よはくのてちょう

手帖の余白に書くようなことを

「ベルガリアード物語」デイヴィッド・エディングス

セ・ネドラは萌え系です。

この巻ではまだ物語は本格的に動いてないと思われます。それでいてすでにいい感触。

神々の戦いからはるかな後、牧歌的な農場で伸びやかに暮らすガリオン少年は語り部の爺さんや育ての親ともいえるポルおばさんたちに導かれるように、追跡でもあり逃亡でもあるきびしい冒険に旅立つ。
ガリオンには何もわかっておらず自分は何者かという「危険な」思考に落ち込んでいるが読者にはだいたいのことがわかっている。興味は少年がどう成長していくか。どう知っていくか。

キャラクタがかっちりと強く生きているので神話的ファンタジーだけど現実味がある。皮肉なシルクやだれにも負けないポルおばさんは特にお気に入り。

(2005年05月07日読了)


 まだ本格始動してないような…。トルネドラではセ・ネドラ王女登場。それからニーサの蛇女王。

(2005年05月13日読了)


亡霊の国マラゴー。
ベルガラスの育った「谷」。
ウルゴの地下の国プロルグ。
そしてついに敵の本拠地クトル・マーゴスへ。
待ち構えているのは。

(2005年08月27日読了)


前巻の直後。
崩壊するラク・クトルからの脱出。
なんとかリヴァにたどり着いたらとんでもないことがガリオンの身に。
その後小さいエピソード集を経てセ・ネドラ本領発揮。

あいかわらずファンタジー小説として完璧。

(2005年09月24日読了)


おびえつつもカル=トラクとの直接対決におもむくガリオン。
彼を援護するため軍を率い進軍するセ・ネドラ。
仲が悪いのに愛し合っている少年と少女(いちおう夫婦)の戦いのゆく末は?
そして、登場してきたさまざまに魅力的な人々のそれぞれの戦いが描かれる。
その分ガリオンの影がとっても薄くなってしまうのだけど。
ガリオンっていちばんノーマルだもんね。

やがて運命に呼ばれた者たちはトラク神が眠る夜の都クトル・ミシュラクに引き寄せられるように集まっていく。

完璧な小説でした。

(2005年10月05日読了)

