『ウッドハウス・コレクション ジーヴス・シリーズ』P.G.ウッドハウス
にこにこ?
いいや、ニヤニヤ?
自他ともに認める無意味な人生を送る(ということは、正しい人生を送る)バーティーと彼をたすける完璧でしたたかな執事ジーヴスのおもろい暮らし。
なんか、ミステリって聞いてたんだどなあ、ぜんぜんちゃいましたね。
(2005年06月29日読了)
そしてダリア叔母の家でも緊急事態発生。
いつものごとく、深く考え抜いた場当たり的発想で事態を混乱に陥れる。
知り合ったらとんでもない迷惑をかけ続けられてうんざりさせられること請け合いの人物たちがゾロゾロ登場してくだらないことに大騒ぎする。
この巻ではビンゴは出てこないのに。
読書の愉しみはこういう本にこそあるわけ。
(2006年04月02日読了)
バーティーの奇妙な友人たちの窮地をジーヴスが救う。
やっぱり楽しいこのシリーズ。
アホであることは楽でうらやましいことなのだ。
以前からウワサは出ていたバーティーが女子校で講演することになってえらい目にあった話がジーヴスの目から語られる一編もあり。
(2006年08月07日読了)
会話を交わしたいと
願うのは
ぼくだけでしょうか(ぼくだけかもしれない)。
何も考えていないように
アホっぽくて、
軽妙で、
人生の深みなど
これっぽちもないが、
楽しそう。
こいつらとつきあっていると
何でも
許してしまえそうです。
好評のようで
さらにジーヴスものの
続刊が決定したそうです。
まだまだつき合えるね。
(2007年03月07日読了)
周囲を悩ませ
そのあげく
ジーヴスともなんと
決別することに
田舎のコテージに引っ越し
そんなとき親友チャッフィーの
恋
お相手はなんと
バーティーがかつて婚約していた女性
あいも変わらず
よかれと思った
でも思いつきの行動が
必ず裏目へと
出るのでしょう
それよりなによりバーティーは
ふたたび
ジーヴスの愛を取り戻せるのか?
それは彼の
生存にすら直結する
(2007年03月08日読了)
今回はいきなりジーヴスは休暇でいなくなるようだ。
バーティーはアガサ叔母のところで、再び登場の歩く災害ロバータ(ボビー)と会わなくてはいけないらしい。
そのうえさらに バーティーが「疫病神の王者」と呼ぶ、かつて収容されていた私立学校の運営者オーブリー・アップジョンと出会わなくてはならないらしい。
タダじゃすみそうにない。
題名が「〜帰還」なので最後は戻ってきたジーヴスがうまく処理してくれるのだろうが、またとんでもない災厄がたくさん自業自得のバーティーに降りかかり続けそうだ。
心落ち着いたときに楽しく読みたいものだけど、図書館の貸出期間中、あと一週間、あわただしい気分の中で読まなくてはならないのが、もったいない。
グロ執事登場。
役所広司さんふうに「な、何を考えてるんだ、あんたは」と言いたい。
細かな会話に過去に読んださまざまが走馬灯のように駆け巡り、つい「くすっ」となる。
で、なんとかかんとか読み終わりました。
解決がちょっとあっけなかったような気もします。
バーティーには(いつもどおり)気の毒なようでもあります。
みんなバーティーにはもっと感謝しないといけないのでは?
