よはくのてちょう

手帖の余白に書くようなことを

「ギャラリーフェイク」細野不二彦

細野不二彦ギャラリーフェイク

ギャラリーフェイクの10の要素

  • 意外に美の信奉者なフジタ
  • サラのヤキモチ
  • ハードボイルドと人情話
  • オジンくさく体力もなくカッコ悪いフジタ
  • 膨大な知識に鋭い鑑定眼と超絶的な技術を持つ(カッコイイ)フジタ
  • 時空を超える美術品の謎
  • ペテン師なうさんくさいフジタ
  • 憑かれた人々
  • グローバル
  • クール

副題は「傷ついた『ひまわり』」

芸術がそんなに偉いんかい?というシニカルさと、美に奉仕する人間であることをやめない者であることが同居する男フジタ。
彼はかつて「Met(メトロポリタン美術館)」で腕利きキュレーターだった。
いまや性格もひねくれて美術界の裏側を飄々と渡り歩いているが、真の美を探し求めているようでもあり、ニセモノもホンモノも等しく扱う。
美術品に関してはすぐにアツくなってしまい命を賭けることさえ厭わず。

そんなフジタと大富豪の娘サラの恋愛も軽くからめながら世界中のさまざまな美を知っていくのはなかなか楽しい経験ではありました。

(2005年01月25日読了)


副題は「ジョコンダの末裔」。

モナリザのモデル論争に決着をつけるかもしれない証拠を抱いて逃れてきた少女がフジタに言ったセリフは「パパ」!!サラ怒髪天

(2005年02月13日読了)


副題は「林檎を持つ女神(ヴィーナス)」

トレジャーハンターのラモス。
国宝Gメン知念。
ミロのヴィナスは二流品とフジタ。

(2005年読了)


副題は「狙われた天守閣」

ムソルグスキー展覧会の絵」に発想を与えた画家、キリコに発想を得ようとするロック歌手。
天守閣ギャラリー。

(2005年読了)


副題は「ペルシャの秘宝」

女盗賊翡翠(フェイツイ)、瑪瑙氏と登場。
レンブラント調査委員会。
ラクター彩陶、サラと初キス。
能面。

(2005年05月08日読了)


副題は「五爪の龍」

窓際族のおじさん実は…。
嫌われ者の美術記者。
マヤ文明の黄金郷?
香港の実業家とその娘。
発掘に命をかけた男。

(2005年05月23日読了)


副題は「ニンベン師」

アフリカの謎の画家。
ヤクザにつかまるフジタ。
カポネのランプとラモス。
偽造師。
ライトの建築。
始祖鳥第三化石。

(2005年読了)


副題は「真珠と少年」

佐野乾山。
裏ROM。
タヒチの黒白真珠。
森の椅子。
ヒンドゥーの像とフェイツイ。
おカマと良寛
仮想美術館。

(2005年読了)


副題は「ガウディズ・ゴースト」

色と健康。
手作り時計にかける青年がサラにちょっかい。
刃に憑かれた殺し屋。
額縁屋のプライド。
雪国のフジタいきつけ温泉宿の女将。
ガウディの弱点とは。
野外美術館のまじめな館長。

(2005年06月12日読了)


副題は「山水の星」

美術品窃盗犯とフジタ。
ネオナチの陰謀。
おもちゃ好きな刑事。
宇宙飛行士とフジタ。
レゾネ作製に携わるフジタ。
英国でプロポーズされるサラにフジタは…。

《ワタシ………インチキな今のフジタも……好きですから…》p.156。

《だから、美しいと思ったものしか……そばにおきたくないんだ!》p.233

(2005年06月19日読了)


サラに「けっこう美の奉仕者だから」と見透かされてるなんてフジタの偽悪ぶりも底が浅い。

それはさておきこの巻は…

フジタに蟹の呪い?食べすぎか?
二級品を好む男。
砂漠の大画廊。
豪華客船で謎の声にサラおびえる。
バブル再訪。
萩焼きと舞子。
テディベアに父の愛。
イマリ・ロード。
顔のない自画像。

(2005年07月03日読了)