ガリオンたちに関する簡単なリストを下に置きます。


【愛】《「愛というものは人を変えてしまうのさ」ガリオンは説明した。「頭に穴があいて、理性的な判断とかそういったものすべてが漏れ出していしまうんだ」》(魔術師の城塞p.233)見本は、レルドリン&アリアナのコンビ。
【諦め】《思うに、あんたは多くのことを諦めすぎたんだな》(2巻p.288)
【悪魔】邪悪な精霊のこと。魔女は穏和な精霊を使う?
【アシャラク】黒い服のマーゴ人。ただのグロリムの僧ではないらしい。なぜかガリオンが子どもの頃から姿を見せていたが、何らかの術でそのことを他人に話せないようにしていた。終生のライバルなのかな?他の名前も持っている。
アスター】アレンディア人の国。同民族のミンブルに対して敵愾心を抱いている。
【アストゥリア】アレンド人の国。弓の名手が多い。ミンブレイトの属国のような立場から脱却したいと願う一派もいる。
【アダーラ】アルガリアの背の高い少女。シラー王妃の侍女。灰色の瞳、焦げ茶色の髪、透き通ったような白い肌。既視感を覚えたが、じつはガリオンの従姉妹。母の妹の末娘。
【誤り】そもそも世界の始まる前に何かの誤りがあって間違った道筋を進んでいるらしい。ガレオンはその誤りを正すための存在らしいが…?
【アリアナ】ミンブル人の金髪娘。オルトレイン男爵の妹。医師。重態のレルドリンを誠心誠意治療する。ふだんはとても知性的な女性だがレルドリンを見たとたんすべてが吹っ飛んでしまう。
【アルガリア】アローン人のもっとも偉大な王〈熊の背〉チェレクの三人の息子の一人〈俊足〉アルガーの作った南の国。馬を飼い慣らし、馬術を身につけ騎馬戦士を生んだ。
【アルガリアの塔】400〜500フィートある高い塔。アルガリア人が数千年かけて建設した。用途は今のとこ不明。《家畜の出産期が終わったあとのいい気晴らしさ》(BYシルク 魔術師の城塞p.136)
【アルガリアの砦】アルガリア人は遊牧民なので砦は必要ではない。モヌケノカラだ。でもマーゴ人は砦があるとどうしてもそれを攻めたくなるので彼らに対する「おとり」として建てられている。砦攻めをしているところを一網打尽にするという…
【アルグロス】ヤギのような顔をした猿のようなモンスター。人を食う。爪に毒がある。トロールの親戚のようなもの(ウルフ談)。ふだんはウルゴの山脈にいるらしい。グロリムが操る。
【アルダー】7人の神の一人。長兄。民を持たない孤独を愛する神でベルガラスの師匠。
【アルダーの珠】このできごとすべての中心。トラク神が絶大な力を手に入れるために欲しがり、使い方に失敗した。
【アレンディア】アレンド人のいる地域。アストゥリアとミンブレイトがある。ワサイトという国もあるらしいが?アレンド人はだいたいにおいて衝動的な民族。好戦的で勇猛。
【アローン】7人の神の一人。年若い神。
【アローン人】ベラー神の民で勇敢で好戦的。
【アンガラク人】トラク神をカル=トラクと呼び敬う民。トラクは北にナドラク(ガール・オグ・ナドラク)、中央にタール、南にマーゴの3つの国を作る。手元に西に侵攻するときのためのマロリーを残す。彼らすべての上に監視のためのグロリムを置いた。
【アンドリグ卿】アレンディアのミンブル人。ボー・エンデリグ男爵。ベルガラスからりんごの木を守るという奇妙な役目を仰せつかる。
【アンヘグ】チェレク王。野蛮人っぽい。ベルガラス派。
【イサ】7人の神の一人。初代サルミスラを愛した。
【イサス】ニーサの暗殺者(ニーサらしく毒殺専門?)。サディ暗殺に失敗したことがあるが、サディが彼を罰することはなかった(それどころか重用している)。
【石】ベルガラスが初めて「力」を使った相手。ガリオンも動かそうとして、体の方が地面に埋まってしまい大笑いされた。
【イスレナ】アンヘグ王の妃。手品(魔法)が好きでポルを尊敬している(みたい)。ちょっと陰気な感じ。熊神教に取り込まれかけたりした。
【イルデラ】ガリオンの母。
【岩狼】狼とは別種の生き物。ロバくらいの大きさで前脚が後脚より極端に長く、猫のような獅子鼻。
