よはくのてちょう

手帖の余白に書くようなことを

完結したはずの夢

夢を見た。
数度見た夢。

まずは六本足の白い犬と知り合いになるところから始まる。
彼は気持ち悪がられたりすることもあるけれど、毅然と生きていた。
ぼくとも親しくはなったけど、べったりというわけではなく距離を置いて淡々とつきあっていた。

あるとき犬はひとりの少女(幼稚園か、小学校低学年くらい)とも親しくなる。
少女はかなり悲惨な生い立ちであったらしい。それがどんなもんであるかは謎のままだった。
ぼくも犬を間にはさんで少女と親しくなった。

少女はときおりスキンシップを求めてすり寄ってきたりする。
まあ、小さい子供にはスキンシップが大事らしいのでかまわないのだけど。
少女をおんぶしているときにちょっとボヤく。
「かまへんねんけどな。きょうび小さい子を連れてるだけでも捕まったりすんねんで」
そうしたら少女はいたずらっぽく笑い「きゃー、たすけてー。ヘンタイよー」と叫んだ。
「ええっ!カンニンしてくれよー」と言いながら少女をおぶったまま、犬もいっしょになって逃避行が始まる。
捕まっても、言い訳はできるので本気で逃げているわけではなく遊び半分。

と思っていたのだが、なぜか少女を狙っているらしい一団が、追いかけてくる連中の中にいるらしいことに気がついて、本気の逃避行となっていった。
あれこれ工夫したり、犬の機転でなんとか回避していく。

そこからはドタバタしているうちにだいたい目がさめる。

これまで3回見た夢だが、いちおう3回目で完結したはずだった。
4回目の今回、途中まできたところで「あれ?」。
「終わったはずじゃなかったの?」
少女の顔も、犬も異なるキャラクタだし。
「もしかして、配役が変わっただけ?」
そうすると少女は、「わたしはあの子なのよ」というふうににっこり笑った。