とある田舎町。
バスの時刻表を携帯で撮っておこうとバス停前の売店に入った。数人のお客さんと店の主らしい婆さんがいた。
きょときょとして時刻表をさがした。それらしいものを見つけた。平日用と土日用と休日用の三枚が鴨居の上のスペースに貼ってあった。
撮影しようとして気づいた。便数が少ない。連れが「えっ、こんだけしかないの?」と小さく叫んだ。客たちがにやにやしている。
ぼくは時刻表をつくづく眺めた。よく見ると「ジョル・ウ時刻表」となっている。
しばらく考えた。それでなんとなくわかってしまった。
再びキョロキョロする。ジョル・ウという小学生の女の子がいたら撮影しておこうと思った。どうやらこれは、その女の子の生活の時刻表なのだ。客たちは彼女に会いに来ているのだ。このあたりのアイドルかな?