よはくのてちょう

手帖の余白に書くようなことを

「密偵ファルコ」リンゼイ・デイヴィス

ファルコに関する10の要素

  • 舞台は古代ローマ
  • 冴えない探偵。
  • 特上の女との身分ちがいの恋愛。
  • タフでハードボイルド。
  • ファルコは余計なことを言って人を怒らせる名人だ。
  • 個性の強いキャラクタ。
  • 意外に強い正義感。
  • わりと先が読めない。
  • ときおり皇帝からの任務を仰せつかる(それが密偵ということ)。
  • なんかいろいろ苦労する。ファルコの苦労をぼくらは見て、にやにやと人の悪い笑みを浮かべつつ楽しむ。

塩野七生さんの「ローマ人の物語」のこの時代までの部分を読んでおくといいかも。








リンゼイ・デイヴィス
光文社
発売日:2003-06-13


ずっと読んでる古代ローマを舞台にした探偵もの。
キャラクタが魅力的。
探偵ものであり、身分違いの恋を描いた恋愛ものでもある。

交互にローマと遠いどこかが舞台になっていくこのシリーズ、今回はやはり旅先での事件。
それからファルコさん、とうとう父親になるもよう。

たまたまファルコが参加したパーティーの客が殺された。
容疑者すべてがオリーブ油貿易関係者で事件後全員ヒスパニアにそそくさと帰ってしまったのでファルコは追いかけていかなければならなくなった。
おりしもヘレナは出産間近で…。

ひとくせもふたくせもある連中の中であいかわらず皆を不愉快にさせつつ右往左往しながら迷惑がられているファルコの苦労が楽しい。

(2004年06月11日読了)


ある日ファルコとペトロが人間の手首を手に入れたことから、もうずいぶん長い間続いているらしい連続バラバラ殺人事件が明るみに出始める。

それと同時に、なぜかみんながファルコの相棒に立候補してくる。

ちょっと有名になってきたファルコ探偵事務所。

(2006年07月10日読了)


10巻目。
おなじみ古代ローマが舞台のハードボイルド探偵もの。

ファルコと仕事上のパートナーは脱税さがしに名乗りを上げまず剣闘士業界に目をつけるが調査を始めた矢先にライオンが殺され何か裏がありそうだ。
順番からすると今回は出張する回のはずだけどなかなか出かけない。
アフリカへ、というのが目に見えているのに。

《自分がどこの人間かは自分で決めることだ》p.327

(2006年07月24日読了)


リンゼイ・デイヴィス
光文社
発売日:2005-10-12

古代ローマを舞台にしたハードボイルド探偵ものの11冊目。

家禽長官となって、刺激がないファルコの毎日が始まるかと思われていた矢先、6歳の高貴な少女が家族に殺されると助けを求めに来たり、義理の弟のアエリアヌスが殺された死体を発見したりでなかなか安閑とした暮らしはできそうにない。

(2006年08月02日読了)


古代ローマを舞台にしたハードボイルド探偵ものの12冊目。
塩野七生さんの『ローマ人の物語』を該当の時代まで読んでいれば面白さ3倍。

詩の朗読会を開いたファルコに詩集出版の依頼が?
なんてうまくいくはずもなく出版社のパトロンをやってる大物が殺され捜査に乗り出すハメになった。
それから、未亡人となったマイアを狙っている(かもしれない)男たちが…。

今回は珍しくミステリっぽいファルコの推理ショウが見られます。

順番ではその回だけど今回は出張なしです。

(2006年08月20日読了)


ファルコに関する簡単なリストを下に置きます(ファルコを読むときにはこの手のリスト作りは必須作業ですね。キャラクタはチョイ役でも個性が強いけど、多い上に名前的になじみはないし似たようなのばっかりでとても覚えられないから)。