今回は、他に二つばかし短編も入っています。
(2010年12月27日読了)
ジーヴスに関する比類なきリストを下に置きます。
【アガサ叔母さん】グレッグソン夫人。別のときにはスペンサー夫人と言われてたような気もするが。バーティーの恐怖の対象。身長179センチ。アガサ叔母に似たフクロウがいる。《鳥の嘴みたいな鼻と、猛禽の目、たっぷりした灰色の毛髪》(比類なきp.33)。ミステリは書かない(と思う)。
【あごひげ】これをつけているとビンゴはすばらしい演説家になる。
【アッティラ】フン族の王。破壊と荒廃をもたらし不幸をまき散らした。ここではバーティーのこと。
【アナトール】ダリア叔母さんちのコックさん。名前からするとフランス人らしい。バーティーいわく「至高の芸術家」。彼の料理を人質に取られればどんな無理難題でも従うしかない。その料理を想うとき人は敬虔な気持ちになり十字を切るのだ。それは2冊目の「よしきた」の話で、3冊目の「それゆけ」ではリトル家(ビンゴん家)のコックとして同名の優秀なコックが出てくるが同一人物のようだから、こちらの方が過去の話で、ダリア叔母がなんとかして奪い取ったのでしょう。
【アヒルのおもちゃ】風呂場に忘れられていてこれで遊んだら傷ついた大人の心も癒やされてしまう。
【アライン・ヘミングウエイ】バーティーがアガサ叔母さんによって結婚させられそうになった娘。《この娘は村の教会でオルガンを弾いている》とバーティーは思った。
【アルコール】《酔っ払っていない限り、聴衆の関心を惹くことは望むべくもない》(よしきたp.241)
【アンジェラ】バーティーの従姉妹。いっしょにカンヌに行った。マデラインの親友らしい。タッピーと婚約する。
【アンストルーサー】ダリア叔母の父の旧友。ってことはバーティーの祖父の友人てことじゃないの?
【イザベル叔母さん】ロッキーの叔母さん。この人のせいでバーティーはニューヨークのフラットを追い出されるなりゆきとなる。
【イモリ】ガッシーの病気。
【ウィザースプーン】→バート
【ウィルバーフォース夫人】ローダの同居している叔母。庶民。巨大。よく笑う明るい人。若い頃クリテリオンでバーメイドをしていた。愛称モーディー。
【ウィルビー】バーティーの叔父さん。以前、経済的に世話になっていて頭が上がらなかったらしい。この人は若い頃はそうとうなもんだったらしい(何が?)いろんな人の若い頃の恥ずかしい話を書き散らした手記を出版すると言って周囲をあわてさせた。
【ウインターグリーン夫人】スパードの叔母でサー・ワトキンと婚約中。
【ウースター家の掟】その一、「汝、友を落胆させるべからず」。その二、「汝、女性の求愛を拒絶するなかれ」。そのせいでバーティーはなかなか困ったことに追い込まれることもあります。
【ウーラム・チャーシー】アガサ叔母の邸宅がある。バーティーにとっては忌むべき響きを感じさせる地名。
【ウォーターベリー】シッピーの小学生当時の校長先生。痛〜いおしおきをされた経験がトラウマとなりシッピーは彼に頭が上がらず、社交界向けのお気楽な雑誌にウォーターベリーが持ち込んでくる全然お気楽ではない腐れ原稿を掲載するしかない状態。バーティーはその恐怖を克服させようと、恐怖の計画を立ててしまう。
【ウシ型クリーマー】よくわからないが古銀器の逸品。オランダ製だとよくないらしいが。バーティーにとってはやっかいな、悪魔じみたアイテム。一般人にはものすごくしょーもないもんに思えるが、名前からしてもなんかしょーもないが、なぜか多くのコレクターに大人気。トムおじさんが欲しがっている。ある物語の中心キャラとなった。
【ウッドハウス】著者。英国人。ペラム・グランヴィル・ウッドハウス。愛称プラム、もしくはプラミー。ナチの時代に苦労したらしい。
【英国救世党】さる人物が創設した政党。膝の出る黒ショーツを身につけるのが象徴。
