よはくのてちょう

手帖の余白に書くようなことを

綺譚の箱庭

杜小雷

杜小雷の妻は盲目の老母にいやがらせをした。 その夜、妻は豚に変じた。 「聊斎志異」第1巻84頁

不思議な顔

従弟の家に怪物が出るというので退治することになった。 すごくヘンな顔の怪物が出てきたので鉄砲で撃つと、あっさり壊れてしまった。 そいつは甕(カメ)の化け物だったのだ。ヘンな顔は、家の子どものいたずら書きだった。 「中国怪奇小説集」P.332

首の飛ぶ女

将軍のやとった女は夜中に眠ると、耳を翼にして、首だけが飛んで外出する。 身体に戻ることができないと、死んでしまいそうになる。 クビ!にしたが、よくよく聞いてみると、落頭民という人種の特徴で、化け物ではなかった。 「中国怪奇小説集」P.22

羅刹海市

金持ちで美形で頭脳明晰、歌や舞が好きな青年が大羅刹国に流れ着く。 そこは顔の美醜が逆転した国。青年は醜い者になった。 あるとき海に立つと言われる市に行って、竜王の息子と出会う。 で、竜王の姫と結婚する。 3年たち、青年は故郷に帰る。 後に赤ん坊…

宅妖

いろいろ怪しいことの多い家があった。 あるとき大勢の小人たちがやってきて、どうやら葬式をしているらしい。 それを見た男が騒いで他の者がやってくると消えていた。 「聊斎志異」第1巻P.6

辛十四娘

青年が少女(十四娘)をみそめ、血縁の幽霊の援けも得て結婚した。 どうやら異界のものらしいが、気にしなかった。 あるとき、妻の助言に従わない付き合いをして冤罪で逮捕されるが、彼女に救われる。 それからまもなく、妻は代わりの女を置いて死んだ。 し…

鞏仙

道士が王に合おうとしたが、追い払われた。 道士は術を使い尊敬を得た。 事情のある恋人たちに、袖の中で逢引も出産もさせてやった。 産の血で穢れた衣服を取っておくと、道士が死んだ後にもご利益があった。 その後、死んだと思われた道士に会った者が現れ…

妾撃賊

本妻は妾をいじめまくっていた。 あるとき賊が入った。 妾は棒で全員を叩きのめしてしまったのだった。 実は槍棒の秘術を身に付けているのだとか。100人くらいは平気なんだとか。 本妻はビビったが、妾は本妻を立てつづけた。 「聊斎志異」第1巻P.32

西湖主

湖で竜を助けた青年が、後に同じ湖で遭難して、不思議な場所に出た。 そこで、助けた竜と再会し、竜の娘と結ばれる。 しかし、どういうわけかまったく同時に現実世界でも彼は生活していたのだった。 「聊斎志異」第1巻p.17

あくまでも手持ちの中から選びます

要約のための参考資料はおおむね以下の通り。 神話・説話のたぐいから、個人の小説作品まで含めます。 聊斎志異(全4冊)◆蒲松齢/柴田天馬・訳◆角川文庫 中国の、古うい、酔っぱらった夢。おかしなヤツだから、好むのか、意外にまともだから 好むのか、ぼく…

綺譚の箱庭

参考資料 『日本怪談集 幽霊篇(上下)』中公文庫

誰?

女が真っ暗な廊下を歩いているときすごく疲れた青白い顔の自分が姿見に映ったのだがあとから考えてみるとその廊下には鏡なんて一枚もないのだった。(『日本怪談集 幽霊篇・上』より)

参考資料 『江戸怪談集(全3冊)』岩波文庫

江戸時代の怪談を集めた選集。上の文章は江戸やのに関西弁ふうに要約してみたり。

五ひきのもののけ

あやしいゆうて評判の寺で旅の坊さんが一夜を過ごすことになったんやけど出るわ出るわで五ひきものもののけがやってきてあれやこれや脅かすのにぜんぜん動じてくれへんからあきらめて夜明けには帰ってもうたんやけど坊さんなかなか食えんお人でもののけども…

単道士

若様が客分にしていた道士は仲違いし別れることになったとき袖からテーブルがいっぱいになるほどの酒や肴を出してお別れパーティを開きその後壁に描いた城の城門から絵の中に入っていった。(聊斎志異より)

泣く壁

壁を自由に通り抜けられるようになった男は好き放題やっていたが不意に能力を失い壁に閉じ込められたまま嘆き苦しんでいる。(マルセル・エイメ『壁抜け男』より)