副題は「地震観音」

売れっ子モデルにストーカー。
天才棋士に勝った美女。
地震観音。
売れない古地図屋。
バスティアニーニ
リザのホームシック。
船越君の父のコレクションは。
沖縄旅行のサラ。

(2005年07月10日読了)


副題は「カンボジアエスト」

カンボジアエスト。
連立不当方程式。
左官魂。
聖なる宝石。
メトロポリタンの一夜。
化石をめぐる人々。
修復家の館。
〝アンティーク・オルゴールで子守歌を〟

「メトロポリタンの一夜」はいい話。

(2005年08月19日読了)


サラと知念と。
税金天国(謎の極楽島美術館)。
罪深きヴァンゲリス(ゼウス像の首)。
地蔵現る!(ライバル?)。
放蕩息子の帰還(ストラディバリウスのニス)。
人形は見ていた(ブリュの人形)。
波天奈の茶碗(地蔵ふたたび)。

(2005年08月21日読了)


副題は「加州昭和村」

人魚姫。
戦場カメラマン。
金唐紙。
アフリカの仮面。
偽ブランド鞄。
名画の見つからぬピース。
和紙。
イースターエッグ
加州昭和村。

(2005年10月17日読了)


副題は「花と器」

地蔵さんと生花の勝負。
モンゴルの仏像。
いぢわる婆さんの骨董店。
ラモスと少女のミイラ。
フジタは巨乳派?小乳派?

(2005年11月14日読了)


副題は「トンパミステリー」

月の絵師広重とブランパンの時計。
ブレイクと天使のパーティ。
蒔絵万年筆。
知念と地蔵と檜皮。
トンパ経と蠱術。
ケータイストラップと根付。

(2005年12月04日読了)


副題は「似た者どうし」

高田文化財団新理事長。
三田村倒れる。
フェイツイの作ろうとする香水の調香師(パヒユーマー)は世界に20人しかいない鼻(ネ)のひとり。
サラのジムの先生が自殺?
埋蔵金発見の顛末。
スコットランドヤード骨董課vsフジタ。
エステ母娘の確執。岩絵盗掘でサハリへ。

(2005年12月23日読了)


副題は「揚貴妃の香」

質屋の息子の新商売。
アール・デコの別荘。
女社長のショッピング・モール。
ショパンの心臓。
ジャン・ポール・香本の魔手がサラに?

(2005年12月25日読了)


副題は「KYOTO POP」

和時計と2000年問題
風水師と地動儀。
美大時代の後輩の女性に本を返しに行ったフジタはその息子に絵の家庭教師を頼まれる。
サラが見つけた手紙は届かなかった15年前のラブレター?
ジャンヌ・ダルクの鎧。
京の街にあるポッポアート。
エドワード・ホッパー「深夜の人々」の別バージョン。

≪人によって、孤独は快適ですよ≫

(2006年02月12日読了)


副題は「清香茶会」

台湾の茶藝と玉。
美術骨董課ふたたび。
ニンベン師ふたたび。
忘れられた植物標本。
パイプの思い出とゴッホの模写。
ミニカーの世界。

子どもの頃ミニカーけっこう集めたなあ。今は車の運転もしないけど。

(2006年02月20日読了)


副題は「メソポタミアを統べる者」。

インディアン・ジュエリー。
サラとニューヨークのフリマ。
百貨店のギャラリー。
現代アートのうさんくささ。
書の鑑賞法。
イラクでの発掘と昔関わった考古学教授の謎の死。

(2006年03月21日読了)


副題は「リング・RING・指輪」。

ファイツィに送られてくるアリス&ルイス・コッホコレクション売却希望メール。
古裂(こぎれ)とゲイ。
贋作の壺を売ったのが原因で温泉宿に逃亡したフジタたちはひとりのしょぼくれたオヤジに出会う。
ペットロボットと人間性
ギャラリー開設当初のアルバイトの女性と出会ったフジタ。
神田神保町
フジタに裏の世界を指南した菱沼と鳥獣戯画の断簡。
タイでアユタヤの遺物をサルベージする青年。

(2006年03月26日読了)


副題は「湿度」

老齢の桜。
ナチスの略奪絵画。
エルミタージュの女帝。
時代劇の悪役俳優と十手。
カッパドキアの悪魔。
水墨画と携帯電話。
フジタ逮捕され罪の判別は三田村館長が。
サラ、香本と勝負!