【エグバート】ジーヴスの従兄弟で警官。
【エリザベス・ヴィッカーズ】バリヴァントと婚約していたが、最近振ったらしい。
【エロイーズ・プリングル】プリングル教授の娘。おそろしいばかりにオノリア・グロソップにそっくりでバーティーをパニックに陥れることになったのは母親どうしが姉妹の従姉妹だから。
【おおい、ホー、トウィング!】ビンゴが村の衆に観せようとしたレヴュー。
【オーツ】ユースタツ・オーツ。とある田舎の警官。自転車で帰宅中災難に遭う。
【オーブリー・アップジョン】かつてバーティーはこの男が運営するところの収容所「ブラムレイ・オン・シー、マルヴァーン・ハウス」(私立学校)にいたことがある。バーティーは「疫病神の王者」と呼び、一緒に収容されていた友人のレジナルド(キッパー)・ヘリングはオーブリー・クソ・アップジョンと呼ぶ。
【叔父と叔母】バーティーの友人の多くが裕福な叔父か叔母を持っていて無能な彼らの主たる収入源になっているのは、このバカどもの面倒を誰かが見なければならないという天の摂理なのかもしれないとバーティーは考えたりするのだが、誰よりも無能なバーティーの面倒も天が見てくれているのだ。
【オズワルド・グロソップ】バーティーの知人の息子。ビンゴにとっては疫病神。《そいつの人生にとって僕がまったく無意味だと、これほど感じさせる人物に今まで会ったことがあったかどうか疑問である。》
【オックスフォード】大学。バーティーの出身校。『犬は勘定に入れません』もオックスフォードだったし、けったいな人物を輩出しているのだろうか。
【オノリア・グロソップ】バーティーの知人の娘。彼にとっては毒薬の壺だが、ビンゴにとっては崇拝の対象。
【おめざ】ジーヴスがバーティーに作ってくれる二日酔い回復の特効薬。あちらに行きかけてからスッキリして戻ってこれる。ある種のソースに生卵の黄身とひとふりのペッパーでできているらしい。そのソースが何なのか気になります。別名「海底爆弾」「ダイナミック・スペシャル」。
【オリヴァー・シッパリー】→シッピー
【火災警報機】壊れた愛を取り戻すための必須アイテム。
【ガッシー・フィンク=ノトル】ロンドンが嫌いでリンカンシャーという辺鄙な田舎でイモリに囲まれて暮らしている内気でさかな顔の青年。これまでに英語で描かれたもっともおもしろい場面を演じることになるらしい。
【カマーバンド】バーティーがフランスに持っていったちょっと陽気なカマーバンドはまっ赤っ赤でジーヴスをたじろがせた。ところでカマーバンドって、何?
【カンヌ】バーティーとアンジェラとダリア叔母さんが6月はじめにいっしょに出かけた場所。ダリア叔母がバカラで身ぐるみはがされたりアンジェラがサメに食べられそうになったりした程度でたいしたことも起こらず2ヶ月近くのんびり滞在し7月23日にロンドンに戻ってきた。ジーヴスはアスコット競馬を見たかったのでそちらを優先させついていかなかった。
【キャサリン】ダリア夫人の夫の妹。バートと結婚した。ある年のクリスマス休暇でバーティーに襲来される。
【キャンバーウェルの会費制ダンス】ジーヴスが出没しているらしい。ビンゴがメイベルに出会った。
【グウェンドレン・ムーン】女流詩人のようだ。編集長時代のシッピーの想い人。
【口ひげ】バーティーがはやした口ひげはジーヴスのお気には召さなかった。ほかのほとんどの人間は馬鹿げたひげ扱いした。しかし、フローレンスだけはそれを魅力的と言った。バーティーは口ひげが自分を魅力的にしすぎて危険なのではないかと思い剃ることにした。
【グラディス】正確には「グwラディス」らしい。バーティーが恋した女性。
【クララ・ボウ】女優。よく知らないけど、色っぽいネーちゃんだったようだ。セバスチャンが恋した。主演映画が第一回アカデミー賞を受賞したらしい。ロバータ・ウィッカム嬢は「クララ・ボウ寄りの線」と書かれている。