【アウィエヌス】クリューシップスが本を出していた著述家。高い評価を受けている歴史家。著者たちの中でたいがいいちばん最初に来るらしい。痩せて貧相で黒い服を着ている。
【アウェンティヌス】ファルコが住んでいる地区。ごみごみしている。水道が完備された古代ローマにあって、噴水から水が出てなくてもさほど不自然ではない土地柄。
アウグストゥス】この物語には登場はしない(とっくの昔に亡くなっている)が、名前は出てくる。古代ローマの初代皇帝。ユリウス・カエサル(英語読みならジュリアス・シーザー)の養子だったかな。皇帝になるまではオクタビウスという名だった。9月23日生まれだったらしい。ローマ繁栄の基礎を築いた。日本でなら徳川家康のような位置づけか。ちなみにユリウス・カエサル織田信長タイプを旧体制破壊者とするならばアウグストゥスや家康は建設者タイプ。物事を安定させることにより破壊と建設をつなぐ秀吉タイプが見当たらないが位置的にはアントニウスクレオパトラのお相手)がそれに当たるか。
【アエリア・アナエア】アナエウス・マクシムスの娘。たぶん20代後半。胸にこれほどの数の宝石を飾り立てているのを見たことがないとファルコは思った。クラウディア・ルフィーナの友人。それは父親どうしの仲が悪いからわざとそうしているのかもしれない。バツイチで実家の財産もあるし亡夫の遺した鉱山などもあるし すごい資産家。現在は独身生活を謳歌中。もののわかった大物っぽい女性。
【アエリアヌス】ヘレナの弟の上の方でファルコとは嫌いあっている。行儀と気立てが悪い。アエリア・アナエア(の資産?)に気がある。
【赤服】警備隊の制服らしい。ガンダムSEEDの赤服のようなエリートではない。
【アッピウス】床屋。
【アッリア】ファルコの短気な次姉。
【アトラクトゥス】→クインクティウス・アトラクトゥス
【アトリウム】死亡届や戸口事務所に置いておけなくなった書類なんかが保管されているお役所らしい。ファルコにはなじみぶかい場所。
【アナエウス・マクシムス】バエティカの大地主らしい。有名なセネカと同じコルドゥバ一門らしい。ローマからヒスパニアに移住してきた最初のローマ人の家系。
【アナクリテス】密偵頭。ファルコとは熱烈に憎しみあっている。それは共通の仕事でファルコの方が秀でているからだそうだ。ストーリー的には重要な役を振られることは(あまり)ない。《どんな変化でも、こいつの場合は進歩だった》(水路の連続殺人p.26)
【アパート】ファルコのアパートはおんぼろの6Fで昇るのがなかなかたいへんなのでファルコは暗殺者が二の足を踏んでくれないかなあと期待している(かもしれない)。でも最近他のアパートに引っ越したところ(でもやっぱりオンボロ)。1Fの洗濯屋のおばちゃんが大家の奥さんだったが最近離婚したようだ。
【アポロニウス】フローラの店の給仕。元教師でファルコも教わっていたらしいが二人ともそのことには触れないようにしている。
【アルウァレス兄弟団】教団のひとつらしい。宗教儀式を取り仕切ったりしている。ローマと同じくらいの歴史があり、デア・ディアもしくはオプスと呼ばれる豊穣の女神に仕え、もともとは豊作を祈るのが役目だったので今でも白い帯に麦の穂をつけた頭巾をかぶっている。
アルキメデス式走行距離計】ステルティウスが開発したメカ。自分の貸馬車に取り付けていて走行距離に応じて代金を徴収する。
【アルテミシア】カリオプスの妻。エウフラシアと仲がいい?浮気中のご亭主ともめている?
アルミニウス・モドゥルス】ポモナリス神官。ガイアの叔父。姻戚関係なので血のつながりはない。
【アンクス】マイアとファミアの子。
【アンフォラ】魚醤のたぐいらしいが。やっかいなおみやげ。
【イタリカ】ヒスパリスの近くの高級住宅街。ヒスパニアで最初にローマ帝国が入植した地。
【イッディバル】カリオプスのとこの闘獣士。じつはええとこのボンボンらしい。
【ウィビア・メルッラ】クリューシップスの若い派手な妻。
ウェスパシアヌス】ファルコ時代のローマ皇帝。歴史上は賢帝とされている。この人と息子たちの時代に、ネロの時代の放蕩からローマは立ち直った。コトがあるとファルコはこの人の命を受けて働くことになるが、ケチんぼで、ファルコの望むような報酬は出さない。基本的にはファルコのことを気に入っているように見える(単にいつ壊れてもかまわない「道具」として、だろうが)。
【ウァレリアン】フローラの店の向かいにある店。いつもきれいにしていて料理も美味いがなぜか客はフローラの店に行ってしまうので閑古鳥?清潔だとジンマシンになるんじゃないかとみんな不安ならしい。
