よはくのてちょう

手帖の余白に書くようなことを

「川の名前」川端裕人

少年たちがカヌーか歩きで川を下っていく旅の話ってあたりかと想像していたら『イルカの日』タイプの物語だった。

はじまったばかりの小学5年生の夏休み。
むかしの姿を多少なりとも残している鳳凰池でペンギンが営巣しているのを見つけたのは自然写真家を父に持ち世界中をまわってきた脩、鳳凰池の生態に詳しい河童、ケーキ屋の息子でお調子者のゴム丸の3人の少年たち。
彼らの自由研究の課題は決まった。

ヘンな喇叭抱えて学校に来ては「カワガキーヴェニャムアキ!アゴーラメスモー!」と叫ぶ奇妙な爺さん。
脩にライバル心を燃やしているらしい優等生でスポーツ万能の手嶋たちがからみ川の神秘、野生の厳しさをひしひしと感じていく少年たち。
しかししだいに大人の世界の思惑が彼らを圧迫する。
そのとき少年たちの取った行動は?

(2005年10月12日読了)