今年の冬は終わらない。脱出する村人。例によって予言に従い冒険に出るローワン、ノリス、シャーラン、そして…。
あいかわらずいい感じのファンタジーです。この日記にローワンのことを書くのは初めてなのでちょっと説明。
神秘で恐ろしい「禁じられた山」の麓にリンの谷はあります。豊かとはいえませんが人々は満足して暮らしています。
ローワンは考え深く内向的なやさしい少年です。しかし、勇敢さが重んじられているこの村ではちょっと仲間外れで孤独な存在でもあります。誰にでもできるというバクシャー(大きくておとなしい草食の家畜)の世話係しかさせてもらえません。とはいえローワンはバクシャーを愛しているので満足はしています。
そんなローワンが、村に危機が訪れたとき、謎の予言(コトが起こってから実現したことが初めてわかるという舌たらずな予言)に導かれ、なけなしの勇気を振り絞って、旅立つのが毎回の物語です。そしてだんだん村の英雄になっていくのです(でも、ふだんはやっぱり軽んじられているのですが)。
巻を経るにしたがい魅力的な仲間もできてきます。今回ともに冒険をするのは、すでに準レギュラーと言える「旅の人」の娘ジール。ローワンと同じ一族のノリスとシャーラン兄妹。ジールとシャーランのどちらがローワンのハートを射止め三角関係を終わらせるのでしょうか、…などという話はまったくありません。
なんの力もないローワンが次から次に訪れる危機からどう脱出するのか、読者はハラハラし通しになるのです。
佐竹美保さんの端正で美しい絵も大きな魅力になっています。
ローワンと白い魔物(リンの谷のローワン 5) | |
エミリー・ロッダ作・さくまゆみこ訳・佐竹美保絵 出版社 あすなろ書房 発売日 2003.07 価格?? ¥ 1,575(¥ 1,500) ISBN?? 4751521152 | |
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