(2006年04月02日読了)


副題は「胡桃の兵隊」

サラの住んでるホテルでのできごと。
絵金祭りはシブい話。
フジタ、アフガニスタンにて。
出会ったときすでに晩年だった少年の秘密とは。
フジタいきつけの銭湯沖之湯。
もう一枚のモナ・リザを追うフジタとハンス。

《よいのだ…誰のでも……このモナ・リザは十分に美しい…!》。

そして、失意のフジタの前に久々登場のリザ。

(2006年04月02日読了)


副題は「サトゥルヌスの子供たち」

イラストレーターとちゃぶ台。
新ベーゴマとカードと子供の友情。
NGO女性のフェイクな手紙。
キャバクラ嬢と鍵師。
美術館ボランティア。
にせフジタを操るサラ。
哥窯青磁
ゴヤと幼児虐待の可能性のある女優と彼女を追う芸能記者

(2006年読了)


副題は「裏切りの2000GT

CGによるモンタージュ
フジタの下で働きたいとやってきた女性にサラはやきもき。
気象予報士と和傘。
コーカサスで出会った男は。
知念痛恨のミス仏像の指を折ってしまいフジタに泣きつく。
サラの泊まっているホテルの美術品修復を引き受けたフジタと不穏な一家。
名車トヨタ2000GTを見つけた逃亡犯。
フジタの隣の部屋で同棲するカップルは生き方がしだいにズレ始め…。

(2006年読了)


副題は「オリエント急行オークション」

サラの万華鏡。
オリエント急行でのオークション。
絶大なる影響力を持つアマチュア映画評論家。
出所した美術品専門窃盗犯。
サラの乗った飛行機が墜落?
老人ホームの柿右衛門
フェイツエイの拾ってきた幸福の王子

(2006年06月12日読了)


副題は「メキシカン・センチメンタル・ジャーニー

サラ誘拐される。
腕時計コレクターのバス運転手の父をうとましがる娘。
メキシコで水晶ドクロをさがすフジタ。
修理と修復。

(2006年07月02日読了)


副題は「稚児迷走」

サラの企画した「世界の美男子(イケメン)展」。
稚児に選ばれた少年はちょっと弱虫。
保存運動がある名建築の小学校校舎。
量販店の青年には憧れの女性がいて。
人形を抱えた少女。
鳥籠を飾っている売春宿の思い出。
サラを好きになったアリくんは。
中国の美術館設立に尽力した男は。

(2006年08月13日読了)