【ヴァラナ】トルネドラの将軍。彼の属するアナディル一族は何千年もの間ボルーン一族をからかい続けている。仲は非常に良い。ヴァラナ将軍はセ・ネドラにとって愛すべき叔父様。
【ヴェラ】ナドラク人の老人タッショーに所有されていた女。気が強い。カルメン系?踊りが上手い。
【ヴォルダイ】ドラスニアの湿地で出会った女性。老いていたが美しさの片鱗を残している人。ドラスニアでは「湿地の魔女」とか「沼の鬼婆」とか「沼の女王」と呼ばれ、芳しくない噂が流れている。ベルガラスは警戒しつつも敵愾心は抱いていないようだ。
【ウル】7人の神の父と言えるか?精霊。創造に関わらなかった。そのせいで神々の創造物に欠点や醜いものが生じた。腹を立てた神々は醜いものや神に選ばれなかった人間にウルを崇拝するように言った。
【ウル=ゴ】神々に見捨てられ、ウルの民となった一族。色を失った民。ゴリムをリーダーとする。ウルゴ人はアンガラク人(マーゴ人など)ともアローン人とも仲が悪い。洞窟に住まい、光が苦手。
【ウンラク】バラクの息子。生まれたばかりなので登場はしないかな?まだ髭はない。
【エラスタイド】リヴァで行われる儀式のことかな?
【使命(エランド)】完全に純粋な者だけが「珠」を手に取ることができる。青みがかった金髪の少年は《ガリオンがこれまで見たどの子供よりも美しかった。》(3巻p.493)。少年は無邪気に笑いながら珠を差し出してこう問いかける「使命(エランド)?」。彼はエランドという名前になった。誰彼かまわず「珠」を渡そうとするとっても危険な少年(渡されかける者にも、世界にとっても)。
【エルヴァー】熊神教の僧侶。
【エルゴンの岩山】ミンブル、アストゥリア間の森林地帯にある丘。自然の要塞。ガリオンたちはここでアルグロスを迎え撃つ。
【エルドラク】残忍で頭のいい、巨大なモンスター。岩狼の群を率いていることあり。
【狼】ベルガラスは好んで狼に返信する。《いまやかれは原野の主であり、いかなる動物といえどもかれの前には道を譲るのだ。》(魔術師の城塞p.471)
【驚き】《いくらこんなものに囲まれていても、驚きのない人生というのは退屈で気の抜けたものだろう》(2巻p.288)
【オルトレイン男爵】マンドラレン卿と決闘した人やっけ?
【オルバン】今のブランドの末息子。
【風の島】リヴァのある北方の島。
ガリオン】主人公(たぶん)。砂色の髪の少年。ずっと農場で育ち田舎の少年として健やかに暮らしていたが15歳のとき何も知らぬまま神話的冒険に巻き込まれる(じつは当然のごとく中心人物)。立ち聞きが趣味。〈比類なき最高の君主、世界の希望〉
【カル=トラク】トラク神の別名。アンガラク人は王の中の王、神の中の神というような意味をこめてこう呼ぶらしい。
【乾いた声】ガリオンの中からときおり話しかけてくる声。適切なアドバイスをしてくれているようなのだけど、からかい半分だし、曖昧なのでいつもガリオンを苛立たせる。最初はアルダー神の声かなあとか思っていたがちがうようだ。でもベルガラスは敬語を使ってる。運命?予言者?
【かんしゃく】《セ・ネドラ自身、これまでにもかんしゃくを起こすたびに、自分の芸術的手腕に満足を覚えてきたが、ポルガラのそれはあまりにも見事すぎて、ほとんど自然の災害にしか見えなかった。》(魔術師の城塞P.481)
【クトゥーチク】グロリムの僧を統べている。ゼダーとは仲が悪い。マーゴの実質的な支配者。ベルガラスのライバル。
【クトラグ・ヤスカ】アルダーの珠のことをカル=トラクはそう呼ぶ。
【クトル・マーゴス】マーゴ人の国、かな。
【クトル・ミシュラク】夜の都。アンガラク人の大都市。トラクが傷ついた半身を隠した。約5000年前の建設以来ずっと同じ雲に覆われている。
【熊神教】敵ではないみたいだけど。ベラー神に仕える者たち。
【グラル】エルドラクの一匹。ベルガラスと戦ったことがある。
【クレトル・ゴル】カル=トラクの大剣。
【グロデグ】熊神教の指導者のようだが?
【グロリムの僧】アンガラクでトラクを信奉する僧の一団。ふつうは単にグロリムと呼ばれる。魔法を使える者がいる。ローブを身につけ、トラク神の(と思われる)仮面をかぶっている。イメージカラーは黒。
