よはくのてちょう

手帖の余白に書くようなことを

『追伸〜二人の手紙物語〜』森雅之…バジリコ株式会社(1000円)111頁初2004年06月18日

追伸―二人の手紙物語
北海道と東京で離ればなれに暮らす二人の間でやりとりされる手紙を描く。

でもその寂しさこそ、君の、
本当に欲しかったものだ、と
思います
(中略)
次会うとき
お互いの一番良い顔で
ありますよーに!
(p.17)

手紙によって励まされる互い。

今、
会いたいです。
(p.19)

書かれなかった「追伸」には、本当に伝えたかった「思い」が綴られる…

いつからか僕は--
気がつくといつも

こうして
君への手紙
考えています。

きれいなものを
見た時、

うれしいことに
会った時、
(p.23)

手紙によって相手とつながって、
それを頼りに生きてしまう。
それがいいことなのか、
あまりよくないことなのか、
それはわからない。
でも、
そんなつながりをアテにするしかないことだって
あります。

歩いて
考えよう
(p.81)

手紙ゆえのゆっくりしたコミュニケーション。
ひと呼吸おいて、返事を考えられる。


その気になって
考えてみると、

うれしい事で
いっぱいです
(p.89)

会話で伝えにくい思いも、たくさん伝えられる。

その間に、
沢山の毎日が
あるのだ、
という事。
(p.97)

ちょっと気恥ずかしい内容だと思うけど、ほわっとしたものが残るお話。

バジリコ株式会社 http://www.basilico.co.jp

評価「▽」。