ギャラリーフェイクに関するフェイクなリストを下に置きます。

この話は…
フジタのギャラリーといっしょで、虚実ないまぜた美術の世界を描く。
相川欣也
モモ子さんに惚れてるキャバクラの使用人。けっこうすご腕の鍵師らしい。
山新ノ輔
渋谷の骨董商。TV番組の「ズバズバ家宝鑑定局」に出ている人気者。中島先生が原型か?
青沼
アンティーク腕時計のコレクターであるバスの運転手。
青沼友美
青沼の娘。フジタにあこがれている。もうすぐ高校受験。
アギラル
メキシコの富豪。水晶ドクロの持ち主。
アジス・アサド
イラクの警官。かつて江波教授のもとでフジタたちとともに遺跡を発掘していた。
アステカ文明
14世紀から16世紀にかけてメキシコ中央高原に栄えたインディオの文明。(6巻p.28より)
アダムス
映画のプロデューサー。大コケした。
アドルフ・ヒトラー
エゴン・シーレが美術学校に合格したその試験に不合格だった凡庸な画家。のちにドイツの独裁者となる。
アユタヤ
タイで14〜18世紀に栄えた古都。
アルマス
ネアンデールタール人の生き残りと言われている。コーカサス接触談がある。
アリ
P国から日本に来た青年。敬虔なイスラーム教の信者。サラのことを好きになった。ちなみにサラのQ国は隣国でP国はQ国に攻め込んだことがある。
アリス&ルイス・コッホコレクション
アンティーク指輪の世界的コレクション。コッホはドイツの老舗宝石店ロベルト・コッホ社の創始者
アンソニー・カーティス
21世紀オックス社社員。フジタをカイザーのところに案内する。
アンナ
ハンスの恋人。
田豊
ノンフィクションライター。
漁火亭
フジタいきつけの居酒屋。悪ガキがいる。
石津真理絵
ピーリングの技術者。
イタチの辰蔵
美術品専門の窃盗犯。目利き。
伊藤若冲
1716〜1800。江戸中期の画家。ニワトリなんかで有名。いまや大人気画家。
犬塚墨堂
著名な陶芸家。書にも一家言持っていた。現在は老人性痴呆症。ある重要キャラの実の父親。
猪俣
発掘品の捏造をして考古学界から追放された発掘家。作者はこういう人間的な弱さを感じさせる人物にシンパシイを感じるようだ。ぼくも、自分の中にある弱さに気づいているから同じ立場ならやっちゃいそうだなとも思え、シンパシイを覚えたりする。
インディアン・ジュエリー
北米大陸南西部のネイティブアメリカンがうみだしたジュエリーでトルコ石と銀を組み合わせて作る。
ウィークエンド・フリーマーケット
ニューヨークの週末に開かれるフリマ。入場料1ドル払うと手のひらにスタンプを押してくれて、何度でも出入りできる。
ウェグナー
ハンス・J・ウェグナー。デンマークの家具作家。彼の作った椅子は「椅子の中の椅子」と呼ばれる。
魚住
美浜の元手下。
老齢(うば)の桜
毎年花をつけるわけではない。
裏ロム師
パチンコのギャンブル性を高めるために改造ROMを作る連中。違法。
運慶、快慶
東大寺の仁王像を作った仏師。
永仁の壺
加藤唐九郎が作ったとされる重文にまで指定された贋作。
エカテリーナ・コラシニコワ
「エルミタージュの女帝」と呼ばれる辣腕学芸部長。
エキスパート
オークション会社の営業員みたいなもの。価値のある品を集めてくるのが重要な仕事。
絵金祭り
高知の赤岡町で催される。幕末の絵師弘瀬金蔵、通称絵金の屏風絵を町の通りに展示しろうそくの灯で見る。場所はどこかは知らなかったけど写真で見たことがある。暗くてハデで幻想的で、一度実物を見てみたいもの。
エゴン・シーレ
ウィーンの画壇をゆるがした夭折の画家。以前、奈良やったかなあ、展覧会が開かれたとき見に行ったけどすごい疲れた。緊張を強いる絵やね、あれは。
江副ルミ
売れっ子モデル。モデルへの道を作ったのはフジタ。
エドワード・ホッパー
19世紀のNYに生まれ1967年死去したアメリカの有名画家。街角の酒場を描いた「深夜の人々(ナイトウォーカー)」が有名。
江波教授
イラクの遺跡を発掘調査していたが謎の死をとげる。広島カープのファンでいつもカープの野球帽をかぶっておりカープの話をしはじめると止まらない。考古学者としては天才。頭髪の薄さがコンプレックス。