【グンドレッド】バラクの娘その1。
【ゲゼール】タールの王のようだが、どんな人?
【ゲラン】ガリオンの父。
【ケルダー】→シルク
【この話は】壮大で、ファンタジーらしいファンタジーで、なおかつ論理的で筋が通っている。ほとんど完璧だ。キャラクタたちもそれぞれ個性豊かで、それぞれの人生を持っている。欠点も長所もたくさん抱いている。ストーリー進行上さほど意味のない日常的な会話も楽しい。
【ゴリム】神に選ばれなかった民の中から自らウルを探しに行くと立候補した男。ウルに触れられたせいで色を失った。
【コロダリン】アレンディアの王は代々この名を名乗ることになっている。
【ザカーズ】マロリーの王。ドロスタをして冷酷と言わせる。非常に民主的で文化的かつ洗練され礼儀正しい人物との評もある。う〜ん、見たところけっこう大物っぽい。でも、自分の力だけを頼みにしたあげく滅びる可能性もありそう。マーゴのタウル・ウルガスとは犬猿の仲で互いを滅ぼしたいと思っている。
【サディ】ニーサの宰相。宦官。ニーサ人なのでかなり独特の考え方をするが、けっこう人間として懐が深い。政治家としても有能。
【サルミスラ】ニーサの女王は代々この名を名乗る。《あの蛇女》《ひとりを知っていれば、代々の女王を知ったも同然なのよ》ポルおばさん談。
【ザンサ女王】ドリュアドの女王。ほとんど木の精。
【時間】《時間なんて狼にとって何の意味があるのかしら?》(byポレドラ 魔術師の城塞p.476)
【ジャーヴィク】チェレクの伯爵。亜麻色の髪の男。バラクを恨んでいる。マーゴ人と通じ謀反をたくらんでいる(のかな?)。
【シャ・ダール】思考だけで馬と会話できる能力の持ち主。アルガー人はことのほか重要視し「馬の族長」と呼ぶ。現在はヘターがこの能力を持っている。
【ジョラン】リヴァのガラス職人。天才。
【シラー】チョ・ハグの妃。
【シルク】ドラスニア人。皮肉なもの言いの楽しい男。ネズミ面の小男(イタチ顔という描写もあり。いずれにせよ気の毒)。優秀な商売人でありギャンブラーであり、王族の一員。本名はケルダー皇太子。ガリオンに「謎言葉」を教えてくれる。ボクトールのラデクやコトゥのアンバーなど、別の顔を持っている。仲間の中で最も活躍の機会が多い。冒険中でも《すこし商売をする時間があるといいんだが》。〈案内人〉
【ズブレット】ファルドー農場にいた金髪の美少女。早熟で生意気で少年たちの上に君臨した。ガリオンの初恋の相手(なのでしょう)。
【世界の目的】《世界の目的は、付きつめれば創造することなのだ。》(第3巻p.175)
【ゼダー】「裏切り者」ゼダー。魔術師。ブラントに破れたカル=トラクの死体を持ち去った。最初アルダーの弟子でベルゼダーと呼ばれていたがトラクに寝返ってただのゼダーになった。エランドを育て珠を盗み出した。
【セ・ネドラ】トルネドラの王女。赤毛の少女。ガリオンのお相手かな?《燃えたつような赤い髪をした少女が殺気だった目をして駆け込んできた》(2巻p.296)ドリュアドの血筋で、木と話ができる。〈世界の女王〉
【センダリア】畜農の国。ガリオンが育った。
【ダーニク】センダリア人の鍛冶屋。正直者で善人でしっかりしている。ガリオンがものごころついたころからの知り合い。農場を出るとき行動をともにしてくれた。ガリオンにとっていつどんな場合でも絶対的に信用できる人。〈二つの命を持つ男〉
【タール】ミシュラク・アク・タール。アンガラク人の国のひとつ。タール人は《巨大な重荷に耐えうる広い背中を持つ》(勝負の終りp.18)。《タール人ってのは何事であれ、必要に迫られなければやらないんですよ》(シルク談・竜神の高僧p.349)。グロリムはタール人を宗教的儀式の生け贄に使う。味方を敵にする有効な手段だと言える。タール人は敵が攻めてきたときには最初に蹂躙され、味方からは犠牲を求められる損な種族。今の王はゲゼールという人?
【タイバ】失われた民族マラゴー人の女。ラク・クトルの奴隷の牢から脱走した。旅の仲間となる(絶えた種族の母)。
【タウル・ウルガス】マーゴの王(たぶん)。イメージカラーは金。シルクと因縁がある。《やつはおよそ予測のつかん男だからな》(byベルガラス 魔術師の城塞p.98)
