よはくのてちょう

手帖の余白に書くようなことを

自転車に乗って…

形而上学的空間

かつて自転車競技、ロードレースをしていました。
といってもさほど本気ではなく、自転車旅行するために脚を鍛えるのが目的でした。
それでも、それなりに走り方は覚えたと思います。
カニックも自分でやっていたので、自転車一台部品から組むことはできます。
スポークを組むのもできます。
残念ながらフレームや部品を作ることはできません。
穴をあける改造くらいはしていましたが。
マニアの中にはフレームからつくる人もいたようです。
いずれにせよ、自転車に関してはたいがいのことに対応はできるように思います。

しばらく自転車に乗っていませんでした。
でも、体を壊したのをきっかけに自転車通勤しはじめました。
ロードレーサーではなくママチャリで。
車に突っ込まれて壊れるまでの2年間がママちゃりで、壊れた後MTBっぽいのに乗り換えました。
太いタイヤは重いですが、路面の凹凸は吸収してくれます。
坂が少なく、小さな凹凸が多い都会の路面にMTBタイプは向いていると思います。
細いタイヤだとけっこう走りにくいことも多いですね。

もう3年を超えました。
やっぱり自転車はいいですね。

風を感じられる。
自分で走っている実感。

多少健康にも良いのでしょう。
衰えていた体力が少し復活したようではあります。

冬の寒い中を自転車で走っている人の気が知れませんでした。
でも実際自分で走り始めてみると…
これが全然寒いという気がしないのです。
べつに体がぬくもるからというわけではなく、とにかく寒さを感じない。
自転車の上にいるということは、一種の室内なのかもしれません。
自転車という形而上的なバリアーにくるまれているような。

慣性の乗り物

おそらく自転車は慣性を利用した乗り物と言えます。

慣性を最大限に利用するにはなるべく回転数を変えないことが大事です。
感覚的に足はペダルに乗せているだけで力は加えません。
ほとんど足の軽い重みだけで速度を維持するようにします。
だからどんなに速いスピードになっても足は疲れにくいのです。
急速な回転数の変化は脚の力を使用するということです。
都会の平坦な道で、10キロや20キロの距離ならそれで別に問題はないのですが。

変速機は基本的に回転数を変えないようにするための機構です。
速度を上げたり落としたりするためのものではないでしょう。
どんな地形でも回転数を一定にすること。
それによって脚の力を使わないですむようにすること。
長距離をそこそこの速度で走り続けることができるようにすること。
そのためのメカニズム。
正直なところ都会では使う必要がほとんどない機構です。

歩道の走り方

歩道を走る自転車を見ていると危なっかしいものです。

歩行者のクレームがいろいろあるのも当然です。

自転車に乗っている者も、車に乗っている者も、降りたら歩行者なのでわかりそうなものですが。

たとえば次のようなことを留意して走りたいものです。

  • 車道の危険が無視できるほど小さいならなるべく車道を走る(法律では歩道を走れずあくまでも特例措置なので)。
  • 時速8キロ以下で走る。
  • 歩行者を追い越す場合は1メートル以内に近づいてはならない。
  • 歩行者とすれ違う場合は50センチ以内に近づいてはならない。
  • 夜間無灯火は不可(法律で決まっているはずです)。
  • 歩行者に対してベル等の警報機を鳴らしてはならない(法律で決まっているはずです)。
  • 児童・幼児の近くでは時速4キロ以内に速度を落とし、さらに注意が必要。
  • 乳幼児を保持している父母等の近くでは(以下同文)。
  • 高齢者の近くでは慎重に運転し、1メートル以内に接近しないようにすること。
  • やむを得ない場合を除いて急激なコース変更をしてはならない。
  • 幅40センチ以上のふらつき走行は禁止。
  • 片手ないしは両手を離して運転してはいけない。
  • 立ちこぎはなるべくしないこと(フラつくだけだから)。

etc...

ですが、それらをいちいち意識するよりは、

★絶対に歩行者に恐怖感を与えないようにする。
という一文で済ませた方が上記各項目を守りやすくなるでしょうし、杓子定規に規則を適用しようとしてヘンな事態が生じないようにもできるでしょう。

★歩行者を尊重し、やさしい気持ちで走る。
という表現の方が各項目を守りやすい人がいればべつにそれでいいでしょう。ここいらへんは人によって異なって可です。