よはくのてちょう

手帖の余白に書くようなことを

『木を見る西洋人 森を見る東洋人』

扇風機



 読売新聞の書評欄で三浦俊彦さんが『木を見る西洋人 森を見る東洋人』(リチャード・E・ニスベット、ダイヤモンド社、2000円)という本について書いておられました(2004年8月1日朝刊)。


 他方、「後知恵バイアス」に陥りがちなのが東洋人。予期しない出来事が起きたとき、西洋人は素直に「驚いた」と言うのに、東洋人は「そうだろうとも思っていた」と反応する。世界を複雑な総体だと考える東洋人は、明確な因果モデルを設定せず、何が起きても納得してしまうのだ。これでは科学が発達するはずがない。

 たしかに。ぼくじしんもそのようですね。「この世にはなんでも起こりえるのだよ」としたり顔してるという気がします。ちょっとくらいすごいことや珍しいことが発生しても、なんということもなく受け入れてしまいます。

 たとえばぼくはいわゆる超常現象のたぐいはまったく信じていませんが、仮にそういうことが目の前で発生しても、「ま、こういうこともあるか」と諦めて納得しそうです。

 子どものころはけっこうなんにでも驚いていたのですけどねえ。その頃はもちろん知識量が少ないということもあったのでしょうけど、感覚が新鮮だったからかも。今は、カビがはえている?あるいは、上の引用からすると、ものごとを総体として見ずに、個別に見ていたからその事柄の驚異を感じやすかったのかもしれませんね。

 それはさておき、そういう東洋人的許容がぼくは嫌いではないですけどね。


木を見る西洋人森を見る東洋人
リチャード・E.ニスベット著・村本由紀子訳

出版社 ダイヤモンド社
発売日 2004.06
価格?? ¥ 2,100(¥ 2,000)
ISBN?? 4478910189
東洋人と西洋人のものの見方・考え方が文化によっていかに違うのか、なぜ違うのかを科学的に解明する。「世界についての考え方は根本的にひとつである」とする認知科学の大前提に挑戦した知的興奮の書。 [bk1の内容紹介]

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