【ダガシ】クトル・マーゴスの秘密組織。暗殺者集団。
【沼獣(たくじゅう?)】ドラスニアの沼地にいる。悪意のある動物ではない。人間は彼らの毛皮が欲しいため狩りをする。《沼獣の方が人間よりも性格がいいことは認めよう》(byベルガラス 魔術師の城塞p.425)
【タッショー】ご隠居になりたがっているナドラク人の老人。
【谷】アルダー神の力が支配する場所。ベルガラスたちが修行し、彼らの塔が立っている。意外にラク・クトルに近い。
【旅】もっと速く移動できそうなものなのにゆっくり時間をかけて旅しているのは作者が作り上げた世界の観光案内を主人公たちにさせるため?変身できる連中はあちこち気楽に出没してるし。
【旅の仲間】ガリオン。ベルガラス(ミスター・ウルフ)。ポルガラ。ダーニク=二つの命を持つ男。シルク(ケルダー)=すばしこい盗賊(案内人)。バラク=恐ろしい熊。ヘター=馬の首長。マンドラレン=護衛の騎士。セ・ネドラ=世界の女王。レルグ=盲目の男。タイバ=絶えた種族の母。弓師は?レルドリンのことかな?
【珠】→アルダーの珠
【チェレク】アローン人のもっとも偉大な王〈熊の背〉チェレクの作った国。「珠」を奪還した後ヴァル・アローンに戻ったチェレクが改名した。船を作り海洋国家となる。
【チェレク】国。王たちの会談が行われた。
【チャルダン】7人の神の一人。誇り高い。
【チャンダー】黒衣の騎士。グロリムの高僧のひとり。ベルガラスやポルとは旧知の敵。またの名はマーゴ人のアシャラク
【チョ・ハグ】アルガリア王。足が不自由だが騎馬での戦闘には差し支えないらしい。名君っぽい。マーゴの王、タウル・ウルガスとは犬猿の仲。ベルガラス派。
【テック】ヴェラを買いそうなナドラク人の男。
【テルジー】バラクの娘その2。
【登場人物たち】個性的なキャラクタたち。ということは、それぞれひねくれているということ。それぞれ何か鬱屈を持っている。ほんのちょっと登場するだけの人物にもちゃんとした存在感がある。
【トーヴィク】チェレクの猟師。
【トーガン】リヴァのガラス職人。シルクの友人。
【トラク】7人の神の一人。民はアンガラク人。竜神。もっとも美しかったが「アルダーの珠」を奪い他の神々と戦い珠をコントロールできなくなって体の左半分を焼かれる。征服より破壊を好む。イメージカラーは黒。
【トラシン】アレンドのアスター人。レルディゲン伯爵の息子。レルドリンのいとこ。
【ドラスニア】アローン人のもっとも偉大な王〈熊の背〉チェレクの三人の息子の一人〈猪首〉ドラスが作った北の国。情報収集が得意。沼・湿地の多い湿った土地。
【ドリュアドの森】何千年も伐採が禁止されている森。ドリュアドとボルーン家の間に条約がある。
【ドリュアド】森の精霊?木と話す。炎と斧を嫌う。女しかいない。自分の木(樫)と同じくらい長生きで少女に見える。ウルフによるとこぢんまりしたグループで、善良な気質(え?)。昔王女の一人をボルーン家に贈ったのがボルーン家(現トルネドラ国王家)繁栄の元。その血は女にだけ発現する。
【ドルーン】センダリア人。ガリオンの幼なじみ。ちょっとどんくさい。
【トルネドラ】リヴァ王がふたたび現れたとき王女を后にするという約束がある皇国。《ペテンと買収と陰謀の入り混じった…》国。シルク談。《ここはまるで汚水溜めだよ》バラク談。
【トル・ホネス】トルネドラの都市(首都?)。世界中の富が集まる町。《このトル・ホネスでは金で買えないものは何ひとつない》シルク談。
【ドロスタ・レク・タン】ナドラクの王。薄汚い酒場で公務を執るのが好き。よいどれどもにタメ口をきかせている。意外に賢明。
【泥人間】不完全な人型のモンスター。顔がなく目は穴。中には蛇が入っていた。ということはサルミスラの手によるもの。
【謎言葉】指の小さな動きで会話することのできるドラスニア人の小人たちが使う言葉。口では他のことを話しながら他人に知られないよう大事なことを話し合うことができる。シルクがガリオンに教えてくれる。
【ナチャク】マーゴ人。アレンディア貴族にミンブレイトに対する反乱をそそのかす。
