかしい何かの代表だったのだけれど松浪信三郎サンの『実存主義』(岩波新書)でけっこうひいきなのさ。

倉橋由美子さん

新聞によると倉橋由美子さんが亡くなられました。 確認してみると、けっこう本を持っています。文庫は品切れになったのも含めてだいたい全部持っていると思いますし、新潮社から出ていた全8冊の作品集も持っているし、『ぼくをさがして』も持っているし…。自…

塚本邦雄さん

いま数日前の新聞を読んでいて初めて知りました。亡くなられたのですね。数冊の本を読んでいるていどでそうなじみが深いというわけではありませんでしたが、なにか貴重なものが失われたという喪失感があります。

種村季弘さん死去

残念です。

クラフト・エヴィング商會(2)

クラフト・エヴィング商會の本を好む人は必ず思うでしょう。 「ああ、この本は私の作りたかった本だ」と。 そうなのです。 みんなの夢を盗み取って形にしてしまうのがクラフト・エヴィング商會の恐ろしさなのです。あなた方はいつの間にか自分たちのエッセン…

死の側から見た生の思い出〜「菜穂子」解説〜(4)

(3) この物語は「やつぱり菜穂子さんだ」との、都築明の印象的なセリフで始まります。 この瞬間、「楡の家」*1以降の明と菜穂子の時間はまったく無効となってしまったのです。あるのはただ「自分を佯つてゐると云ふ」気分か、このすれちがいまでの生活に「何…

クールにいこう(4)物語そのものの謎

毎回のミステリとしての謎とともに、設定そのものの謎がある回もあります。 どの回とかは具体的には出しませんが。 これらも読者の先入観念を突いた謎。瀬在丸紅子さんと犀川センセが出会う回を書いて欲しいなあ、なんて思っていると、ひっかかってるという…

クラフト・エヴィング商會

クラフト・エヴィング商會はデタラメを売る商店です。 ただし、とことん凝ったデタラメです。それはもう、実在と言えるほどの、いや、夢の中での実在か。いや、夢をこちらの世界に持ってくるような。 デタラメを買う人は、他愛ない夢を買う人。どーでもいい…

クールにいこう(3)やはりミステリなのだ!!

にも関わらずミステリが成立しているのは、おそらくこれは推理ではないからです。事件もトリックも、実はどうでもいい。おざなりとすら言えるかもしれません。ロジックを積み重ねて真相に到達するタイプではないので、かまわないのでしょう。 描かれるのは発…

はじめに

小さい頃から架空の博物学のようなものが好きでした。よく自分でも架空の図鑑を描いて楽しんでいました。そういうのを全部置いといたらおもしろかったのにな、と今では思います。 今でも覚えているものといえば、架空の「化石図鑑」の一項目で、「パッタリト…

死の側から見た生の思い出(3)

(2)長篇小説(ロマン)とは その他の堀辰雄さんの作品とはなにかしら異なるところがあるように感じたのには、前述の「小説のことなど」を読んで、いちおうの解決をみました。 それまでの彼の小説は次のようだったでしょう。 活きた混沌からひとつの小さな秩…

番外編:楽しい(かもしれない)HPを見つけました

「森博嗣ミステリイ/萌絵の部屋」(http://www.geocities.co.jp/HeartLand-Gaien/9630/) 「犀川創平と西之園萌絵の年表」なんかがあります。

クールにいこう(2)

(2)そもそもこれはミステリなのか? ミステリでは、世界に現実感がなければなりません。 言い換えれば、やれることにかなり限界を設ける必要があるのです。たとえ、舞台がファンタジー世界であっても、SF世界であっても。たとえば異常な世界での犯罪を…

なつかしむひと(2)

なつかしむひと〜中村眞一郎(中村真一郎)・四季〜(1)かれは回想の語り手でした。(ノオトA)(ノオトA) 絶えることなく「現在」が「過去」となって消えていきます。 瞬間瞬間に味わった体験が、どこかにひっかかってしまったものを記憶(a1)というならば…

死の側から見た生の思い出(2)

(1)「菜穂子」はどこかちがう 堀辰雄さんの作品をはじめて読んでから、もうずいぶんになります。近しさを感じたものです。 でも、近親憎悪という感覚も同時に味わいました。眼をそむけても見えてしまう少女趣味じみたものをイヤだと思いつつ、やっぱりどこか…

クールにいこう(1)

(1)森博嗣さんのミステリの魅力とは? 森博嗣さんの魅力はなんでしょう。 ミステリとしておそろしくすばらしいかといえば、そうでもないでしょう。水準以上だとは思いますが。 物語性があるとかストーリーがすばらしいとか、そういうこともないでしょう。 文…

死の側から見た生の思い出〜「菜穂子」解説〜(1)

ISBN:4003108922 堀辰雄さんに「小説のことなど」という文章があります。堀辰雄さんのやってきたことは、もしかするとこの文章が明確にしめしているかもしれません。 これは、文中でも取り上げられていた「作家と作中人物」*1が、堀辰雄流に焼きなおされたも…

なつかしむひと(1)

ISBN:4106006251 中村眞一郎(中村真一郎)さんはさまざまな曲面を持つ、奇妙な立体です。 その中心には、子どものようになんでも知りたがる知的好奇心があるのでしょう。 ディレッタントだとは言えるのでしょう。 すべてにつきあうことはなかなか難しい。同…