よはくのてちょう

手帖の余白に書くようなことを

坂木司「先生と僕」

ココロまろやかになるミステリ

最初の一行]
一歩進むたびに、チラシを手渡される。そして立ち止まるたびに、声をかけられる。

最後の一行]
「またね」

経緯]
この作者は好きだ。図書館で借りてきた。

内容]
臆病で優しい、しかし写真を撮るように見たものを覚えることのできる大学一年生の伊藤二葉クンが、猫のような美少年でリッチなちょっと大人びた、しかし意外に生意気ではない中学生の瀬川隼人クンと知り合い、日常的な謎に挑む?
人死はないが、ミステリ。
テイストは「名探偵コナン」。
ミステリが苦手な二葉クンに隼人君が宿題として渡している作品は「押し絵と旅する男」「二銭銅貨」「シャーロックホームズの叡知」「黒後家蜘蛛の会」「猫は手がかりを読む」「天から降ってきた泥棒」「六の宮の姫君」。

感想]
のんびり気分で日曜日読書にちょうどいい。
魅力は二葉クンのへなへなな性格が大きいと思われる作品。いつまでもへなへなでいてほしい。

ほとんど二人の中だけで話が進んでいくが、もうちょっと登場キャラが増えてほしいような気もする。推理小説研究会の面々とか。

続編希望。
二葉クンが殺人事件に巻き込まれる長編なんかもおもしろそうだけど、気の毒かな?