よはくのてちょう

手帖の余白に書くようなことを

「びっくり館の殺人」綾辻行人

少年向けミステリーのシリーズに
館シリーズ登場。
さて
今のところ、自らの「存在証明」だと言った暗黒館後の
新たな館はどんなもんでしょうか?
 
ミステリーランドの中では
いいデキだと思います。
 
ウワサのびっくり館で
からだの弱い少年と知り合った「ぼく」
クラスメートの女の子といっしょに
少しずつ友情を深めていきます。
そんな中
少年の誕生会の夜
奇妙で可笑しくて不気味な
腹話術人形のショウが
始まったのでした

2007-02-18読了)

 
館に関する簡単なリストを下に置きます。


【天羽辰也】生物学者。(黒猫館)
【青屋敷】大分県の角島にあり中村青司が自ら設計し死んだ館。1963年建造。
【暗黒館】熊本県の山奥にある中村青司が補修に手を貸したと言われる洋館で外装がほとんど黒で統一されており無駄に大きくこの辺で発生する忌まわしい事件にはだいたいこの館が関わっている。(暗黒館)
【市朗】暗黒館を見に行くという冒険に出かけた13歳中学一年生の少年。(暗黒館)
【浦登カンナ】桜と卓蔵の娘。柳士郎の先妻。玄児の母。(暗黒館)
【浦登清】望和、征順の息子。好奇心旺盛な小学生だが、病気を患っているらしく学校には行っていない。カンナと美惟の間にもう一人いた麻那という娘は同じ病気で五歳のときに亡くなっているらしい。美鳥、美魚に言わせるとしわくちゃのお猿さんっぽいらしい。(暗黒館)
【浦登玄児】中也を暗黒館に招いたいくらか皮肉なところのある27歳になろうとしている大学生でT**大学の医学部卒だが医師にはならず文学部に入りなおした。一部分記憶に欠如があるらしい。美鳥たちに言わせるとムササビっぽい。(暗黒館)
【浦登玄遙】暗黒館初代当主で実力者だが変人でその子孫も周辺の人々からは敬遠されている。18年前の「ダリアの日」に殺された。(暗黒館)
【浦登桜】玄遙とダリアの娘。卓蔵と結婚しカンナ、美惟、望和をもうける。(暗黒館)
【浦登征順】望和の夫。清の父。品のいい紳士。美鳥、美魚に言わせると飛べない鷲鷹類っぽい。(暗黒館)
【浦登卓蔵】桜の入り婿。18年前の「ダリアの日」に自殺した。(暗黒館)
【浦登ダリア】暗黒館初代当主玄遙の妻。イタリア人女性。(暗黒館)
【浦登美惟】桜と卓蔵の娘。カンナの妹で姉の死後柳士郎の後妻となる。美鳥、美魚の母で二人を産んだときにびっくりして、今でもびっくりしたまま。(暗黒館)
【浦登美魚(みお)】浦登玄児の妹の一人。柳士郎と美惟の娘。美魚とは双子の姉妹。自分たちで言うには二人合わせて蟹。美しいらしい。(暗黒館)
【浦登美鳥(みどり)】浦登玄児の妹の一人。柳士郎と美惟の娘。美魚とは双子の姉妹。自分たちで言うには二人合わせて蟹。美しいらしい。(暗黒館)
【浦登望和】桜と卓蔵の娘。カンナ、美惟の妹。征順の妻。清の母。美鳥、美魚に言わせると飛べない赤とんぼっぽい。いつも清を探して屋敷をさまよっているか絵を描いている。(暗黒館)
【浦登柳士郎】暗黒館現当主にして全国規模で事業を展開する鳳凰会グループ会長。カンナと結婚して玄児をもうけ、カンナの死後美惟と再婚し美鳥、美魚をもうける。現在の暗黒館の「絶対的な権力者」と玄児は言う。(暗黒館)
【遠藤富重】江南の祖父で彼の懐中時計を江南は形見として愛用している。(暗黒館)
【小田切鶴子】暗黒館の使用人で女執事といった役まわり。看護師の経験がある。美鳥たちに言わせると銀狐っぽい。(暗黒館)