エボラ出血熱
致死率90%に達する恐ろしい伝染病。これまで人間にとっては森林の奥に潜んでいたが乱開発により表に現れてくるようになったとも言われている。
エミル・パウケル
オリエント急行でのオークションに参加した謎の乗客。
エリカ
ドンくさい介護士
エリザベータ・デル・ジョコンダ
自称フジタの隠し子。母を亡くしフジタを頼って日本に来た。サラのホテルに同居中。愛称リザ。歌はうまい。
L・ドナーティ
日本の「バカ女」(フジタ談)たちに人気絶大のブランド。
エルミタージュ美術館
ロマノフ家の財宝やロシアの豪商たちが買い集めた美術品270万点を所持する巨大な美術館。美術愛好家なら必ず行きたいとこ。
エルドラド
南米に眠る伝説の黄金郷。
大沢ちえり
ツアーコンダクター。海外の骨董オークションの案内したりした。身勝手な客たちに大苦労。
オーパーツ
そこにあるはずのない謎の出土品。
お嬢様学校の文化祭のバザー
何も知らないお嬢様たちが家から持ち出して来る上等な品が安く買える穴場。
オットー伯爵
エゴン・シーレのコレクター。
小仁多太
高校時代いじめられっこで、フジタのもとにお金になりそうな仁王像を持ってくる。今の商売は…名前でわかるかな。
オリエント急行
過去に一度だけ本当に殺人事件が発生した(とこのコミックスではなっている)。
オリバー・レノックス
ボストンの画商でうさんくさいヤツらしい。
カール
ハールマン教授の助手。
カイザー
毒舌で知られているアマチュア映画評論家だが米国映画界に君臨している?ネットで批評をしているらしい。トレーラーハウスで暮らす太っちょの人形コレクター。
ガウディ
スペインの天才建築家。
柿右衛門
江戸時代に有田で生まれたカラフルな磁器の総称。
額縁
洋画の額縁は時代、様式の違いがあってけっこう複雑で奥が深いらしい。
額面落ち
金額が印刷されていない切手のミスプリ。
カスタムナイフ
職人が手作りするナイフ。
仮想美術館
ネットでつながってパソコンで絵が見られる美術館などのサービス。
カッパドキア
トルコの奇岩がたくさんある地域で迫害を逃れてきたキリスト教徒の地下都市が発見された。
加藤唐九郎
一流の陶芸家。「永仁の壺」事件の贋作でも有名。だけどことに名前に傷はつかなかったように思える。
カナン・ファウンデーション基金
ナチスの美術品を調査している。
蟹の盃
江戸時代の大名や商人に大人気の金属製で横に歩くからくり。フジタが手に入れたものは、オプションでこれを手にした者は心臓が悪くなるという因縁つき。
カポネのランプ
アル・カポネが死ぬときに病床にあった。隠し財産の在処を示しているかもしれない。
亀ケ岡
発掘調査に命をかけた男。フジタにあるモノの復元を依頼する。
加茂水仙
茶人。三田村小夜子の古美術の師匠でもある。最初はフジタをこらしめるために登場するが、けっこうウマが合う。
鴨田晴彦
人気お天気キャスター。妙に羽振りがいい。
カヨ
矢野の元恋人。
哥窯
宗を代表する六つの窯のひとつ。ほかには定窯(ていよう)、汝窯(じょよう)、官窯(かんよう)、釣窯(きんよう)、龍泉窯。
カラーセラピー
色による人体への影響を考慮し、健康を増進させるという説。
カルロス
裏世界のブローカー。美術品盗賊団のボスでもある。
皮鯨
唐津のひとつ。器の口縁の鉄釉を鯨の皮に、器自体の色を鯨の身の色に見立てた。皮鯨のぐい呑みは酒のみあこがれの的。
川口京介
ベトナム戦争を撮影した戦争カメラマン。行方不明。
瓦刑事
美浜を追っている。
神田神保町
いわずとしれた世界最大の古本屋街。140もの店があるという。ぼくも東京にいた頃、毎日のように行ってたなあ。
キクシマ
オートクチュールの国内大手。オバサン向けで先は見えている。春奴の実家。
北小路
作家。ときどきカンヅメでサラの住んでいるホテル・ニュートントーキョーにやってくる。
北白川隆一
