よはくのてちょう

手帖の余白に書くようなことを

創作メモ

春風

春風にはいたけむりが雲となる さんぽみち帽子ゆすりし春の風 #jhaiku

躑躅

けさからはつよきひかりのつつじかな #jhaiku

お玉杓子

長雨に下界を夢むかへるごの #jhaiku

春の道カラスが漁る猫の影 #jhaiku

うららかな春の日だけど自然の摂理。

花冷えの路にころがるヘルメット #jhaiku

見たまんま。 なぜか路面にヘルメットが転がってた。 単車の事故でもあったんだろうか?

花しずむ薄墨の空にぶき日よ #jhaiku

桜の開く時期は街の風景が一変します。 異世界へと。 でも、なんとなく単調でにぶい色合いです。 特に今日のようなうす曇りの日には。

旅とは「今ここ」でない場所をめざすこと。旅とはひとりっきりになることさ。

死者のリィと旅びと

旅びとと死びとはよく似てる。どちらもこの世に存在しないから。それじゃあぼくも、ちょっくら旅にでも出るとしようか。

死者のリィ

ぼくは腐ることをやめた死びとのリィ。さてと、これからどうしようかと悩んでるとこなんだ。

つぼみかすかにひらく

ながきさむさもこよいかぎりと花うかぶ #jhaiku

二十本

二十本 ならぶたばこの 春の箱 #jhaiku

フェルメイ

ある星系全体を巻き込んだ「フェルメイの反乱」。 首謀者フェルメイは死刑の後、その能力を惜しんだ「当局」により肉体を四分割・再構成されある惑星で幼年学校の可愛らしい教師として生きていた(常時肉体のメンテナンスが必要)。 主人公は弟の先生である…

独立

岡山県がおもに経済的な理由で国に叛旗をひるがえした。 そのせいで他県で暮らす岡山県人およびその周辺の者たちがひどい目に会いはじめた。 岡山県人たるぼくが属しているパーティーにいる少年も商店街でいつものようには気楽に声をかけてもらえたり、お菓…

霧は風が吹いても去ることがなかったのだ。 霧の実体は異界に存在しており、その意味のみがこちらに在った。 それゆえいつまでたっても視界がひらけることはないのだった。 #twnovel

春嵐

猛き音 胸もざわめく 春嵐

春の風

なまぬるき ぶきみな風も 春嵐

意味邸

巨大な邸宅で多くの人間が居候している。 ここではものが意味として存在してる。 たとえば階段は「上がる」という意味で存在する。そういう意味のものを見つけ、昇れそうに見えなくても無理やり昇ろうとすればうまくいく。焦っているときには大変。

知らない

しらない こ しった いまでも しらない こ

もってけさま

「もってけさまが出たぞ〜!!」と叫び声。 みんなあわてて身の回りの大事なものを手に取った。 もってけさまは神様。そこいらのものを適当に持って行ってしまう。 でも、身につけているものは遠慮してくれる。

恣意的なクイズ

クイズに答えなければならない。 でも、このクイズの解答は出題者が恣意的に決めているものなのだ。 わかるはずないが、わからないと何かに追いつかれて怖い目に遭う。

銀橋

銀橋に 光あたえし 凍てる月

口癖

くだらない そして つまらない いつから 口グセに なってしまっていたのだろうくだらない ぽつりともらす そのたびに くだらない じんぶつに なっていっているのに つまらない ぽつりともらす そのたびに つまらないの せかいにむけて いっぽずつ すすんでい…

ユリカモメの季節

あさもやの ゆりかもめ はいいろに とんでいる 凍えを よろこびながら

椅子と旅する男

のぞみしは いすをかかへて たびするおとこ こしをおろせば そこはわがへや

目立たない

いずこでも 目立たぬことが タビビトの 存在証明 皮肉なことに

ハサミムシ

サメが水面を切り裂くように分厚い本の中でも紙を切り裂きながら走る虫。 うかつに手を出すと痛い目にあうので嫌われている。

時計職人

「時計職人だからな、いつのまにか時に埋まってしまうんだよ」

虫が…

走っていると羽虫が目に飛び込んできて 死んだ。 なにもこんな小さな池に入らなくても。 薄い水の膜でしかない池。 小虫にとって世界はとても危険だ。 なんでもないことでも死んでしまう。 ほとんど瞬間的に 死はおとずれる。

ふわふわと てのひらに浮いているのは 濃いだいだい色の柿 見つめているのは ピエロです あるいはそれは 秋の夕暮れの 冷えたお日様なのかもしれません 夕暮れに踊る道化の影法師冷えた秋日を熟柿に変えて

遠ざかる風

これほど風が 強く 吹いているというに 都会では なにも動くものがない ただぼくらの影だけが 揺らいでいる