【鬼丸】暗黒館の使用人。90歳以上にはなると思われる超古株で初代当主玄遙が健在で桜が幼い頃からいたらしい。ダリアにのみ忠誠を誓っている。本名は誰も知らない。黒フードの人影は彼のものかどうか。(暗黒館)
【影見湖】大猿の足跡のような形をしておりここに浮かぶ小島に暗黒館が建つ。(暗黒館)
【江南孝明/かわなみ・たかあき】1964年11月7日生まれの男性で暗黒館の事件のとき26歳で新潮172センチ体重62キロで1991年現在「稀譚社」という出版社の編集者になって3年で担当作家の鹿谷は「コナンくん」と呼ぶ。
【記憶喪失】このお話は記憶喪失者の集いです。べつに、面白ければそれはそれでいいのだけど記憶喪失や時間移動が出てくると食傷ぎみで少々シラけ気味になってしまいますね。(暗黒館)
【ケルビム】古屋敷俊生が飼っているカナヘビ
【神代舜之介(くましろ・しゅんのすけ)】中村青司がT**大学工学部建築学科の学生だった頃の恩師で妙にウマが合ったらしい。
【神代浩世】神代舜之介の孫娘で暗黒館の時点でもうすぐ大学入試の高校三年生で鹿谷のミステリを愛読する変わった美少女にしては屈託のない無邪気さを持つ。舜之介はなぜか江南とくっつけようとしている?(暗黒館)
【コナン】この物語では→江南孝明
【湖山あおい】小学生だった永沢三知也の同級生。すごく目立つ明るい少女。新名務のいとこ。(びっくり館)
【黒猫館】阿寒に建つ中村青司設計の館らしい。H**大学助教授天羽辰也の依頼で1970年設計。(黒猫館)
【鹿谷門実/ししや・かどみ】江南が担当するミステリ作家で「色黒のメフィストフェレス」といった風貌だが話好きな男で「七本指の悪魔」を折れる折り紙愛好家で中村青司の建築に強い関心を抱いている。一日に一本煙草をすう。
【宍戸要作】暗黒館の無表情な料理人。なかなか腕はいいらしい。中也はタガメをイメージした。(暗黒館)
【十角館】中村青司設計の青屋敷別館で本館炎上からは免れ残されていた。1963年建造。(十角館)
【水車館】中村青司設計の建物で岡山の山中に建つ。藤沼一成の作品が収集されていた。藤沼一成の息子紀一の依頼で1974年設計。(水車館)
【首藤伊佐夫(すどう・いさお)】利吉と先妻の間にできた息子で汚れた眼鏡の自称芸術家という酔っぱらいで「野口先生」のいいお相手。暗黒館でうろうろしている。(暗黒館)
【首藤茅子/すどう・かやこ】利吉の後妻。(暗黒館)
【首藤利吉/すどう・りきち】浦登卓蔵の甥。浦登玄児は「首藤のおじさん」と呼んでいるが卓蔵は入り婿なので血はつながっていない。(暗黒館)
【関谷】びっくり館のお手伝いさん。(びっくり館)
セラフィム】古屋敷俊生が飼っているトカゲ。
【中也】暗黒館に招かれた大学生。若いのに自分のことを「私」と言う。大分の実家はわりと資産家らしい。浦戸玄児が「私」を呼ぶときに有名な詩人のこの名前を使う。「私」の正体がわからないことに意味があるのか?旧古河邸を見たあと1日半以上の記憶を失っている。美鳥たちに言わせると木菟っぽい。(暗黒館)
【百目木峠(どうめきとうげ)】暗黒館に至る道の難所でたびたび深い霧が発生し地元の人間ですら迷う。(暗黒館)
【時計館】中村青司設計の建物で鎌倉に建つ。古峨精計社長古峨倫典の依頼で旧館を1973年設計、新館を1979年設計。(時計館)
【トシオ】→古屋敷俊生
【永沢比出彦】三知也の父。検察官から弁護士に転職した。若い頃A市に住んだことがある。
【永沢三知也】書き手の「ぼく」。(びっくり館)
【中村和枝】中村青司の妻。旧姓花房。
【中村青司】1939年生。ヘンな建築物をいっぱい建てた建築家で青屋敷にて1985年に46歳で死んだのだがお話で読む限り建物自体は秘密の通路や部屋を作っている以外には取り立てて変わっているようには見えずどちらかと言えば事件が続発するという呪いがかかった建築家のように思われる。