【ナドラク】アンガラク人の国のひとつ。ナドラク人は北を警護するためにトラクがここに置いたとされる。痩せぎすで浅黒い顔をしている。家は住めさえすればいい、永続性は必要ない。ぶっきらぼうだが悪意は比較的薄い。単純とも言える。今の王はドロスタ。
【ニーサ】ほとんどが湿原の国?
【ニーサ人】かつてニーサ人がリヴァ王を暗殺した。薬づけになっていてシューシュー話す。
【ネドラ】7人の神の一人。民はトルネドラ人。神様にしては気安い性格らしい。抜け目ない表情。
【ネリーナ】マンドラレンの想い人だがアンドリグ卿の妻なので不倫が噂されている。彼女は2人を等しく愛している。
【呪われた者】カル=トラクのこと。
【バラク】チェレク人のマッチョな戦士。王族の一員。トレルハイム伯爵。斧と剣を使う。じつは人に言えない秘密がある。妻のメレルとは不仲を噂されている。〈恐ろしい熊〉
【ファルドー】センダリアの農場主。ガリオンはその農場で平和で満ち足りた子ども時代を過ごした。
【フラルギン】馬に似ているが牙とかぎ爪を持つモンスター。人を喰う。
【ブランド】「リヴァの番人」と呼ばれる。4002年リヴァの王家が滅亡して以降アルダーの珠を守っていると思われる?代々その名を継ぐのかな?王たちとは対等な立場のもよう。
【ブリル】ファルドーの農園で働いていた男。どうやらアシャラクに使われている下っ端スパイだったらしい。
【フルラク】センダリアの王。現実的なものの考え方をし、計画性に富んでいる。
【プロルグ】「聖なる山」という意味。神に見捨てられた民の代表のゴリムや醜い生き物たちがウルを待ち続けた頂。
【ヘター】アルガリアの王子。チョ・ハグ王の養子。シャ・ダールであることが判明し、旅の仲間となる。マーゴ人に実の親を殺され憎んでいる。〈馬の首長〉
【ベラー】7人の神の一人。末弟。金髪。アローン人たちを愛する。熊神と言われる。
【ベランテイン】アレンドのアスター人。トラシンのいとこ。ミンブレイトとの融和派。
【ベリデル】アレンディアのミンブル人。アンドリグ卿の息子。
【ベルガラス】神話的人物。魔法使い。7000年ほど生きている。旅の語り部としてガリオンの前にあらわれていた。灰色の狼に変身する。
【ベルガリオン】この名は…
【ベルガリオン】→ガリオン
【ベルキラ】ベルガラスの兄弟弟子。ベルティラと区別がつかない。見た目も思考もそっくり。
【ベルダラン】ベルガラスの娘。リヴァ王の王妃となる。
【ベルダランの護符】という名前がついているわけではなかったと思うが、かつて彼女のものだった護符。木製でベルガラスお手製。ガリオンがセ・ネドラの首にかけてやったら2度とはずれなくなった。盗聴の機能を持っている悪趣味なアイテム。それによりセ・ネドラはリヴァの女王として立つことになる。
【ベルティラ】ベルガラスの兄弟弟子。ベルキラと区別がつかない。見た目も思考もそっくり。
【ベルディン】ベルガラスの兄弟弟子。汚らしく醜い老人。口はわるいが楽しい爺さん。ベルガラス不在の間ポルガラを育てた。
【変化】《「世界は動いているのだよ、アンヘグ。毎日、刻一刻と変化しているのだ」「だからといって、好きになる必要もあるまい」(勝負の終りp.246)》
【変身】ベルガラスやガリオンは狼に変身するし、ポルガラは白いフクロウに変身する。そのとき衣服はどこに行っているか、長いこと議論されてきた。誰かが秘密を見つけたとか言ってたような気もするが?
【ボー・ミンブルとボー・アスターの諍い】同じ民族であるふたつの国が500年間争い続けているのはミンブルがアスター爵位を認めないこと(ボー・ミンブルに忠誠をささげないと認めない)。一方アスターは今は滅びたボー・アスター公爵にしか忠誠を捧げない誓いをしていること、に端を発している。
【ボー・ミンブルの戦い】4865年から始まる、カル=トラクひきいるアンガラク人との戦争。
【ポー・ワキューン】滅びた町。霧の中のこの町でヘターを待つ一同が第2巻のはじまり。
【ボクトール】ドラスニアの清潔な街。
【ポッピー】ヴォルダイさんちにいる沼獣。すごく綺麗好きでいっつも家を磨き立てている。
【ポルおばさん】→ポルガラ。