ウァレンティヌス】感じのいい若いフリーの密偵だったが殺された。確実、迅速、品がいい、正確とピザ屋のような評価をされていた。不確実、遅い、品が悪い、ええかげんのファルコとは気が合いそうだ。
【ウィクトリナ】ファルコの長姉。奔放だったらしい。死去。
ウェスタの巫女】選ばれたら30年間神に仕えなければならない。欠員が出ると候補の娘たちの中から籤引きで補充される。ローマ女性の最高の地位にあると言える。
【ウェロンティウス】ファルコの次姉アッリアの夫。道路工事請負人。
【ウルティカ】ポンポニウス・ウルティカ。法務官。サトゥルニヌスをひいきにしている。
【ウルバヌス】クリューシップスが本を出していた著述家。ひじょうに成功している劇作家。
【エウスケモン】出版工房「黄金の馬」の責任者。ドラえもんとはあまり関係がないらしい。
【エウフラシア】サトゥルニヌスの妻。おだやかそうに見えるが、挑戦的な眼つきをすることがある。
【黄金の馬】ローマの出版工房。
【オプタトゥス】ヘレナの父親が手に入れた農園の管理人。デキがよすぎるのと無口なのとでファルコは不信感を抱く。クインクティウス・アトラクトゥスの小作人だったことがある。
【ガイア・ラエリア】将来ウェスタの巫女の有力候補。6歳くらいの少女だが貴婦人の威厳を備えている。ファルコに依頼に来たのち行方不明になった。
【ガイウス】ガッラとロリウスの子。もうじき14歳(水路の連続殺人時点)。だいぶガラが悪くなっていてスキンヘッドで腕いっぱいにお手製刺青(図柄はスフィンクス)。歯は半分欠けていてバックルには「くたばれ」と書いてある。どうしようもないヤツ街道まっしぐら。でもけっこうそれがサマになっているらしい。いつかきっちり災難にあうとファルコは考えている。なぜかヘレナにだけは礼儀正しい。
【ガイウス・キクルス】雑穀商。きっちりとした暮らしをしている30代なかばの無害そうなふつうのローマ人。妻はアッシニア。彼女が13歳のときに結婚し今は二十歳。
【ガイウス・バエビウス】ユニアの夫。税関使。義兄弟の中でファルコが一番嫌いな男。
【母さん】→ユニッラ・タキタ
【カエシリア・パエタ】ガイアの母。応急の集まりでマイアと知り合う。
【カエニス】アントニア・カエニス。解放奴隷で元宮廷秘書。現在帝国内で最も影響力のある女性。ウェスパシアヌスの愛妾。ヘレナの倍くらいの年齢。
【家禽長官】なんとゆうか、まあ、しょーもない官職でウェスパシアヌスが仕方なしに作った。しょーもない男が初代長官となる。
【鵞鳥】さる神殿にいる鵞鳥はかつて危機を知らせてローマを救ったとかで聖なる鵞鳥として貴ばれている。ファルコはちょっとした拍子にそいつらを救ってしまい、浅からぬ因縁となる。
【ガッラ】くたびれた三姉。夫はロリウス。最低の母親らしい。
【金持ち】《金持ちの若い男ってのはどこまでも運がいい》(byファルコp.336)
【カミルス・アエリアヌス】→アエリアヌス
【カミルス・ウエルス】ヘレナの父。デキムス・カミルス・ウエルス。元老院議員。ひょうひょうとしたおやじで娘たちを愛している。ファルコとヘレナの仲に困惑はしているが娘が選んだのだからしかたがないという態度。カミルス家はカペナ門の近くの閑静な地域に屋敷を二軒かまえている。名門だが案外金はなく、けっこうやりくりはたいへん。
【カミルス・ユスティヌス】→ユスティヌス
【カリオプス】ちょっとだけ成功した興行師。有名な剣闘士はかかえていない。オエア出身で、レプキス出身のサトゥルニヌスとは仲が悪い。
カルタゴ】アフリカの都市。かつては手ごわい敵国で、有名なハンニバル将軍がイタリア全土で戦い続け、そのあまりの強さにローマ人は恐怖した、そんな経緯があるので今でもカルタゴを嫌っている者は多い。ファルコの妹マイアの夫ファミアなどもその一人。ハンニバルをなんとか倒した後、ローマがカルタゴを完全に滅ぼしたのは恐怖ゆえだったろうから、ハンニバルの強さがカルタゴの終焉を早めたとは言える。今(ファルコの時代)のカルタゴはローマの属州として再建された貿易都市。
【カンパニア】ローマから2〜3日のところにある田園地帯。ローマ水道の水源のひとつがある。
【キュザクス】バエティカの荷船業者らしい。ノルバヌスとつるんでいるが仕事がらしかたないので。
【クアドラトゥス】→ティベリウス・クインクティウス・クアドラトゥス
【クインクティウス・アトラクトゥス】太った元老院議員。バエティカ・オリーブ油生産者協会のもっとも熱心な会員だそうです。偉そうなヤツ。
【クインクティウス・クアドラトゥス】→ティベリウス・クインクティウス・クアドラトゥス
【グナエウス・ドルシルス・プラキドゥス】インクの染みだらけの背の低い男。バエティカの通商の監督官。ネロ時代の帝室解放奴隷。