【グレタ・ガルボ】女優。トーマスが恋した。
【クレメンティーナ】ボビーの従姉妹。
【クロード】バーティーの従兄弟。ユースタスとは双子。オックスフォードの学生。
【警官】アメリカの警官はヘルメットをかぶっていないので郵便配達に見える。
【コーキー】バーティーのニューヨークでの友人の一人。将来肖像画家として一流になれると自分では思っているが現在のところ主な収入は金持ちの叔父、ウォープル氏からの小遣い。おそらく将来もそうだろう。シンガー嬢という恋人がいる。
【コーラ・ベリンジャー】タッピーが恋した女性。オペラを勉強している。漆黒の髪とすばらしい声と偉大な魂を持っている(タッピー談)。
【コロンブス】アメリカを発明した人らしい。
【サーディン】ジーヴスが身震いする。どうやら品のない食べ物と思っているらしい。
【サー・ロデリック・グロソップ】オノリアとオズワルドの父。精神科医。厳しい人。バーティーは彼を昼食に招待しなければならなくなった。
【サー・ワトキン・バセット】元判事。たぶん?最後の仕事でバーティーを牢屋に叩き込んだ。トム叔父さんと同じく骨董が趣味で、ウシ型クリーマーをはさんだライバル。
【サニー・ボーイ】ミュージカルの歌。世界初のミリオンセラーだとか。《僕はこの曲はごくわずかの選良によってのみ、浴室のプライヴァシーの中に限って試みることを許される曲だというふうに考えている》byバーティー。で、バーティーは歌うのだ。
【詩】バーティーにとっては、ある人が詩を書いているということをバラすことは悪口の部類になるらしい。
【ジーヴス】このシリーズは彼が最後に事件を解決するミステリでもある?犯人は…バーティかな?ジーヴスは有能な執事で一部ではバーティーの飼い主とされており、彼なしではまともな社会生活を送れないと思われる。また、したたかな男で自分の利益はちゃっかりモノにしている。主人の服装が気に入らないと言って職場をやめたことがあるジーヴスが奇抜な服装を好むバーティーのとこをやめないのは、最後はバーティーを思い通りにできるという意識があるからだろう。
【シーカーズ】オックスフォードのいかれたクラブ。
【ジェーン・スネッティシャム】ロード・スネッティシャムの妻?
【執事】ジーヴスが自分のことを言うときは「紳士お側つきの紳士」という言葉を使う。
【執事たちの足音】訳者おすすめのブログらしい。http://blog.goo.ne.jp/countsheep99
【シッパリー】(1)エリザベス・ムーンとの恋でジーヴスの助言を受けうまくいったらしい。(2)シッピーの叔母さん。
【シッピー】バーティーの友人。本名オリヴァー・ランドルフ・シッパリー。自称作家だが、例によって裕福な叔母さんに気楽な生活を依存している。しかしプリングル教授のとこで暮らさなければいけなくなって大弱り。その後どうやら雑誌の編集長になって悩み多き日々を送っているらしい。
【シドニー・ヘミングウエイ】アラインの兄。丸っこい神父さん。
【シャルロット】ビンゴが恋した女性。ロウボサム氏の娘。巨大で金歯。
【ジュニア・ガニメデス】カーソン街にある。紳士お側つきの紳士(執事)のためのクラブ。ジーヴスも長年所属している。恐怖の会則がある。第十一条では雇用主に関する完全な情報の提供が義務付けられている。なので、執事たちはみんなバーティーの恥ずかしい「あんな話」も「こんな話」も御存知。もちろん他の雇用主のことも。
【ジョージ・キャフィン】バーティーのアメリカでの友人。戯曲を書いている。
【ジョージ伯父さん】愛称ピギー?アルコールが食事であることを発見した人。身長とくらべて体積の大きい人。ジョージ・トラヴァースといわれている人がこの人と思われる?あるいはヤックスレイ卿。お祭り好きで自分のことを手厚くもてなし続けいつも保養地に行きたがっているが一人で行くのは嫌いな人なのでバーティーが被害に遭う。