【ポルガラ】ベルガラスの娘。魔女。4000年ほど生きているらしい。ガリオンにとってポルおばさん。毅然として美しくててきぱきした、はっきりした性格。白いふくろうに変身する。
【ポレドラ】ベルガラスの妻。ポルガラの母。じつは人ではない。
【ポレン】ローダー王の妃。明るく気さくな人。小柄でこの上もなく美しいと噂されている。ガリオンの鋭い?観察眼によるとシルクは彼女のことが好きらしい。
【マー・アモンの廃墟】マラの怒りと悲しみが統べる廃墟。《一瞬のひらめきで、ガリオンはその町が女の手でデザインされたものであることを見てとった。男の心は直線に走るが、女の思考はどちらかというと円を描く。》(第3巻p.108)
【マーゴ】アンガラク人の国のひとつ。マーゴ人はアンガラク人の中でももっとも勇猛とされる。《マーゴ人の頑固さときたら、ほとんど馬鹿に近いからな》(byバラク 魔術師の城塞p.112)今の王はタウル・ウルガス。
【マース】サルミスラのそばにいる大蛇。なかなかクールなやつ。
【マー・テリンの修道士】マラゴーの亡霊たちを静めようとする、トルネドラ人の罪滅ぼし(ウルフ談)。
【魔術】その者が想像できないようなことはできない。だから心のありようによって魔法の効果範囲は変わる。魔法のプロセスも人によって異なる。少ない魔力でほかの魔術士にできないことができたりもする。
【魔術師】《考えうる悪癖をすべて身につけた、かぎ針みたいな老人》(ポルおばさん談・第3巻p.233)
【魔女】《魔女は魔術師よりもはるかに自然に密着して暮らしていますからね》(byヴォルダイ 魔術師の城塞p.423)
【魔法】悪魔を使う召還魔法というか、精霊魔法というか。
【魔法使い】魔術師に対する侮蔑の呼び方。魔術師社会の業界用語。魔術師は魔法使いや魔女をバカにしている。ランクが下というか、別物として。《魔法を行うためには様々の霊を呼び出さなきゃならんが、魔術はそれだけで何でもできるのさ。》(byベルガラス 魔術師の城塞p.426)
【マヤセラーナ】アレンディアの王妃は代々この名を名乗ることになっている。
【マヤセラーナ】アレンディア、ボー・ミンブルの王妃。ボー・アスター公爵の血を引きボー・アスターの女性元首の肩書きも持つ。
【マラ】7人の神の一人。マラゴート人の神。自分の民が滅んだことを嘆き悲しんでいる。
【マラゴー】亡霊に満ちている。金が採れる。
【マラゴー人】性に寛大で共食いの風習がある(ウルフによると誰かが彼らの聖書を翻訳しそこねてその誤解から宗教的義務としてやっていたらしい)。トルネドラ人に滅ぼされた?
【マルガー】ドラスニア人の商人。シルクを嫌う(無理もないが)。
【マルテ】チェレクの盲目の老女。予言の力を持っていたがガリオンにちょっかいをかけたばっかりにポルおばさんの不興を買った。その結果…
【マロリー人】肉体的にはいまいちだが、尊大さでは並ぶ者のない人種。トラク神が西に侵攻するときのための戦力として手元に置かれている。
【マンドラレン】アスターのミンブル人の貴族。ボー・マンドール男爵。勇猛な戦士。〈護衛の騎士〉《気にするな。わたしはしょっちゅう誤解されているのだ。》
【ミスター・ウルフ】ひょうひょうとした旅の老語り部。ときおりガリオンのいる農場に姿をあらわす。その正体は…。ぼくのイメージでは、映画にするときはショーン・コネリーでいきたい。
【ミンブレイト】アレンド人の国。宮廷社会っぽい?儀礼を重んじる。同民族のアスター人を蔑視している。
【ムリン古写本】3000年ほど前に書かれた予言書。とてもわかりにくい表現で有名だが、それというのもこれを書き写したのが頭のいかれた男で、自分のわかる言葉でしか描かなかったから。ただ、今までのところ外れたことが一度もない。
【メレル】バラクの妻。政略結婚により結婚させられ義務としてのみ夫に連れ添っている。ように見えるが?
【モリンド人】ウルゴ人と分かたれた神を抱かない民。未だ神を見いだしていない。魔法を使う。迷信ぶかい。
【ヤー・グラク】ナドラク国(ガール・オグ・ナドラク)の町。金鉱の鉱夫たちがたくさんいる町。《もっとも醜い町》(勝負の終わりp.32)