大東亜生命株式会社総務部部長付。要するに窓際族のさえないじいさん。しかし美術好きの前社長といっしょに美術品のコレクションをしていた目利き。6巻で企業の名品展の企画にかり出され、三田村館長を煙に巻きフジタと関わった。クリムトが好き。
木戸
腕利きのニンベン師。完全なものが作れすぎてヤル気を失いつつある。今はイメクラ経営者。自身は婦警プレイが好き。
ギャラリー・フェイク
藤田が営んでいる画廊。裏で何をやっていることやら。それにしても、港の倉庫にあるみたいだがいいのかなあ、潮に近い場所で。
キャリーバー20
ミネルバ社キャリーバー20。青沼の愛用クロノグラフ。ストップウォッチ機能がついていて正確。ミネルバ社は腕時計のムーブメントの専門メーカーで有名ブランドでも使われている。キャリバー20は自社名で出されたもの。
キュー植物園
ダーウィンの植物標本を保管している。
ギュンター・ブーフハイム
旧東ドイツの無名画家。ある人物とそっくりの風景画を描く。
行基
貴族のためのものだった仏教を庶民レベルの信仰まで広めた人。
玉(ぎょく)
中国で6000年にもわたり尊ばれてきた石。角閃石と輝石を加工した工芸品。
清四郎
亮太のベイファイターでのライバル。
ギル・ベイカ
世界的大富豪で病床の母親のために「窓の絵」を探している。マルチソフト社の会長。モデルというわけでもないが、ビル・ゲイツが原型なのでしょう。
金唐紙(きんからかみ)
欧州の王侯貴族の壁を飾る革をプレスして彩色した金唐革の革を日本人が和紙に変えたもの。
金融絵画
銀行に差し押さえられた絵画。バブル期に日本人が買いあさったものが多く存在する。
ぐい呑み
手のひらに乗るくらいの小さな器で酒を注ぐといい感じ。
工藤由紀絵
サラの企画した大人気展示会「世界の美男子(イケメン)展」でカラバッジョの「若者たち」の合奏を欲しがった女性なのだが…。
国光
短刀(日本刀)の名手。西洋のナイフと異なり刃そのものの美しさを追求した。
組香勝負
何種類かの香を組み合わせたものを当てる勝負。
クリムト
有名画家。
ゲスト・リレーション
ホテルの宿泊客の要望を聞き対応する役職。最近よく聞くコンシェルジュってやつ。
ケント・フォレスト
鉄道評論家にして鉄道グッズコレクター。何かの目的を抱いてオリエント急行でのオークションに参加した。
黒沢辰之
木工の人間国宝だった。椅子を作るために保護区域のスギを無断で伐採したらしい。
携帯電話
湿度の利器。
古伊万里
なぜかアフリカにあった。
小梅おばさん
フジタのいるアパートの住人(管理人ではないと思うが)。息子は超ゴージャスな相田病院の院長。
小金沢リョウ
イラストレーターで今は売れてるマルチタレント。
ゴーギャン
タヒチをモチーフに数々の絵を描いた有名な画家。タヒチに彼の絵は一枚もない。
古裂(こぎれ)
古くなった和服をバラしたもの。昔の人はそれを再利用していた。
コスコフ
ソ連軍の兵士だったが、いまはなぜかムスリム
五爪の龍
皇帝だけしか使えなかった紋。
古地図
王侯貴族のもの?
骨董屋
《骨董屋っていうのはな、客が一人でも食っていけるものさ。金払いのいい客さえつかんでいればな。》(16巻p.161)
コパロアーニ
グルジアのある村の村長。チクワーゼ一家と村長選の最中。
佐江木普三
巨匠。
佐伯祐三
若くしてなくなった洋画家。パリを描いた。1898〜1928。
嵯峨ひとみ
元は京都の老舗菓子屋嵯峨屋だった家の娘。今は床屋。ジャジャ馬でいつも新太郎を守っている。和菓子屋の娘のわりにジャンクフードばかり食べている。
ザグ
コパロアーニのとこで使っている男。人種が違うようだ。
桜木
桜花興業(ヤクザ)の女会長。アール・ヌーヴォーの作品に入れ込んでいる。すんごい入れ墨を彫っている。
サグラダ=ファミリア教会
ガウディ設計の建築物。バルセロナの象徴。完成しない(でほしい)作品。
ザナバザル
モンゴルの僧。色っぽい仏像を作った。彼の作品はいずれも国宝級。
佐野乾山
乾山が栃木の佐野に一時住んでいたという言い伝えと、発見された200点におよぶ作品の真贋をめぐる大騒動が巻き起こり、やがてうやむやのうち業界のタブーとなった。
サパタ
