よはくのてちょう

手帖の余白に書くようなことを

「彩雲国物語」雪乃紗衣

13巻 黎明に琥珀はきらめく
14巻 黒蝶は檻にとらわれる
番外 黄粱の夢
15巻 暗き黄昏の宮
16巻 蒼き迷宮の巫女

コーユー逮捕?シューレーやレーシンはどーする?

(2009年05月03日読了)


秘密のあったらしいあの人の秘密がわかる巻。
秀麗が来俊臣と出会うシーンが楽しかった。
主人公の体調にも異変。それにも秘密が。秀麗ってそんな人やったんや。まあ、なんとなくわかってたけど。
父上の一大決心。こんな展開になるとは。この人もしかしたら他の者の盾になって犠牲になる気なのかも?
王の嬉しいような嬉しくないような決心。望みがかないそうな、でも辛いような。
大団円に向けて着々と準備?最終巻はあと何巻先?



理想や正義を語るのは誰でもできる。それを逆風でも手放さないのは難しい。四面楚歌でも実行しようとするのは至難だ。だが、それをしてのけるのが官吏の仕事だ。(p.34)

本当はね、どんなことでも、悩み抜いて出した答えに、間違っていることは何もないんだよ。自分の心に反することであっても、たとえその結果がどうであってもね。だが楽な選択は必ず自分に返ってくる。(p.70)

(2009年10月13日読了)


政治に興味を持てるようになれる(かもしれない)ライトノベル
主人公の性格のおかげか、読後感はだいたい気持ちよいものになるので、常に期待しています。

歳のいった男が読んでも大丈夫なお話だと思います。

今回は分厚い。
短編集。
かなり過去の話らしい。
前半は静蘭が子どもの頃の話。
怖い怖いと噂の先王のお茶目な部分も見れたりします。
完璧な鴛洵じっちゃんの楽しいところも見られます。
そして先王がなぜ比較的若くして死んだのかも。

燕青の「師匠」も姿を見せてくれました。

この巻は外伝的な短編集だけど、とても大事な巻でしょう。
ずっと姿は垣間見えていたけど、くわしいことはわかっていなかった「薔薇姫」の物語がはっきり描かれているし。
すべてのはじまりはここなのだから。

そして旧知の間柄だったらしい静蘭と燕青の過去。本編でも想像できる程度には触れられてはいましたが。
なぜ静蘭は静蘭になったのかという話とともに。

ともあれ、胸のつかえがおりたような気分になれる巻でもありました。

あとがきによるともうすぐ最終章だそうです。
その前に読めて良かったでしょう。(2010年03月12日読了)


ぶっ倒れた秀麗。
そして行方不明に。
りゅーきたちは大騒ぎ。
しかし彼女は縹家にいた。
そこでないと生きられないから。
しかし縹家でも当面彼女をほぼ無視状態。
不穏な地震がたびたび起こり始め、蝗害の報告も。
いったい何が起こっているのか。
王としての力を試されようとしているりゅーき。

おーきさんはもしかしたら王さまを鍛えてくれてるのかもしれない。

秀麗を救いに行くしゅーえい。
なぜかいっしょにいくことになった迅。

ゆーしゅんの思いは?

複雑な物語になってきて、初期からのシンプルな登場人物たちはアホに見えてしまうようになった。
かれらの復権はあるのか?(2010年9月25日読了)


