よはくのてちょう

手帖の余白に書くようなことを

星空からきた犬|ダイアナ・ウィン・ジョーンズ/原島文世・訳|早川書房|1785円|370頁|刊2004年09月|了2005年01月23日|幻小|

 孤独な少女キャスリーンが手に入れた犬は追放された星だった。謎のゾイを探し犬にされた星人シリウスの探索が始まる。
 エンディングはどこかせつない。

一緒にいろんな冒険をしようね。(p.31)★キャスリンが拾った仔犬はもと天狼星シリウス星界の大物だった。キャスリーンはあまり幸福でなく、仔犬のとつながりで自分の孤独を癒やそうとしている。せつないセリフ。

「人間のこまったところは、すべてかゼロか、どちらかしかないとこね。あのひとたちときたら、大むかしにはどんなふしぎなことでも起こったと思っているようだわ。それなのに、いまが現代だからというだけで、ふつうじゃないことは起こるわけがないと言いはるのよ。さあ、あたくしはもう寝るわ」(p.90)◆猫のティブルズのセリフ。

「きみたちはみんな、ヤッホーと言うしか能がないのか?」シリウスはとうとう腹にすえかねてうなった。「そりゃそうさ。犬はそういうもんだろ。ヤッホー!」(p.134)

いや、闇は動きではない。(p.330)◆地球の、闇の「あるじ」のセリフ。どことなく悲哀を感じさせて。

「そうまじまじと見るな。真実には決まったかたちなどないものだ」(p.331)◆同じく闇のあるじのセリフ。

星空から来た犬(ハリネズミの本箱)
ダイアナ・ウィン・ジョーンズ著・原島文世訳・佐竹美保

出版社 早川書房
発売日 2004.09.09
価格  ¥ 1,785(¥ 1,700)
ISBN  4152500263

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