「サクリファイス」近藤史恵

続編の「エデン」を今読み始めたところ。

【キャッチコピー】ツールという魔物に魅入られた者たち。
【評価】よかった
【一行書評】ヨーロッパに渡っていたチカはすべてのロードレース選手の憧れツール・ド・フランスに挑む。
【この作品10の要素】
 ・ツール・ド・フランス
 ・過酷なレース。
 ・さまざまな駆け引き。
 ・さまざまな選手たち。
 ・彗星のようにあらわれたフランス期待の新人選手ニコラ。
 ・ニコラと親しくなるチカ。
 ・ニコラの呪い、チカの呪い。
 ・ごく並の選手であるチカにとってのツール・ド・フランス
 ・ドーピングの暗雲。
 ・前の巻ほどではないがラストに泣ける。
【気に入ったとこ】自転車。ツールの雰囲気。
【気に入らなかったとこ】特になし。
【名言】「まるで呪いだな・・・・・・」「呪い?」「彼女のライオンのことを思うと、ぼくはこの先、怪我をすることも薬物に手を出すことも、辞めることもできないじゃないか」
【読了日】2011年05月30日


近藤 史恵
新潮社
発売日:2007-08

自転車ロードレースの世界を描くミステリ。

若手のロードレーサー白石誓(通称チカ)は勝利に執着できない。
ロードレースの、勝たなくてもチームに貢献できるところに惹かれてこの世界に入った。
逆に、そのチームの寡黙なエースは、他の選手のあらゆる犠牲を踏み台にして勝利し、君臨してきた。
しかし、周囲には彼を恐れているような雰囲気があった。
何かの事件を起こしているらしい。
その事件の真相は?
そして、エースの真意は?

最後にかなしいまでの「サクリファイス」が見えてくる・・・

(2010年01月22日読了)


サクリファイスについての簡単なリストを下に置きます。


【赤城】チーム・オッジのムードメーカー。36歳。オールラウンダー。
【アンダーセン】昨年のツール・ド・フランス二位。バンク・ペイ・バ所属。
【石尾豪】チーム・オッジの小柄なエースで日本を代表する選手。33歳。登りでは笑みを浮かべる。物静かな男だが、なぜか皆が怖れている雰囲気。
【伊庭和美】チーム・オッジの新人だがすでにナンバー2。23歳。スプリンター。自己チューで誰とでも摩擦を起こすタイプ。
【カンピオン】スペイン人選手。毎回ツール・ド・フランスで上位に食い込んでいる。エスパス・テレコム所属。
【クレディ・ブルターニュ】フランスのチーム。ニコラが所属する。
【サントス・カンタン】スペインのコンチネンタル・プロチーム。最高レベルよりひとつ落ちる。
【篠崎】チーム・オッジの選手。
【ジリアン・デュポン】パート・ピカルディの若手選手。
【白石誓/しらいし・ちか】主人公。愛称チカ。チーム・オッジの新人。かつては陸上競技でオリンピックを狙えるほどの一流選手だったが勝つ能力がありすぎたゆえにスポーツの喜びがわからなかった。誰とでもうまくやれるタイプ。
【高崎】チカの友人。中学で陸上をしていたが高校ではやめた。
【只野深雪】オルレアンで出会った日本人女性。フォトグラファーになりたて。
【チーム・オッジ】自転車ロードレースのチーム。国産自転車フレームメーカーが母体。
【ドニ・ローラン】クレディ・ブルターニュ所属の選手。
【ニコラ・ラフォン】フランス人選手。クレディ・ブルターニュに所属する。プロに入ったばかりでツール・ド・スイスで総合優勝、フランスの期待を集めている。170センチに見たない小柄で童顔、プチ・ニコラというあだ名がついた。
【パート・ピカルディ】チカがヨーロッパで参加しているチーム。ツール・ド・フランスで総合優勝を狙える一流チーム。だがスポンサーが撤退し解散が決まった。
【袴田一平】以前チーム・オッジにいた選手。将来有望だったが事故で半身不随に。現在はウィルチェアラグビーの選手。
【初野香乃】チカの幼なじみであり、中学・高校時代の恋人。美人。中学生のときすでに肉体関係にあった。現在は記者。
【フェルナンデス】サントス・カンタンのエース(ツール・ド・ジャポンでの)。クライマー。
マイヨ・ジョーヌ】総合トップが着るジャージ。最終的にこれを手にしたチームが優勝。それまでは集団を引っ張る義務が生じる。
マルケス】サントス・カンタンの選手。スプリンターらしい。
【マルセル】パート・ピカルディの監督。
【ミッコ・コルホネン】パート・ピカルディのエース。得意なのはタイムトライアル。フィンランド人。金髪で美形。ツール・ド・フランスで総合優勝を狙える選手。昨年は5位。寡黙。
【モッテルリーニ】昨年のツール・ド・フランス総合優勝。アレジオ・ネーロ所属。
ラルプ・デュエズ】アルプスの峠のひとつ。標高1850メートル、平均斜度7.9%、最大斜度11.5%。伝説の峠。カーブごとにこれまでの優勝者の名前を記したパネルが立てられている。