【グラウクス】静かな環境を乱さない分別のある者を選んでいる会員制公衆浴場の経営者。体を鍛えることが生死にかかわるような人間専用のトレーナーで、ファルコもお世話になっている。キリキア人の解放奴隷。
【クラウディア・ルフィーナ】リキニウス・ルフィウスの孫娘で、クインクティウス・アトラクトゥスの息子と結婚する予定。ヘレナの見立てではほんとうに気立てのいい娘。
【クリューシップス】アウレリウス・クリューシップス。黄金の馬という出版工房のパトロンであり銀行も営んでいる男。
【警察隊】警備隊より凶暴。まあ、今の日本で言えば、機動隊みたいなものか?親衛隊と同じ宿舎にいるので傲慢きまわりない。剣とナイフで武装していてすぐ使う。
【警備隊】ペテロの職業。まあ、警察みたいなものだが主な仕事は消火。隊員の大半は元奴隷で6年の年期があけて名誉除隊となっらたローマ市民になれる。6年間生き残れる率は20年の年期の軍隊とどっこいのような雰囲気。
【ゲミヌス】→マルクス・ディディウス・ファウォニウス
【剣闘士】おおむね奴隷がなる。見世物として闘技場で戦うが、負けたときはほぼ死ぬときという過酷な職業。勝ち続けたらいつかは木剣(ルデイス)をもらい自由市民になれるがそうなっても結局戻ってきてしまうらしい。要するに、いつかは剣で刺されて死ぬ運命にある人たち。下っ端剣闘士に若い頃のファルコでもかなわなかった程度には強い。
国勢調査(ケンスス)】古代ローマでは国勢調査が行われていたらしい。
【財務官(ケンソル)】税金を取り立てる人。皇帝ウェスパシアヌスは自らと息子のティトゥスを財務官に任命した。市民は財務官の出した査定通り税を払わねばならない。意義のある場合は皇帝に訴え出るしかない。
【粉屋】暗黒街のボスの元用心棒。小イカルスの相棒だった。
【コルドゥバ】ヒスパニアにあるコスモポリス(さまざまな血統の人々が混在する都市)。ローマ地区とヒスパニア地区がすっぱり分けられている。
【コルネリア】ファルコの次姉アッリアとウェロンティウスの子。
コルネリウス】バエティカの前任の財務官。評判のいい若者。その後のがデキが悪すぎる?
【コンスタンス】リキニウスの孫。なんとかひとかどのものにしようと周囲は努力しているが無駄なことだとクアドゥラトゥスは考えている。
【コンスタンティア】ウェスタの巫女。なんというか、まあ、ヘレナがいなければ、ファルコの恋人になれたかもしれない?タイプの女性。
【コンストリクトゥス】クリューシップスのところから本を出していた著述家。容疑者の作家たちの最年長。ファルコにしては珍しく好感を抱いた。恋愛詩人だが風刺詩の方がうまく描けそうな辛辣な性格。少々退屈かもしれないとはエウスケモンの評。
【サエプタ・ユリア】ローマの一地域。下級な密偵たちがいるらしい。ファルコの父の店もある。
【サトゥルニヌス】剣闘士の興行では一流どころらしい。カリオプスのライバルらしく、ファルコたちの財務調査の途中でなぜかよく名前がよく出てくる。背が高く、がっちりして、浅黒い肌、チリチリの巻き毛、つぶれた鼻。闘士のようだが身なりがいい。さすがにタレイアには頭が上がらないようだ。レプキス出身で、オエア出身のカリオプスとは仲が悪い。
【小イカルス】暗黒街のボスの元用心棒で今はフラシッダ、ミルウィア母娘の門番。並外れた小男。粉屋の相棒だった。
【シルウィア】ペトロの妻。ファルコは信用できずペトロに悪影響を及ぼすと思っている。たくさんの持参金(妻の座の保証金のようなもので、離婚したら返さなくてはいけないらしい)があったらしい。
【シルウィウス】アトリウムの書記。ブリキウスと愛人関係らしい。
【シルフィウム】失われた香草。かつて一都市を支えたほどの産物。再発見できたら一挙に大金持ちになれるだろう。
【水路】ローマには水道が、上水道、下水道ともに完備されている。有名な人物の名前のついた(その人たちが作った?)水路が高架となっていくつも走り、そこから必要な場所に分配している。浄水槽などもきっちり設置されている。水源はローマ近郊の湖のようだ。
【スキサクス】警備隊つきの医師。陰気な顔つきの東洋人の解放奴隷。痛み止めを出してくれず仕事に戻って忘れろというタイプ。死体にはあまり強くない。
【スキッラ】ポンポニウス・ウルティカの愛人。ジャジャ馬とのうわさ。
【スタティウス】水道局のおエライさん。えらいお役人らしく、無能。
【スタティリア】アルミニウスの妻。ガイアの父の妹。
【スタティリア・パウラ】ラエリウス・ヌメンティヌスの妻。最近亡くなった。夫婦で執り行う行事も多いのでラエリウスはユピテル神官の座を降りることになった。
