よはくのてちょう

手帖の余白に書くようなことを

鍵はどこ?

会社の鍵を落っことしてしまった。かちんかちん音をたてながらビルの谷間、民家のあたりに落ちていった。



だから、以前から転職したがっていた部下に、新しい職探しもかねて探しに行かせた。



すると、肩に穴が空いて蛇口のように血がどぼどぼ出てるおっさんがやってきて何か言った。人のいいおっさんで、不愉快なことを言ってるわけじゃなかった。

ぼくはとりあえず穴をふさごうと思った。



おっさんとぼくはふたりで、いつの間にか喫茶店で休んでいた。