よはくのてちょう

手帖の余白に書くようなことを

鳥の波


窓からぼんやり外を眺めていると都会とはいえどさまざまな鳥がたわむれている。

そして、いっときに見られる鳥はほとんど同じ種類の鳥ばかり。

それが時にしたがって変化していくのは、まるで波のようだ。

あるときは雀ばかりだったり、あるときは鴉ばかりだったり、ムクドリばかりだったり。

たまに鳩のことも。

だいたい見られるのはその四種かと思われる。

あるいは時間によって鳥の種類が決まっているのかと思っていたら、そうでもなさそう。

それらはランダムにぼくの眼前にあらわれる。

波のように規則正しいものではないのかもしれない。

おそらくは…、たとえば上空から見たら同じ鳥種の一群(アメーバのように不定形の境界を持っている)が互いに交わらないよう(いくらかは境界が交わることもあるようだが)、あっちに行ったりこっちに来たりしているのだろうと思われる。

だからそのときどきの偶然にしたがって、何が見られるかは変化する。

それでもやっぱり波のようでもある。