【ステルティウス】バエティカの馬車業者。ローマ軍出身。メカ好きの変人(とファルコは思った)。
【ストリンギー】フローラの店にいる猫。ファルコとは敵対関係にありフーッとうなり合う仲。
【スパンキー】ルキウス・アナエウス・マクシムス・プリムスの愛称。どんちゃん騒ぎの催し方をよく心得ている若者。の息子。ファルコをして自分の息子でなくてよかったと思わせた。
【すべての道はローマに通ず】ローマ軍の得意は土木工事。軍団をスムーズに欧州中に向かわせることができるように広い道と都市の元になる砦を作りながら進軍した。結果的にすべての道はローマに通じることになったが元々はローマからならどこにでも行くことができたというべきか。
【スマラクトゥス】レニアと結婚した男。婚礼の松明で初夜の床に火をつけて火傷したバカ。
セディナ】ペトロの叔母。
【セリア】本名かどうかはわからないが、便宜上この名前で通す。ローマで起こった殺人事件の最有力容疑者の踊り子。プロの殺し屋だとファルコは考えている。
【セルギウス】警備隊第四コホルス唯一の強面でハンサムで巨体の鞭男の懲罰係。こいつには神経がないというのがファルコの持論。切断され黒ずんだ腕を見ても平然としている。
【総督】バエティカ属州総督。名前は出てこなかったように思う。ウェスパシアヌスの腹心だが役目がらバエティカ社会に取り込まれてしまっている。
【ソシア】ヘレナの従妹。16歳。きれいで明るい娘。
【ソフローナ】オルガンひきの娘。美人で腕はいいが軽薄なところがある。ファルコはタレイアの依頼で彼女を探す旅に出たことがある(そんな記憶がそこはかとなくある)。
【タレイア】怒らせてはいけない女。大競技場(キルクス・マクシムス)でたいていは蛇を相手に仕事をしている。ヘレナと仲がいいファルコの友だち(ファルコはびくびくしている)。
【沈黙の船主】ファルコたちご一行を格安料金でアフリカに連れていってくれたカルタゴ人。片道を空で運航していたのをいぶかしく思ったファルコは、帰りにはよっぽど実入りのいい荷を運ぶのだろうと想像する。
【ディオメデス】クリューシップスの離婚した前妻リュサと一緒に暮らしているバカ(かもしれない)息子。
ティトゥスカエサルウェスパシアヌスの長男。次期皇帝。ヘレナにちょっかいを出すファルコの恋がたき。それなりにファルコのことを認めてはいるようだがどこか出張先で死んでもかまわないとも思っているようだ。せっかちで「期限はおととい」というタイプ。
ティベリウス・クインクティウス・クアドラトゥス】バエティカの新任財務官。クインクティウス・アトラクトゥスの息子。ハンサムで魅力的な青年。ゆえにヘレナは信用できないと思っている。中身は空っぽなのに確実に成功者になることが保証されている。オプタトゥスはライバル心を燃やしている。友人を平気で非難し、すべて金に換算する人格。醒めた皮肉屋で思ったほど頭は悪くないかもしれない。総督閣下には好かれてはいないようだ。役所の連中は「偽善的な役立たず」だと考えている。見かけにだまされていない人にはすこぶる評判が悪い。ちょっぴり黒い過去がある。
【デキムス・カミルス・ウエルス】→カミルス・ウエルス
テルチュラ】ガッラとロリウスの子。
【テレンティア・パウラ】元ウェスタの巫女。30年勤め上げた後即結婚して周囲を驚かせた。ラエリウス・スカウルスの叔母。ヘレナの祖母の知人。
【トゥリウス】ティベリウス・トゥリウス。クリューシップスが本を出していた著述家。ユートピア論を書こうとしているが現在体調不良。とっても派手ないでたちをしている。
【トゥリニウス】ヘンなヤツ。
【戸口事務所】戸籍課のようなお役所らしい。
【ドティ】ルキウス・アナエウス・マクシムス・アエリウスの愛称。どんちゃん騒ぎの催し方をよく心得ている若者。の息子。ファルコをして自分の息子でなくてよかったと思わせた。
ドミティアヌスウェスパシアヌスの下の息子。ファルコは少々恨みを抱いている。
【友達】ローマの住人には例外なく自分より刺激的な生活を送っている友達がいるが誰もその友達を見たことがない。
トリポリタニア】アフリカ北部にあるローマの属州。独立心旺盛な生意気な地域。特に重要なのはサブラタ、オエア、レプキス・マグナの三都市。
【奴隷】奴隷といっても今で言えばサラリーマンみたいなもんで、けっこう重要な地位にはつける(まあ、サラリーマンは、考えてみれば奴隷ですわな)。解放奴隷になって市民権と選挙権を得ることができる道もあったらしい。この当時のローマはかなりの部分、すぐれた奴隷たちが運営していたようだ。えらい人たちの秘書や家庭教師くらいまでは普通にやっていたらしい。