【中村千織】中村青司の娘で江南が所属していた大学のサークルの一年後輩だったが19歳のとき不慮の事故で死亡。
【新名努】永沢三知也が小学生だったとき一緒に事件を発見したフランス文学を学んでいる大学生。俊生の家庭教師。ベスパに乗っていた。湖山あおいのいとこ。(びっくり館)
【ニコロディ】ジュリアン・ニコロディ。19世紀後半から20世紀前半にわたり様々な建築物を設計したイタリアの建築家で暗黒館初代当主浦登現遙が洋行したときに興味を抱いたらしい。(暗黒館)
【人形館】中村青司設計の建物で京都に建つ。(人形館)
【野口】暗黒館での呼称。本名は村野英世という医師。180センチほどあり恰幅もいい巨漢で声はバリトン。浦登家が経営に参画している熊本鳳凰病院の院長でアル中だが腕は確かでこの人に診てもらいたいと訪れる患者も数多い。(暗黒館)
【羽鳥しのぶ】暗黒館の使用人。ちょっとテンポが遅れてしまう女性。美鳥たちに言わせると家鴨っぽい。(暗黒館)
【羽鳥慎太】しのぶの息子。少し知恵遅れ。美鳥たちに言わせると鼠っぽい。(暗黒館)
【びっくり館】高級住宅地である兵庫県A市(芦屋がモデル?)に建つ館。ある部屋には壁に28個のびっくり箱が据えつけられている。両親を失い心を開かなくなった美音のため叔母夫婦(古屋敷龍平、ハル子)が中村青司に依頼して建造した。1964年もしくはその後の数年の間に建造された。青司二十代の初期作品。建築家は「みお」という名前を懐かしく感じ美音を気にかけてくれたそうだ。(びっくり館)
【蛭山丈男】暗黒館の玄関番で湖岸の小屋で舟の管理などをしている背中に瘤のある男。美鳥たちに言わせると蛙っぽい。(暗黒館)
【藤沼一成/ふじぬま・いっせい】その筋では(どの筋?)有名な幻想画家で暗黒館で中也があてがわれた部屋に彼の絵がかかっていた。1971年没。
【藤沼紀一】藤沼一成の息子。水車館に一成の作品を収集した。(水車館)
【古屋敷俊生/ふるやしき・としお】リリカ(人間)の弟で三歳違いだった(びっくり館)。色白で痩せていて女の子のような少年。三知也と同じ年齢だが事情があって一級下。三知也には十志雄という亡くなった兄がいて、同じ音の名前に少し反応した。(びっくり館)
【古屋敷美音/ふるやしき・みお】俊生の母。幼い頃両親を海難事故で失い母方の叔母夫婦(ハル子、龍平の夫婦)のところに引き取られた。俊生は母の話題にはあまり触れたがらない。(びっくり館)
【古屋敷梨里香/ふるやしき・りりか】古屋敷俊生の三歳違いの姉だが亡くなっている。(びっくり館)
【古屋敷龍平】びっくり館の主。1994年12月25日何者かに殺される。享年71歳。(びっくり館)
【惑いの檻】暗黒館中庭の中央に位置する小さな建物で地下への道が通じている。浦登征順によると一族の墓所だとか。(暗黒館)
【宮垣葉太郎】知る人ぞ知るといった感じの作家らしい。
【迷路館】中村青司設計の建物で丹後半島に建つミノス迷宮をモチーフにしている。作家宮垣葉太郎の依頼で1975年設計。(迷路館)
【諸井静】暗黒館の使用人だったらしいが今はいないようだ。幼い頃の玄児の乳母的役割だったらしい。玄児は「諸井のお母様」と慕っていたらしい。夫甚介は暗黒館の主ストーリーの18年前のさらに7年前に死んでいる。(暗黒館)
【諸井忠教/ただのり】静の息子。(暗黒館)
【リリカ】人形の名前。あるいは古屋敷梨里香のこと。人形のリリカは1メートルくらいのサイズがあり、腹話術人形でもある。(びっくり館)