【予言】二つの予言がある。正しい方とそうでない方。どちらが正しいのかは知らない。二つの正反対の予言は同じレベルで成就に向けて進んでいる。
【ライラ】フルラクの妃。腹があいているヒマがないほどの子だくさん。いい人。船旅が大っ嫌い。
ラク・クトル】クトル・マーゴスの首都(たぶん)。敵の本拠地とも言える。山の頂上に立つ城と城下町。寺院からはしじゅう生け贄の悲鳴が聞こえてくる。
【ランドリグ】センダリア人。ガリオンの幼なじみ。ガリオンがいなくなってからズブレットと婚約する。
【ラン・ボルーン二十三世】トルネドラの王。セ・ネドラの父。利に聡い(国民性も)。もうすぐ死にそうに思われているので王位継承をめぐりさまざまに暗躍がある。トル・ホネスに宮殿がある。ウルフが言う《思うに、あんたは多くのことを諦めすぎたんだな》。
【リヴァ】〈鉄拳〉リヴァ。アローン人のもっとも偉大な王〈熊の背〉チェレクの三人の息子の一人。権力欲や所有欲がなく「珠」を持つことができた。以降子孫が珠を守る者となる。4002年、ニーサの暗殺者に一族が皆殺しされる。
【リヴァ(地名)】〈鉄拳〉リヴァがセンダリアに作った城塞都市。暗鬱で退屈な地。センダリアから風の海をへだてた風の島にある。地図によると島国のようだ。リヴァ人は音楽と美術と詩を好む。シルクによると退屈な暮らしへの気晴らしだろうということ。
【リヴァの番人】リヴァの王家が滅亡して以降珠を守る代行者と思われる?4865年からの戦いの折り当時の番人ブランドがカル=トラグと一騎打ちし勝利する。
【レルグ】ウルゴ人。長老ゴリムに反発して生意気になっていた。次のゴリムはレルグによってもたらされるとされている。岩に潜る特技により冒険の同行者となる〈盲目の男〉。罪と儀式のことしか頭にない狂信的態度で仲間をうんざりさせる。風邪をひいても岩に潜ると治ってしまうので便利。シルクは岩に潜らざるを得なくなったことがあり、とても嫌がる。女(に惹かれる自分の中の堕落した部分)を恐れていてタイバのいいおもちゃ。
【レルディゲン伯爵】レルドリンの叔父。ボー・アスターの指導者。鉄灰色の髪と髭をたくわえた長身の痩せた男。
【レルドリン】アレンドのアスター人。トラシンのいとこ。赤みがかった金髪の美形。アストゥリアの若い貴族。ワイルダンターという町の人。弓の名手。ガリオンは最初軽薄なかっこうをした彼に襲いかかったが後に友人となる。ある陰謀に荷担してしまうなど思慮に欠ける部分がある。それもまあ、魅力ではあるが…。とりあえず、災厄に向かって突進していくタイプ。《その視線はあふれんばかりの誠実さとごくわずかな知性を物語っていた。》(魔術師の城塞p.541)
【老人】ナドラクの山中で出会った老鉱夫のことを指すことにする(名乗らなかったので)。ベルガラスとは旧知の間柄で、危険を忠告して去っていった。何も見逃さない鋭い眼を持っていながら、山を友とし世界の何物にもとらわれず生きている。《もしわしが限りある人生を生きる身だったら、迷わずやつと同じことをしたかもしれんな》(勝負の終りp.48)
【ローダー】ドラスニア王。シルクの叔父に当たるらしい。ベルガラス派。王も賢明だが、奥方のポレン王妃もかなりしたたか。ただし、ぶくぶくに太っていて、外見は冴えないかもしれない。《前の食事はもう過去だ。わたしにとっては次に来る食事の方が重要なのだ》(勝負の終りp.276)
【ワサイト・ワレンド】滅びた地。
【4002年】ニーサの暗殺者に一族が皆殺しされリヴァの王家が滅亡。
【4865年】ボー・ミンブルの戦い始まる。カル=トラクひきいるアンガラク人との戦争。
【1巻・予言の守護者】農場で暮らすガリオン少年は神話的戦争に巻き込まれる。
【2巻・蛇神の女王】セ・ネドラ王女登場。それからニーサの蛇女王。本格始動はまだ?
【3巻・竜神の高僧】亡霊の国マラゴー。ベルガラスの本拠地「谷」。ウルゴの地下の国プロルグ。そしてついに敵の中心クトル・マーゴスへ。
【4巻・魔術師の城塞】前巻のすぐ直後から。崩壊するラク・クトルからの脱出。なんとかリヴァにたどり着いたらとんでもないことに。