よはくのてちょう

手帖の余白に書くようなことを

鉛筆

鉛筆を少し入れておきたい。
なんとなく「ダース」ということばが好きだ。
だから12本入りの箱ごと入れときたい。
使うためにナイフで削らなければならないその手続きが好もしい。
墨を摩るのと同じ心の動き(いや、動かなさ)がある。
むかし、コーリンというメーカーがあったように思う。
三角形になってしまった三日月のようなのがトレードマークで。
そこのがいい。
ときどき芯に空気が入っていて「カリッ」と紙をひっかくような安物っぽさがいい。
今でも安物っぽいのを作っているのかは知らぬが。
長いこと聞いていない名前のような気もするのでもうないのかもしれない。
だったらなおのこと、ぼくの鞄の中身にふさわしい。