メキシコ・マフィアのボス。フジタにうらみがある?
サラ=ハリファ
ヒロイン(でしょう)。中東のさる国の元王女。ある事件をきっかけにフジタに惹かれギャラリー・フェイクで働くことになった。彼女の恋は実るのか?現実離れしているほどの超大金持ちでホテル・ニュートントーキョーのエグゼクティブ・フロアの1524号室で暮らしている。
三条公彦
テレビでおなじみのコメンテーター。著書多数。贋作や二流品を愛す。《一級品の放漫より二級品の安らぎ!》。財界四天王と呼ばれた三条公秀の息子。
ジェイド
フェイツイの店。
ジェームス・ハウザー
インディアン・ジュエリーの商売をしようとニューメキシコに来た男。フジタに借金があるらしくネチっこい取り立てに悩まされている。兄は先祖伝来のジュエリーを作り続けるガンコ職人。
ジェラルド
リザのマンティーニャ音楽院初等科での同級生。悩みがある。
宍戸文夫
元動物園の飼育員で定年退職後美術館でボランティアを始めた。
死者の日
メキシコの祝祭日。お盆のようなもの?
地震観音
地震予知をした観音。
地蔵大作
一流料亭「望月」の主。人を引きつけるカリスマ。自身には鑑定眼はないが、鑑定眼のある多くの知人を持つ。フジタの才能を高く買っており、裏の仕事ではなく陽の光のあたる場所で活躍してもらいたいと思っているが、フジタにとっては大きなお世話で、逃げ回っている。どちらかといえばフジタが押され気味の戦いになっている。
始祖鳥
1860年ドイツのゾルンホーフェンで化石が出土される。化石標本七体のうち三体目のものは盗難にあい行方不明。
ジッポー
アメリカ製の鉄でできた無骨なライター。愛好家多数。たばこすいならひとつは持っている、かもね。
地見
船村元太郎の弟子だが佐伯祐三の絵の鑑定のとき船村の判断に異をとなえた。
ジャンヌ・ダルク
いわずと知れたオルレアンの乙女。英仏の戦争で祖国フランスのために戦った少女。
ジャン=ポール=香本
調香師。世界に20人くらいしかいないとされる「鼻(ネ)」の一人。
醤油
フジタはさまざまな味付けの醤油を金魚に詰めて外国に持って行ってるらしい。中身はさしみジョーユ、ワサビジョーユ、ぽんずジョーユ、おろしジョーユ、みそだれ、ゴマだれ、etc...
ショーン
ぶったくりショーン。大女。カポネのランプを探している。ラモスの…
ジョコンダ
ジョコンダ夫人はモナ・リザの有力なモデル候補。
ジョゼップ=マリア・ジュジョール
ガウディと同時代の建築家。協力者でもあった。ガウディ作品の色彩面担当?
白木みづほ
石津真理絵の妹。
ジル・ド・レエ
ジャンヌ・ダルクの同志の一人。その後の猟奇的な趣味により「青髭」として有名。
シルビア・マルソー
サザビーズの営業部員。オリエント急行を借りきったオークションの企画を立てる。8年前エキスパートとしてのデビュー企画をフジタに酷評され見返してやりたいと思っていた。
新太郎
京都の老舗旅館つづれ屋の跡取り息子。いじめられっ子だが怖すぎたあげくジャングルジムの上で眠ってしまうような少年。いつも嵯峨ひとみに守ってもらっている。
シンハ
インドのえらそーな坊さん。
水晶ドクロ
超有名なオーパーツ
スワン
ヨコハマの骨董店でいぢわるな婆さんがひとりで切り盛りしている。
関根潤
宇宙飛行士。フジタとは美大の同期。
瀬古
セドリ師。フジタに落丁のある本を売りつけた。
セドリ師
店舗を持たず全国から掘り出し物を買い集め高く売って儲ける古本屋。
泉岳寺るみ
千手堂
会員制のお高くとまった時計屋さん。自分の手作り時計を一本300万円で露天で売り、買ってくれた人だけが会員になれる。これじゃ商売にならないって。僕の時計もクオーツではなくゼンマイ式です。
千利休
茶人。茶の聖典「茶経」を書いた陸羽と名前の音が似ている。
副島種臣
幕末の志士で明治になってからは郵政大臣外務大臣を歴任した。切手にもなった人らしい。フジタはこの人の書を日本の歴史上の最高峰と言った。
ターナー
ウィリアム・ターナー。1775〜1851。日本でも人気の湿っぽい作風。ぼくも好きです。
大ドイツ芸術展