【ヌックス】ファルコとヘレナのもじゃもじゃのみすぼらしい愛犬。散歩に連れて行って道に迷って戻ってこれなくなったらいいがとファルコは考えている。どうやら雌犬らしい。
【ネロ】有名な暴君。最初はいい皇帝になれそうだったがどこかでヘンな扉を開いたみたいだ。塩野七生さんの「ローマ人の物語」によると、金遣いは荒かったが民衆にはけっこう受けてたみたいなフシもある。ファルコの物語が始まった時点ではもうこの世に存在していない。国庫を空にしたこの皇帝の尻ぬぐいのためにウェスパシアヌスは苦労している。
【ノトクレプテス】ファルコとペトロが利用しているでっぷり肥えた銀行商。本名は違うがペトロがつけたこのあだ名(盗むとかロクデナシとかいう意味)の方が一般に流布してしまっている。
【ノルバヌス】バエティカの荷船業者らしい。アエリアヌスによると交渉人でガリア人(今で言うならフランス人か?)らしい。誰もがこいつを嫌っているらしい。ファルコと気が合うかもしれない。でもなかなか出会えず探しまくるファルコ。
【バエティカ】ヒスパニアの中の地名のようだ。オリーブ油が名産?
【バエティカ・オリーブ油生産者協会】金持ちの仲良しクラブ。名称は破壊防止法ないしは共謀罪回避のためのカモフラージュ?出てくる料理はそれらしくヒスパニア系。ポンペイウス家支援やヒスパニア貿易促進が目的ではないらしい。出世するのがめんどくさくなるような体験をファルコにさせてくれた。
【パクウィウス】クリューシップスが本を出していた著述家。別名スクルータトル。風刺作家。ヘレナとマイアをうんざりさせた話好き。
【パッスス】ペトロがよそから引き抜いてきた(のかもしれない)部下。
【パラティヌス丘】神殿と王宮のある地域。
【バルビナ・ミルウィア】→ミルウィア
【バルビヌス・ピウス】暗黒街のボス。ぺテロが追っていた。妻はフラシッダ。娘はミルウィア。
【ハンノバルストリポリタニアの大物興行師。カリオプスとサトゥルニヌスあたりでは歯が立たない男らしい。税金対策などで不正なことをまったくしておらず、ファルコの国勢調査査察官としての仕事でのチェックでもなんら問題がなかった。
【ピサルクス】海運業者。最近船の事故で損害を受けたらしい。
【ヒスパリス】バエティカの街のひとつらしい。ヘレナんちの農園からはちと遠い。夏至の頃の日差しの強烈さはローマ帝国一。
【ピロメルス】ピサルクスのいちばん下の息子で作家志望。今はポピーナで給仕をしている。
ファビウス】カンパニアで農園をやってる母方の叔父。人を怒らせてはくどくど謝ること以外何もしない男。ユニウス叔父とは宿敵どうし。
【ファミア】マイアの夫。競技用二輪戦車の緑チーム厩舎で獣医をしている。常に酔っぱらっているダメ男。家族の中ではいちばんまともな妹のマイアの唯一の失敗がファミアと結婚したことだとファルコは思っている。カルタゴ嫌い。
【ファルコ】主人公。マルクス・ディディウス・ファルコ。探偵さ。皮肉っぽいもの言いをし他人を不愉快にさせる名人で、かかわった人間はだいたいこの男を嫌う。すべてが二流の男だが恋人だけは一流。戦闘力は並みの男よりはいくらか強いという程度なので暴力沙汰ではそれなりに危機に陥る。このお話はもともとは老人となったファルコが若い頃を思い出しているというような設定となっていたが老ファルコがどんな状態かは不明。意外に脚本家の才能がある。詩も書いていて自作の朗読会を開くのが夢だが彼の詩を読んだことのある者はそれを止めたがる。乗馬は苦手。英雄だった兄にコンプレックスを抱いていたことがあった。
フェレット】ルキウス・アナエウス・マクシムス・ノウァトゥスの愛称。どんちゃん騒ぎの催し方をよく心得ている若者。の息子。ファルコをして自分の息子でなくてよかったと思わせた。
【ブクスス】カリオプスのとこで働くライオンの飼育係。
【フスクルス】ペトロの副官。ティベリウス・フスクルス。なかなか優れた警官。
【フラシッダ】コルネラ・フラシッダ。暗黒街のボスの未亡人。したたかな女。自分に盾つく相手を消すのが趣味。ミルウィアの母。
【プブリウス】ヘレナの叔父。ファルコにとっては忘れられない死に方をする。
【プブリウス・ラエリウス・ヌメンティヌス】ガイアの祖父。最近ユピテル神官を退官した。
【プランサー】ファルコがアナエウスからもらった老いぼれ馬。名前は俊足の意味だが本人は植物学者になりたかったのだろうとファルコは思った。
【ブリキウス】アトリウムの書記。シルウィウスと愛人関係らしい。
ブリタニア】今のイギリス。ファルコは鉛鉱山の奴隷として厳しい仕事をさせられたことがトラウマになっている。