【女子校での演説】バーティーの記憶に暗い翳をおとす恐ろしいことが発生したらしい。
【シリル・バジントン=バジントン】ニューヨークに逃れたバーティーの元にアガサ叔母からの紹介状を持ってやってきた男。
【スティッフィー・ビング】女性。ガッシーが目に入ったブヨを取ってやった。のかもしれない。
【スティッカー・ピンカー】スティッフィーと恋仲の副牧師にしてバーティーのハイスクール時代の親友の一人。長年消息が知れてなかった。バーティーの何倍も抜けているらしい(バーティー談)。つまずける石があれば必ずつまずく男。
【スティルトン・チーズライト】→チーズライト
【ステッグルス】賭事の素人胴元のようなことをしている。汚い手を平気で使い稼ごうとするイヤな男。
【スポーツ精神】ギャンブルをすること。
【スポード】→ロデリック・スポード
【スメザースト】おそらく、ローダに恋している青年。ローダもこの男も物語に姿を現すわけではないが(今のところ)。
【セッピングス】ダリア叔母さんちの執事。冷静で非感情的な男。その彼をよろめかんばかりに動揺させた恐ろしい事態が…。
【セント・モニカ】バーティーにとって思い出したくない過去がある女子校。ボビーの出身校でもあるらしい。
【ダーシー・チーズライト】→チーズライト
【タッピー・グロソップ】アンジェラの婚約者。いっしょにカンヌには行かなかった。サメをヒラメと言ったせいで婚約破棄の危機に立たされる。ロデリック・グロソップの甥。食べ物に身も心も捧げた男。いつも食べ物のことを考えている。《俺はきわめてスピリチュアルな男なんだ》(よしきたp.89)《「お前にはデリカシーとか、節度ってものはないのか?」「ない」》(よしきたp.261)。バーティーとは長いつきあいだが、あるときから仇敵と化す(バーティーの方が一方的にそう思い込んでいる)。
【ダリア叔母さん】トラヴァース夫人。バーティーの叔母。いっしょにカンヌに行った。健全で心優しい大柄な女性らしい。声はデカいがアガサ叔母のような不穏なプレッシャーは与えてこない。バーティーを頼りにはしていないが、なぜか愛しているのではないかと思われる。バーティーが少しくらい(いや、相当)おバカなことをしでかしても特に見捨てはしない人。
【ダルグリーシュ嬢】タッピーが恋した娘。野性的な犬娘。
【チーズライト】バーティーとは犬猿の仲。法律がなければおそらくバーティーの頸を絞めている。あるいはバーティーの背骨を三つか四つか五つにへし折りたいと思っている(この数字は今後も増えていくと思われる)。元警官だが、金持ち(の息子)ではあるらしい。フローレンスの婚約者。
【茶革の手帳】本来の持ち主はガッシー。急に堂々としだした彼の自信のよりどころとなったアイテムだが、後に嵐の中心となる。
【電報】バーティーたち身勝手な人々がこれを送るとおおむね解読不能の文面になって事態が混乱するたいへんたのしいシステム。
【トーマス】バーティーの従弟。アガサ叔母の息子。人間のかたちをした悪魔。
【ドッグ-フェイス】クロードとユースタスの友人。ピンク色で言い訳がましい顔をしている。
【トム・ポーターリントン・トラヴァース】トーマス叔父さん。ダリア叔母さんの夫。「アンクル・トム」以外の呼び方がないものか、ダリア叔母さんの悩みの種となっている。いっしょにカンヌには行かなかった。大金持ちなので、わずかな金を出すことになるとギャーギャー騒ぎはじめる。ショーペンハウエルですらポリアンナに見えるというほどの悲観主義者。ちょっと胃弱ぎみ?銀器が好き。バーティーがこの人物のミドルネームを初めて知ったのは「ジーヴスと封建精神」において。
【トラヴァース夫人】→ダリア叔母さん
【トロッター夫妻】パーシーの両親。ダリア叔母が自分の出版している雑誌を売りつけようとしている。