ナチスは古典的な芸術を賛美した。
大道寺寛
国立大手門美術館の館長。中国大文明美術館の設立に尽力した。
頽廃芸術
かつてナチスが当時の前衛芸術を「頽廃」の名のもとにさらしものにし処分した展覧会。
伊達仁之助
S市の地元の名士だった遠山甚五郎をパトロンとしていた画家。少なくとも今は無名。
高倉
こわもての警部補。ブリキのおもちゃ(ティン=トイ)好き。《コレクターって、どんなジャンルでも家族に理解されないんだよ〜〜〜》
田上
老人ホームにいる老人。いつもエリカさんに文句をたれている。
高見沢ユカリ
漫画家の天王寺薫子のアシスタント。勉強家。じつは…
滝川太郎
近代西洋絵画の鑑定家にして贋作家。
タヒチ
南洋の楽園。ゴーギャンが暮らした。フランスにより近海で核実験がおこなわれた。
たまえもん
家電大手の竜王電機が作ったネコ型ペットロボット。
断簡
鳥獣人物戯画」の失われたピース。4点は所在が判明している。
チコ
タヒチの漁師の少年。神の根と呼ばれる場所に潜れる。最後にフジタに向かって「マウルール(ありがとう)」と言ったときの表情が印象的。
チット
アユタヤの遺物をサルベージしている青年。マリという娘に惚れているらしい。
地動儀
風水師の使う道具。一種の地震計らしい。
千鳥香炉
脚がありそれより高い高台がありそっちの方が接地している香炉。
知念護人
国宝Gメン。国宝に指定すればよいモノを自由に鑑賞できるようになるのでやってる美術品フェチ。
チャーリー・ニコル
腕利きエキスパート。「後家殺しのチャーリー」と呼ばれている。女性のメーキャップが得意。サラにプロポーズする。
茶経
お茶の博物学書にして聖典。陸羽という人が書いた。
茶藝
台湾の茶道。
ちゃぶ台
明治になってから発明された食卓。
辻堂尚之
日本の絵画修復界の草分け。フジタと同じくポール・ベルナールに学んだいわば兄弟子に当たる。
辻堂ルナ
フジタの手伝いをしたいとやってきた女性。ニューヨーク大学美術品修復科でスコセッシ教授に学んだと言っている。辻堂尚之の娘。なにか企んでいるようではあるが…。
テイト・ギャラリー
ロンドンの美術館。ターナーのコレクションが目玉。
ティンガティンガ
画家。動物たちを独特のフォルムと色彩で描きアフリカの大地と空を感じさせる。酔ったあげく暴走、射殺される。似たような絵を発達させている一派をティンガティンガ派と呼ぶ。
TIN-TOY
ブリキのおもちゃ。
テディベア
それっぽいクマのぬいぐるみはなんでもテディベア。ルーズベルト米大統領(愛称テディ)の逸話から名付けられた。ちなみにクマのプーさんもテディベアだったはず。
テレサ・コンティ
L・ドナーティのローマ本店店長。
天王寺薫子
有名な漫画家。サグラダ=ファミリア教会にヘドをぶちまけた。
トヨタ2000GT
日本が誇る名車。1967年に377台のみ生産されたスポーツカー。
鳥籠酒家
バードケージ・ホテル。東南アジアのとある国の売春宿。各部屋の窓に鳥籠が下げられている。
鳥越実
茨海小学校校長。旧校舎保存運動に参加しろと突き上げられ困っている。
鳥山
古書愛好家。山田休太郎『聖女淫楽』を探している。
トレーディングカード
ひとつの世界観(ルール)に基づくカードゲームをするためのゲーム。人気ゲームのカードは高値で取り引きされることもある。
トレジャーハンター・ジャンキー
宝探しの過程そのものが目的になった者。大きな発見をして大金を得てもすべて次の宝探しにつぎ込んでしまう。ラモスは自分をそれだと言う。吉岡助教授は自分を考古学中毒者と言う。皆それぞれ憑かれている。
永嶋栄作
ツルカメというデパートを創業した成り上がりもの。骨董をたくさん集めている。
長田ジョージ
自信過剰な美学生。三島額装のお嬢さんに惚れているらしい?
中村館長
みはらし高原美術館の館長。東海製鉄のサラリーマンだったが飛ばされたらしい。「どんな場にあっても、仕事をする以上は一流の人とすべしッ!」というのがモットー。
南雲圭介
鳥獣人物戯画の断簡を所持していると思われる南雲家の跡取り息子。受験生。じつはあ