【フローラ】ファルコの父親の愛人。ローマ一まずいシチューを出す居酒屋をやっている。
【フロリウス】ミルウィアの夫。暗黒街のボスの跡目を継いだらしいが妻の母フラシッダとうまくいっていないもよう。
【フロンティヌス】セクストゥス・ユリウス・フロンティヌス。著名な政治家。どころか、もと執政官(大統領や総理大臣みたいなもの)。43〜44歳。有能で精力的で誠実(やさしいという意味ではない)な一流の男。
ペトロニウス・ロングス】愛称ペトロ。ファルコの親友。家族ぐるみのつきあい。ファルコにとって他のだれも信用できなくともヘレナとこの男だけは信用に足る。性格のいい大男。第13地区警備隊長さん。仕事ぶりはファルコの友人としては不思議なことにとても誠実。でも内輪では何か悪いことがあるとファルコのせいでなければペトロの、ぺテロのせいでないときはファルコの、あるいはその両方のせいだと思われている。
【ペトロニッラ】ペトロの娘。水路の連続殺人時点で7歳。
【ペレッラ】オリーブ油生産者協会の催しの常連ダンサー。だが…。→セリア
【ヘルウァ】奴隷。オリーブ油生産者協会の饗宴を取り仕切った。東洋系で言われたことをすべて間違えて取るように見える人物。ひどい近眼だったらしい。
【ペルティナクス】ヘレナの元夫。家柄容貌ともに非のうちどころなし。でもヘレナには好きになれなかったので離婚届を出して戻ってきてしまった。ヘレナの叔父による縁談だった。
【ヘレナ・ユスティナ】ファルコの恋人。当然ヒロイン。元老院議員の娘なのでファルコとは身分がちがうのでこのままでは結婚できず、ファルコが出世したい(あるいは金が欲しい)と思う原因となっている。頭が良く親切で気の強い女性。ファルコとの恋はかなりこの人を苦しめている。ファルコと出会う以前に不幸な結婚をしたことがある。男運は良くない?ハンサムな男が嫌いで、ファルコは自分の場合は例外だったのだと考えている。探偵の相棒として有能だが女性なのであまり活動はできずプロファイリングがけっこう得意。
【ポエベ】ファルコの大叔母。カンパニアで農園をやってる。
【ボス】借金取り立て業をやってる男。怪力な巨人でぜったいに敵にまわしたくはない。
【ボラヌス】スタティウスの助手。無能な上司を持つ者らしく、仕事のできるきっちりした男。
【ポンポニウス・ウルティカ】→ウルティカ
【マイア】ファルコの利口な妹。ヘレナの仲良し。なぜかファルコのことをおめでたい世間知らずだと思いこんでいて心配している。夫はファミア。
【祭りの土産】ロリウスたち船頭の間でそう呼ばれている代物。じつにイヤ〜な物体。
【マリウス】マイアとファミアの子。
【マリナ】マルクス・ディディウス・フェストゥスの恋人?
マルクス・ディディウス・ファウォニウス】ファルコの父だが母さんとは別居中。ファルコやマイアは半ば憎んでいる。古美術商として成功しておりアテナイ黒絵式陶器の贋物の販売実績ではイタリアでもトップ。父の影響か、ファルコも美術品をみる目はある。
マルクス・ディディウス・フェストゥス】ファルコの亡くなった兄にしてローマ軍の英雄(戦死)。
マルクス・バエビウス】ユニアの息子。
マルクス・ルベラ】第四コホルス(警備隊)の司令官。それほどシャープではないが、それでもファルコはこの男を見くびったりはしないように注意している。
【間違い】密偵の世界では日常的に遭遇する危険だとか。
【マルキナ】マリナの子。父親は彼女のことを知らずに死んでしまった。マリナが育てることを拒否しているのでファルコがバックアップしているがマリナといっしょには暮らしている。自堕落名母親のもとでいい子に育っている。
【マルマリデス】ステルティウスのところで働いている解放奴隷。楽しそうに仕事をしている細い男。
【ミコ】ファルコの亡くなった姉ウィクトリナの夫。漆喰職人。
密偵】と書くとなんだか隠密みたいだが、まあ個人営業の探偵みたいなもんだと考えたらいいのでしょう。もちろんスパイ業も業務範囲のひとつ。でもファルコは、目立ちすぎるし、調査はともかく、スパイには向かんと思う。いったん仕事に入るとだれも信用できない(もちろん、だれも信用してくれない)。依頼者すらも。
密偵と警備隊長】狭義にはファルコとペトロ。密偵は複数の推理を同時に処理できるが警備隊長はひとつの推理しか処理できないのでそれが行き詰まると途方に暮れてしまう。
【ミュッラ】ハンノバルスの妹。堂々とした中年女。
【ミルウィア】バルビナ・ミルウィア。暗黒街のボスとフラシッダの間にできた娘。20歳そこそこ。すごい美女らしい。一見、思わずかばいたくなる令嬢ふう。
【メルディナ】ラエリウス・スカウルスといっしょにカンパニアの農園で暮らしている魅力的な女。
