よはくのてちょう

手帖の余白に書くようなことを

幸福

今日はちょっとだけ冷えています。
軽く風も吹いていて肌寒いときがあります。
それだけに、陽あたりのいい場所に出たときのポカポカした感じはシアワセな気分になれます。

幸福とは結局のところ「比較級」なのかもしれません。
前と比較して今は幸福だ、不幸だ。
他と比較して自分は幸福だ。
勝ったから幸福だ、負けたから不幸だ。
自分と比較して小説作品の世界(たとえば「東京バンドワゴン」の世界など)が幸福に見える。
と。

真夏、暑さにうだっているとき今日の日陰と同じような肌寒さの場所を見つけたら幸福になるでしょう。

比較物がないことによる幸福感もあるでしょうけど。
それは比較しないでいられるその人の性格が他の人と比べて幸福だということでしょう。
逆に比較物がないことによる不幸もあるかと。
それらはしかし、比較的弱い幸福感、不幸感だろうと思います。
「なんとなく幸福」とか「漠然とした不安我にあり」とか。

幸福度の調査とかするわけですが、アンケートなど意識を調査する形では正しい数字は出ないでしょう。
客観的にしようとしたら何が幸福かという定義付けをして、それぞれの指標について調査していくしかないと思うのですが「幸福感」が他との比較であるならば、人それぞれ、時と場所それぞれ。
「まあことに不満もなく暮らしている度」調査なのかあるいは「安楽に暮らせる度」調査ということになるのでしょう。