よはくのてちょう

手帖の余白に書くようなことを

2008-02-10から1日間の記事一覧

オフィス列車

ご近所にある他の会社の社員が言っていました。ぼくの職場は列車の中の賃貸スペースにおさまっておるのです。現在どこを通過中か把握できていないと出勤できないのです。それはまたたいへんですね。

偉い

自分で偉いと思っている人は、たいてい偉くはないものです。

裏切り

ハナから信じていなければ裏切られても痛くはありません。でも、裏切られることもまたカッコイイことかも。ヒロイックな気分にひたれることも多し。

なりゆきまかせ

じつはこの世を支配している法則。最初に加える方向とエネルギーによってその後がかなりの度合で決まってしまいます。ささやかな抵抗を試みる人は後を絶たず、それがドラマにもなるのです。ちょっとのんびりしたイメージもあり、みんながこの法則に流されて…

いきあたりばったり

タビビトの生き方。「なりゆきまかせ」よりさらにランダムな音がいい。ジグザグ進み、思わぬ遭遇を愉しみたい風情。

アタゴオル

ますむらひろしさんの世界。猫と人が森の中でゆったり共存しています。ことに有名な猫はヒデヨシさん。身勝手でいやしくて、周りを振り回してばかりの迷惑な方ですが、彼がいるおかげで世の中が刺激的になるとも言えるのです。他に人間のテンプラさん、猫の…

アニミズム

これは宗教ではないでしょう。一種の姿勢といえるのでしょう。タビビトの態度でもあります。タビビト自身も精霊の一種とは言えますが。

店員採用基準

うわのそら書房では基本的に面接試験しかありません。しかしそれはただの面接ではありません。近所の森にある山荘で数日の間現在の面接官(なんて大層なもんでもないですが)と合宿して決めるのです。面接官にとってはレジャーに過ぎないのですが。選択基準…

夜の屋上はパラダイス

屋上へ。日課になっている。今は闇だ。手すりのまぎわから街をながめる。この辺にはあまり明かりがない。さみしげな街だ。「空からやと黒いシミに見えるんやろな」と思う。「廃墟…やもんな」たばこを灯す。けむりが白く流れ、闇を濁した。「ふう」意味のない…

爺さん

これは森に住んでいるネコのパックから聞いた話。みずうみの北で爺さんがキャンプを張っていた。焚き火でコーヒーを暖めているおなじみの情景だ。「こんにちは、なのにゃ」「おう」「パックなのにゃ」「知っとるよ、ネコさん。旅をやめたタビネコだってな」…

旅が向こうからやってきた

これはけむりビルに住んでいる占い師の話。知り合ってずいぶんたってから、彼女の相棒の黒ネコから聞いた話を再構築してみた。少年はくすんでいた。月曜日には、旅に出たくなるのだから。学校の裏庭。校舎にもたれてへたりこんでいた。目の前に自転車置き場…

みーこ、パックと出会う

これは近所の森に住んでいるネコとけむりビルに住んでいる少女のお話。後から聞いて、だいたいこんな感じだったかと。みーこは、湖のほとりで白いネコと出会った。切り株にトランプを並べていた。とりあえず、ビシッと指さしてみる。「あんたやねっ!」「な…

たばこ猫

ずっと以前この街にいたとき。猫がたばこを喫った。にいやり笑って出ていった。それからぼくの旅がはじまった。

失われた地図は求めない

うわのそら書房に入るためこの街に戻った日のこと。久し振りにやって来た街で踏み迷った。ミミズほどにも道をつかめない。やれやれ。ここは曖昧な街だから。しかたない、いつだって迷うのさ。棲みつくために戻ってきたのだ。棲みついても、迷うんだろうが。…

仕事が早く終わった日

たまにはちょっと早めに会社を終わる。うす闇に出る。図書館をのぞく。今夜の本を借りる。そば屋でうどんをすする。また「廃墟」に戻る。けむりビルは古い。オフィスだったのは、かなたの夢だ。適当に間仕切りをもうけてアパートにもしている。物好きな住人…

やる気のない事典

実は当社の社長ががどーでもいいことをどーでもよさそうに書いている短い文章の集まりです。「ボクにもなにか書かせてくれ」と急に言い出しました。なにをおっしゃるうさぎさん!「会社の信用を落とします!」「品位を落とします!」周囲はなんとか引き止め…