よはくのてちょう

手帖の余白に書くようなことを

「夢の夢」市東亮子

副題は「月光水晶」。

世界最古の物語と言われるギルガメッシュ王のお話。
エンキドゥと強い友情を結んだギルガメッシュと、エンキドゥを愛したスディナザ。

もっと物語を豊かにできたモチーフではないかと思いますが読み切り作品というのがたいへんだったようです。

(2006年04月08日読了)


副題は「君という現象」。

詩人の父親が旅に出、取り残された少女絵梨那の世界とギルガメッシュの世界をリンクさせたのはエタンナの夢か絵梨那の夢か。
絵梨那の父の宗と洲の父の学の絆。

(2006年04月08日読了)


副題は「少年たちの組曲」。

演出家をめざす青年モイチの純粋さにまわりの連中は大迷惑…って話ではなく、夢を追い続ける者と追えなくなってしまった者たち。

(2006年04月16日読了)


夢の夢に関する簡単なリストを下に置きます。


【愛】《最も醜い人間の欲望》(byイシュタル)
【アッガ王】都市国家キシュの王。ウルクに攻めてきた。
【アトラ=ハシース】最高の賢者という意味。
【アヌランキ】神々の集う処。神様たちの会議が開かれる。
【天(あめ)の牡牛】イシュタルの求愛を拒んだギルガメッシュに対する仕返しにウルクを襲ったが返り討ちに。
【アルル】創造の女神。
【イシュタル】愛と美の女神。
【ウトナピシュティム】最高の賢者(アトラ・ハシース)。ウバラ・トゥトゥの息子。
【ウルシャナビ】アトラ・ハシースとともにいる青年。死の海を渡す船の船頭。
【エタンナ】ウトナピシュティムの孫娘。リオの知人。夢を解くことができるらしい。
【エンキドゥ】ギルガメッシュと互角の力を持つ山男(ほぼ獣)。スディナザと交わることによって人の心を持つようになってギルガメッシュと友人となった。
【遠藤】洲の友人。
【エンリル】大気の神。いちばん偉い神様。
【黄金獏】夢の砂漠を守っている。邪な者に対してはわりと凶暴らしい。
【旧文字洲】陵の兄。
【旧文字学】田所宗の友人。洲の父。
【旧文字陵】絵梨那が同居している女性。
ギルガメッシュウルクの王。三分の二が神、三分の一が人間。強いが横暴。
【月光水晶】いい夢を見ることができるらしい。
【サソリ人間】双児山(マーシュ)のふもとの門を守っている。意外にいいヤツ。
【さや子】旧文字学の幼なじみ。後に妻となる。
シャマシュ】太陽神。ギルガメッシュを贔屓している。
【シン】月神
【スディナザ】イシュタル神の夢のお告げにより宮仕えすることになった乙女。エンキドゥに人の心を植え付けるために処女を捧げることになった。
【田所絵梨那】父親があてどない旅に出て置いていかれた少女。
【田所宗】詩人。絵梨那の父。夢の中で石に刻んだ詩を探しに旅に出た。わりと女グセが悪い。
【ニンスン神】女神。ギルガメッシュの生母。
【ネルガル】冥府神。火星のことでもある。
フンババ】杉の森を守る怪物。ギルガメッシュフンババが苦戦しながらも退治した。
【夢の砂漠】砂の一粒一粒がいつか誰かが見る夢の結晶らしい。
【夜】《夜は人間(ヒト)のもろさが流れ出す》(byシン)
【リオ】月神のしもべ。眠れぬ乙女スディナザが出会った少年。月光水晶を拾うようにすすめた。