よはくのてちょう

手帖の余白に書くようなことを

「ジーン・ワルツ」海堂尊

クール・ウィッチは地域医療に呪いをかける
■「医学のたまご」の薫クンの母上(と思われる女医)曾根崎理恵が出ている。おそらく、先にアッチを読んだらいけなかったのかもしれない。冷静で鋭い。異名は「ウイッチ(魔女)」。
■「ひかりの剣」の主人公のひとり、清川が帝華大学の准教授として出ている。これは、あっちを先に読んでた方が楽しいだろう。
■重要なモチーフは「不妊治療」、そして、メインは「代理母出産」かな?
■マリアクリニックという産婦人科医が重要な舞台。
■他の話でもちょいちょい出てくる極北市のできごととかかわりあっている。
■医療技術の向上による、生殖とセックスの分離。
■医療の進歩した世界における父親とは、母親とは?
■理恵のたくらんでいることは?まあ、だいたいわかるけど。
■あの飄々とした清川が、魔女の呪いから逃れられないのか?まあ、彼なら魔女の呪いは解かないまま飄々としてられるでしょ。
因果律とは、事象が露わになった時には、すべてが終わっているものでしょう(by理恵 p.138)
■大切なことは、ただ決めるだけ。考える必要なんてない。(p.144)
■弱者ほど、結論を急ぎたがるものだ(p.162)
■理想の医療という影に捕らわれて、医師がどんどん壊れていく。そこに光を当てれば、少なくとも壊れた記録は残る。その記録は、いずれ社会に対する刃になるんです。(p.248)

2011.09.08読了

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