【モムス】奴隷監督官。ファルコとはそれなりに親しいらしい。どのていど親しいかといえば、まあ、ファルコを殺せと命令されたら特に悩みもせず殺せる程度の親しさだろうと思われる。
【ユスティヌス】ヘレナの弟。女優の尻を追いかけることを覚えた。兄よりはマシな人間とファルコは思っている。
【ユニア】うぬぼれ屋の四姉。
【ユニウス】母方の叔父。カンパニアで農園をやってる。ファルコをして変わり者と言わせる。地主の妻との関係を清算した後梁にぶらさがって自殺しようとしたが梁がおっこちて失敗。後に家を離れていた宿敵のファビウス叔父が戻って衝突、今度はユニウスが家を出た。
【ユニッラ・タキタ】ファルコの母。大勢の子どもを育ててきた肝ったま母さん。
ユピテル】神様。ユピテル神官はたくさんのタブーに縛られている。
【ユリア・ユスタ】ヘレナの母でヘレナより辛辣な皮肉屋。
【ユリア・ユニッラ・ラエイタナ】ファルコの娘。最初の子。ファルコが自分の手で取り上げた。両方の祖母の名前をもらった。ラエイタナは生まれた土地。葡萄酒の名前として知られているらしい。
【ユリウス・フロンティヌス】→フロンティヌス
【ヨセフス】公認伝記作家としてウェスパシアヌスにとりついている。粉飾版公式フラウィウス史を書くことになっているらしい。
【ラウルス】カリオプスのとこの嫌われ者の飼育員。どうやらワニの腹の中に消えたらしい。
【ラエタ】クラウディウス・ラエタ。皇帝官房長。解放奴隷の頂点にいる。クインクティウスとはあまり仲は良くないらしい。アナクリテスともあまり仲が良くなさそうなのはファルコにとっては少し味方に近い(かもしれない)。でも敵の敵は、やっぱり敵かもしれない(ファルコにとってはその可能性の方が強い)。味方は一種類しかいないが敵は何種類もいるから。
【ラエリウス・スカウルス】ガイアの父。今は妻とは別居し、メルディナといっしょにカンパニアの農園で暮らしている。
【ラリウス】ガッラとロリウスの子。
【リキニウス・ルフィウス】バエティカの大地主らしい。オプタトゥスはこの者を信用できると言った。孫はコンスタンスとクラウディア・ルフィーナ。
【リュサ】クリューシップスの前妻。食えない女。
【ルキウス・アナエウス・マクシムス・アエリウス】→ドティ
【ルキウス・アナエウス・マクシムス・ノウァトゥス】→フェレット
【ルキウス・アナエウス・マクシムス・プリムス】→スパンキー
【ルクリオ】銀行家クリューシップスの代理人。あまり付き合いたくなるタイプではないらしい。
【ルティリウス・ガッリクス】トリポリタニアの土地問題で苦労している実直で有能な行政官。
【ルベラ】警備隊の司令長官。
【ルフィウス家】今のトップはリキニウス。生粋のヒスパニア人の家系。
【ルメックス】レオニダスを殺したというウワサ。「獅子の目覚め」時点で最も人気のある剣闘士。サトゥルニヌスのとこに所属。ファルコとアナクリテス以外のローマ人は誰でも知っていた。
【レオニダス】剣闘士と戦ったりするために育てられた若いライオン。ファルコが捕まえた連続殺人犯人を処刑することになっている。
【レニア】洗濯屋の女主人。ファルコの前に住んでいたボロアパートの大家さん。最近スマラクトゥスという男と結婚した。イメージとしてはTVドラマ「トリック」の大家さん。
【ローマ】ファルコの時代は古代ローマ。当時のヨーロッパをほぼ統一支配していた。支配される前は抵抗し戦争したが後にはローマに支配されたことがステータスになった。イギリスなんかは支配されるのが遅れたのでいまだに田舎扱いされているらしい?得意技は土木工事。だからすべての道はローマに通じていたし、水道もあるし、戦争もまずしっかりした砦を作ってからでそのまま後に有名な都市になっているところも多い。ローマは地形的にはいくつかの丘で構成されていたと思う。アウェンティヌス丘、カピトリヌス丘、ピンキアヌス丘、クィリナーレ丘、ビミナーレ丘、エスクィリヌス丘、パラティヌス丘、カエリウス丘。参考資料として塩野七生さんの「ローマ人の物語」の少なくともウェスパシアヌス一族が出るところまでは読んでおくと、このファルコの物語はとても楽しくなります。
ロムルス】ローマの話をするときはこの人から始めなければならない。伝説ではマルスとレア=シルウィアの間に生まれた双子の一人。ティベリス川に捨てられるが狼に育てられその地でローマを建国し双子の弟レームスは殺す。後に神格化されてクィリヌス神となる。
【ロリウス】ガッラの夫。給水船の船頭。怠け者でファルコの義兄弟の中でも最低な人間にして二番目に嫌いな男。醜男なのになぜか女に手が早く(モテる)、しょっちゅう夫婦喧嘩している。