【ドローンズ】地名もしくはクラブの名前と思われる。バーティーはすぐここに逃げ込みたがる。
【ニシン】《ニシンたちにだってきっと悩みはあることだろうな》byバーティー。で、バーティーにすら悩みはある。
【パーシー・ゴリンジ】たいがいの登場人物はバーティーよりもおバカに見えるが、こいつもそう。フローレンスに首っ丈だが、フローレンスはチーズライトと婚約中なのでゾンビのように(あるいは死んだタラのように、あるいはハムレットのように)ふらふら歩き回っているほおひげ男。
【バーソロミュー】スティッフィーの飼い犬。アバディーン・テリア。すぐに人に噛みつく。
【バーティー】→バートラム・ウースター
【バーティーの父】「ジーヴスと封建精神」において「今は亡き」と表記があったので、バーティーと同じ世界には存在していないもよう。
【バーティーの母】いまだ不明。
【バート】→ウィザースプーン
【バートラム・ウースター】愛称バーティー。語り手の「ぼく」。この話の主人公ではあろう。ジーヴスのおかげでやっていけてる、自他ともに認める人生を無意味に生きている男。ある意味正しい人生を送っているとも言える。押しが弱く《誰だって僕を言いくるめるのだ》。数日一緒にいたら誰も自分には会いたくなくなるはずだという自信がある。なにをやってもだいたい失敗する。《もう一度お願いするわ。後生だからやめてちょうだいな。あんたは事態を今より十倍悪化させるだけに決まってるんだから》(byダリア叔母さん)でも彼は信念に基づいてやるのだ。おそろしくヒマなせいかおそろしくおせっかいで(あるいはお人よし)、おそるべき計画を立てては実行する(子どものイタズラのようなことを好意から実行してしまう)。でも意外なことに、バーティー自身が発生源であるトラブルはほとんどない。ほとんどの場合、他のシャカシャカな連中が発生源で、バーティーがそれにおバカな解決法を提出してしまうか、困難な任務をあてがわれてしまうかなのだ。そしてバーティーは意外にも的確に任務をこなすのだが、ほとんどの場合他者の勘違い、ないしは誤った情報によって窮地に陥ることとなる。並みの人の半分くらいの脳みそしかないことを自認するが、頭のいい女性に好かれやすいのはバランスを取ろうとする自然界の摂理ではないかとジーヴスは言う。美的感覚の相違にもかかわらずジーヴスがバーティーのもとを辞さないのは、いずれ自分の思い通りにできるとわかっているからと思われる(同じ理由で彼は他の家を辞めたのだから)。それから、バーティーはもしかしたら、スポーツマンにして金持ちでさわやかな美青年なのじゃないかと個人的には疑ってる。テニスやダーツもうまいらしい。ただちょっとおバカなだけだ。でもそれは仕方がない。金持ちでさわやかな美青年なのだったら。
【ハイドパーク】日曜日にはへんな連中が石鹸箱に乗って演説する。そういえば中学のときの英語の教科書にこの公園のことが出てきたなあ。
【バリヴァント】→フレディ・バリヴァント。
【ハロルド】丸い体で足の速い少年。ダークホース。
【ハロルド・ピンカー】バーティーがモードリン・コレッジにいた頃の親友で、今はとある村の副牧師をやっている。スティッフィーのナイショの婚約者。
【ビッキー】バーティーのニューヨークでの友人。とてもいいヤツ。本名はビッカーステス。叔父はチズウィック公爵。
【ビッフィー】本名ビッフェン。バーティーの友人。一時は二人で遊び暮らしていたがヘレフォードシャー(田舎のようだ)に隠遁し出会わなくなっていた。聞いた固有名詞はほぼ確実に忘れ去ってしまう。
【ビンゴ・リトル】バーティーの友人。リトルの湿布薬の甥。毎年春になると恋をする。ビンゴと比べるとバーティーすら普通に見える。《奴が重要な用件などと言うことが、おそろしく重大だとはおよそ思われない。》(比類なきp.7)。テニスを始めるとトランス状態に陥る。
