よはくのてちょう

手帖の余白に書くようなことを

「どろろ」手塚治虫

むかし読みましたが映画にもなるようですので読み返してみました。(その時期に書いた文です)

四十八匹の妖怪に全身のからだの部品を食われ人造のパーツを育ての親の医師に作ってもらった青年、百鬼丸は妖怪さがしの途中、自称「怪盗」の少年どろろと出会いともに旅を続けることになる。

鉄腕アトムでもあり、火の鳥でもあり、ブラック・ジャック(特にピノコ百鬼丸の肉体とどろろの性格を持っているかも)でもありますね。

2007-01-13読了)



醍醐との対決間近。
どろろの秘密が明らかに。
そして唐突な終幕。

昔リアルタイムで読んだ記憶で「たしかどろろは○○だったよなあ」と思っていたのですが、やっぱりそうでした。
いきなりな終わり方だったなあ、と思っていたのですが、それもやっぱりそうでした。

この作品を思い返すと、なんとなくいつも残念だったなあ、という気分が生まれてきます。
もっともっとすごい作品になる可能性があったような気がするのですが。

2007-02-18読了)


百鬼丸どろろに関する簡単なリストを下におきます


【イタチ】火袋の手下。後に出てきそうな役まわり。
【運賀】四運慶の息子。十八の魔像を作ったと言われており、像が完成の後気が狂ったらしい。
【お自夜】どろろの母。
【お須志】百鬼丸が自前の眼で初めて見た人物。美しく気が強い娘。
【お米/およね】どんぶり長者の娘。少し頭が弱く妖怪のマネをするのが好き。
【金小僧】埋められたお金が掘り出してほしいと姿をとった妖怪。
【寳の目の三郎】富樫と木曽路の争いを見つつ仕官の道を探している青年。腕が立ちクール。唯我独尊という文字が模様になっている衣服を身につけている。
【四化入道】坊さんの姿で山奥の古寺に住みついている妖怪。
【寿海】流されてきた百鬼丸を救い、育て、義眼や義足、義手などを作ってくれた。百鬼丸は「パパ」と呼ぶ。
【上人】四十八の魔像をまつっていた寺の住職。
【しらぬい】サメの二郎丸・三郎丸を飼っている青年。
【醍醐景光百鬼丸の父。天下を取るために力を借りようと息子の肉体を四十八の妖怪に差し出した。そのわりには出世が遅くいまだ富樫の侍大将止まりですね。
【田之介】お須志の兄。似蛭にあやつられている。
どろろ】自称「怪盗」の少年。百鬼丸の腕についている刀を盗むために跡をついていくことにした。野盗火袋の子供。
【似蛭】多くの人間の血を吸ってきた妖刀。
【女夜叉/にょやしゃ】ある谷に住みついている妖怪。尾も醜い妖怪として活動できる。
【万代/ばんだい】定期的に妖怪に襲われるせいで貧しい村のリーダーの女。困窮する村人たちにお金を与えている。
【火袋】どろろの父。野盗を束ねていた。
百鬼丸】全身の体のパーツを四十八の妖怪に食われ、目も見えず、音も聞こえず、鼻もきかず、ものも言えないが超能力と人工パーツと腹話術で外面的には一般人ぽく過ごせる。体を取り戻すたびに弱くなっていく面がある。
【腹話術】育ての親の医師が別れ際にくれた本により百鬼丸は腹話術で話すことができる。でも、目がないのにどうやって読めたのでしょう。後の記述でどろろがどんな顔をしているかはわかっていなかったみたいだし。
【法師】百鬼丸と出会った盲目の男。
【魔像】ある寺にまつられている四十八の魔像。運賀の作と言われている。醍醐が願かけにきた。
【ミドロ】醍醐景光と敵対している木曽路の持つ名馬。
【みお】法師に連れられていった村にいた子どもたちの親がわりをしていた美しい(と思われる)少女で、百鬼丸と恋に落ちたが。