【フィリス・アップジョン】バーティーとキッパーの天敵、オーブリー・アップジョの娘。《IQ方面では不振ながら、身体的には第一級のべっぴんさん》(「帰還」p.172)。
【フィルマー】何かの大臣らしい。アガサ叔母のとこに滞在していてバーティーは彼に会わないといけないらしかった。反タバコ連盟の会長をしているらしい迷惑なおっさん。
【服装の趣味】バーティーは竹ステッキに一番黄色の靴、緑のホンブルグ帽でハイドパークに出かける。藤紫色のシャツを注文したり、紫の靴下をはいたり真っ赤なカマーバンドをつけたり、彼の優れた色彩感覚はジーヴスにはついていけない。
【藤紫色のシャツ】バーティが気に入って注文したがジーヴスに送り返されてしまったユニークな(と思われる)シャツ。
【ブット】ロウボサム氏の仲間の革命家?シャルロットをはさんだビンゴのライバル。
【プラクティカル・ジョーク】悪ふざけとか、悪戯の意。バーティーのいる世界にはプラクティカル・ジョークを嫌う紳士や淑女が大勢いるが、バーティーやビンゴは存在自体がプラクティカル・ジョークのような連中だから…。
【プラス・フォワーズ】ニッカ・ボッカより10センチほど丈が長いズボンらしい。バーティーは気に入り、ジーヴスは気に入らなかった。
【プリングル一家】ケンブリッジの周辺のどこかにあるらしい。プリングル教授を筆頭にした陰気な家族。
【ブリンクレイ・コート】とてもロマンチックな場所で空気の中に何かあるらしくバーティーはここで3度も婚約した過去があるらしい。ちなみにダリア叔母さんちもある。
【ブレーメンフィールド】アメリカでビッグな人。
【ブレーメンフィールド・ジュニア】ブレーメンフィールドの息子。歩く丸顔の災厄。
【フレディ・バリヴァント】陽気な男だが、最近フラれて意気消沈している。ポロとスヌーカー以外には取り柄がない。あるだけマシだが。
【フローレンス・クレイ】ジーヴスがバーティーの執事になった頃、バーティーと婚約していた物好きな女性。とっても真面目で、バーティーを自分と同じようにするために腐心していた無謀な人。横顔が素晴らしいところにバーティーは執着している。他人を教化しようとする以外は完璧な女性らしい。
【プロポーズ】《もし銀幕上で話されたならすぐさま切符売場に飛んでいって入場料をとり返したくなるような言葉を自分で言わなきゃならないってこと》(よしきたp.177)
【ペンドルベリー嬢】→グラディス
【ボビー】→ロバータ・ウィッカム
【ポモラ・グリンドル】連載権が高額?
【ボンゾ】ダリア叔母の息子かな?やっかいなガキだが、トーマスに比べれば二級品。
【マーケット・スノッズベリー・グラマー・スクール】マーケット・スノッズベリーにあるグラマー・スクール。
【マッキントッシュ】アガサ叔母さんの愛犬。アバディーン・テリア。とんでもない早起きで(朝の十時には!起きている)、バーティーの部屋のドアを激しくひっかく。開けてやるとバーティーのベッドで寝る。
【マデライン・バセット】ガッシーが好きになった女性。理想と感傷を満載し「お星様は神様のひなげしの花輪なんじゃないかしら」と突然聞いてくるような人。
【マリオン・ワードール】バーティーの友人の女性。ステキな双子に恋されてちょっと困惑の日々。
【マルヴァーン】レデイー・マルヴァーンはアガサ叔母の友人で、それだけでもたいへんな人だろうと察せられるが、とにかく他人を圧倒し男性の身体精神機能を麻痺させる人。前歯が57本ほどあり背は低いが左手から右手の先までの差し渡しが183センチくらいある女性。息子のモッティーを連れてニューヨークにいたバーティーを訪ねてくる。
【ミドゥズ】ジーブスの前にバーティーの執事だった男。盗癖があるのでやめさせることになった。
【ミレディス・ブドワール】ダリア叔母さんの出してる「洗練された」女性週刊誌。いつも峠を越すのに苦労している。バーティーもファッションに関する記事を書いたことがあり、それが彼の弱点となっているらしい。
【メアリー・バージェス】ビンゴが好きになった女性にしては、まとも。
【メイプルトン】アガサ叔母の友人。セント・モニカ学院の校長。鋼鉄製のメガネをかけている(もののたとえ)。
【メイベル】(1)安食堂のウエイトレス。バーティーは嫌いな名前。ビンゴは音楽を感じる名前。(2)ビュッフィーが船上で好きになった女の子だがその後姿を見失った(ビュッフィーの記憶力のないせいで)。
【メスジャケット】バーティーがそれを着るか着ないかでジーヴスに必死の反抗をしたお気に入りの衣装。白くて金ボタンという芸人のようなおそるべき代物。すべての人に熱狂的に受け入れられていると、バーティーは信じている。そらまあ、おもろいとは思うけど…。
【モッティー】レディー・マルバーンの息子。過保護な青年。でも《もし身をまかせないんなら、大都会の誘惑に何の意味がある?》とのたもうた。
【モティマー・リトル】ビンゴの伯父だが、驚くべきはここのコックのワトソン嬢とジーヴスが婚約状態ということ。後に貴族となりビトルシャム卿となった。恋愛小説が好き。
【ヤックスレイ卿】→ジョージ叔父さん
【ユースタス】バーティーの従兄弟。クロードとは双子。オックスフォードの学生。
【ユーラリー】何かよくわからないが、スポードの弱点らしく、バーティーは遠慮なくそれを突きまくる。何もわからないまま。
【よしきた、ホー】バーティーがよく口走るセリフ。万事うまくいっている(と本人が信じたがっている)ときに口をつく。いかにも軽いのが気がかりな響き。
【リトルの湿布薬】これで財をなしている叔父さんの老モティマー・リトルのおかげでビンゴ・リトルはロンドンで陽気に暮らしている。
【リリアン・ギッシュ】初期サイレント時代の女優。ボンゾは彼女の映画を観て恋をした。
【ルーシャス・ピム】グラディスをはさんでバーティーと三角関係。
【ロウボサム氏】革命家?貴族を抹殺したい。
【ローダ・プラット】ジョージ叔父さんが恋した娘。バッファーズのウエイトレス。庶民。
【ロード・スネッティシャム】ダリア叔母のところで会う。この「ロード」は名前ではなく称号?スネッティシャム卿ってことかな?
【ロージー・M・バンクス】作家。身分違いのカップルが恋をなしとげる作品を描く。頭の堅い老人に読み聞かせるのに最適。『すべては愛のために』『紅い、紅い夏の薔薇』『むこうみずなミルテ』『ただの女工』『ストラスモーリック卿の求愛』など傑作多数。後にある人物と結婚する。
【ローラ・バンクス】ビンゴ夫人の学友。
【ロッキー・トッド】本名ロックメトラー・トッド。ロング・アイランドの荒野のコテージで暮らしている。12時前には起きないし13時前に起きることもめったにない、アメリカで最もナマケモノな男で、ナマケモノの職業である詩人をやっている。都会、特にニューヨークが大嫌い。
【ロデリック・スポード】サー・ワトキン・バセットとともにいた、他人をせせら笑う男。どうやら政治家で将来は独裁者になるのが夢らしい。
【ロバータ(ボビー)・ウィッカム】バーティーが一時恋した勝手気ままに燃えるような赤毛娘。ジーヴスはこの恋に賛成できない。愛称ボビー。見た目は凄く良い。
【ワープルスドン卿】フローレンス・クレイの父親。ある朝突然「たまご!たまご!たまご!たまごのこん畜生!」と叫んでフランスに行った。英国一のかんしゃく持ちとされる。かくれて葉巻をすった15歳のバーティーを鞭を振りまわしながら2キロも追いかけまわしたことがあるらしい。ジーヴスが仕えていたこともあるが服装の趣味が合わず暇をもらったらしい。
【ワトソン嬢】モティマー・リトルのとこのコック。ジーヴスの婚約者だったらしいが…。探偵用オプションの間抜けな人ではないらしい。