この巻は最初おっさんばっかり出てどうなるかと思ったけど・・・
おーきさんがすこしお茶目なとこ見せてくれたり理想語ったり、好感度高まり死亡フラグ危ない。

最後はこれまでトチ狂ってると思われてたルカばーちゃんカッコイイぞ。

若者連中でがんばってたのはしゅーれーとリオウくんとジンくんと意外なことにしゅーえーくん。
まあ女がらみだったし。

りゅーき周辺のお気楽連中はあいかわらずグダグダ。ま、いつかちゃんとやるでしょ。
れーしんも。


彩雲国に関する簡単なリストを下に置きます。




【羽羽】通称「うーさま」。結婚問題でパタパタ王を追いかけまわしている。
【旺季】門下省長官。王の座を狙っているようにも見える。威厳のあるカリスマ。真の貴族と言われている。
【欧陽玉】工部の侍郎(副官)。伊達者。飛翔とはいつも互いの悪口を言い合っている。揚修の友人。
【管飛翔】工部の尚書。大酒のみ。ガラの悪い言葉遣いだが、超大物ヤクザの息子らしい。
【監察御史】官吏の不正を糾す役所。
【葵皇毅/き・こーき】御史台長官。秀麗の上司となる。旺季に心服しているもよう。
【黄奇人】戸部尚書。優秀な官吏。あまりに美形すぎほとんどの人間の精神をおかしくしてしまうのでいつも仮面をつけてヘンな人っぽくなっている。黎深と悠瞬の友人。
【景柚梨/けい・ゆーり】戸部の侍郎(副官)。おっとりしてやさしいが、やり手でもある。
【紅玖琅】紅家三男。まじめで苦労している。
【紅秀麗】主人公。初の女性官吏。元気でまっすぐな女の子。でも少しずつ官吏として成長中。州のトップから無官になり現在は監察御史。
【紅邵可/こう・しょーか】秀麗の父。図書室(府庫)の主。おだやかでぼーよーとしているが、実は…
【紅黎深】紅家の現当主。必要もないのになぜか官僚をやってる。秀麗が大好きだがなぜか姿を見られまいとしている。兄のしょーかも大好き。ありあまる才能を持ちながら、生まれながらにあらゆるものを得ていたことが不幸だったかとてもひねくれた性格になった。友人と呼べるのは同期の黄奇人て鄭悠瞬だけ。なぜかこーゆーを拾って育てた。
【黒燿世/こく・よーせー】羽林軍(正規軍)の一方の将軍(左羽林軍)。おそろしく強い。白雷炎とは犬猿の仲(じつは仲良し)。
【彩八家】彩八仙にちなむ色の名前がつく貴族中の貴族。紫が王家の色。紅、藍、黒、白、茶、黄。あと一色なんだっけ?碧だっけ?
【彩八仙】伝説の8人の仙人たち。いまだ生きているもよう。あの人とあの人と…。
【茈静蘭/し・せーらん】秀麗んちの使用人。一流の武人。以前は秀麗としょーかにべったりだったが少しずつ自立中。じつはりゅーきの兄であり最も王に近いといわれていた清苑公子。茈の苗字には意味があった。秀麗と邵可以外にはとっても辛辣。
【司馬迅】藍家の傍流の男。父親殺しで死刑となる。十三姫の初恋の相手。
【十三姫】藍家の姫。しゅーえーの異母妹。劉輝の嫁第一候補。さっばりした性格。武芸の腕もかなりのもの。秀麗に似た顔立ち。
尚書】六部それぞれのトップの地位。
【紫劉輝/し・りゅーき】国王。ダメダメ王の烙印を押されていたぼんやり男だが秀麗と出会って(惚れて)一念発起。本当は文武ともにきわめて優秀。でも、すぐメソメソする。剣の腕はなかなかのもの。
【榛蘇芳/しん・すおう】→タンタンを参照のこと
【孫陵王】兵部尚書。旺季の盟友。飄々としているが怖い面もある。
【タンタン】秀麗への求婚者として現れ飄々とした態度と現実的で的確に見通す目と遠慮ない物言いで良い相棒となる。
【鄭悠瞬】秀麗の前の茶州州牧。燕青の相棒だった。すごいやり手官吏。王の宰相となる。片足が悪い。黎深と奇人の友人。人知れぬ事情があるらしい。
【白雷炎】羽林軍(正規軍)の一方の将軍(右羽林軍)。メチャクチャ強い。黒燿世とは犬猿の仲(じつは仲良し)。
【縹家】代々不思議な能力を持つ一族。王家の支えでもある。儀式や魔物封印の役目を持つ。
【碧歌梨】別名碧幽谷。最高の絵師。女傑。王を落ち込ませた。
【碧珀明】秀麗の同期。気位は高いがいいヤツ。
百合姫】黎深の妻。彼女以外では務まらないであろうと言われているすでに伝説的な女性。奇人を振ったという伝説も持つ。紅家を切り盛りしている。
【揚修】黎深の部下。すごくシャープだが存在感を消すこともできる。冗官問題のとき秀麗に近づく。
【来俊臣/らい・しゅんしん】刑部尚書。棺の中のキョンシー魔人。他人に棺おけを進呈したがる。れーしん、すら恐怖した男。仕事はできる。
【藍楸瑛/らん・しゅーえい】藍家出身。絳攸の友人にして劉輝の側近。かつては羽林軍将軍だったが現在は下っ端。すごく強い。本気になったらたぶん静蘭よりも少し強い。
【藍龍蓮】秀麗の同期。すべてを見通す者。超天才だが常人には理解しがたい行動で困惑を撒き散らす。異常な笛の音は魔物すら鎮める。
【リオウ】秀麗が茶州で出会った少年。じつはヒョウ家の一人。ただし異能はない。現在は仙洞省のトップ。子どもながら深い知識と冷静な判断力を持っている。
【李絳攸/り・こーゆー】王の側近の一人。れーしん様の義理の息子。秀麗の勉学の師匠。超秀才。超方向音痴。いつも城内で迷っている。
【陸清雅】監察御史。秀麗の同僚にして天敵。嫌味な男だがものすごい切れ者
【凌晏樹】いつもぶらぶらしている事情通。旺季の部下。なにかと秀麗にちょっかいをかける女好き。
【凛】悠瞬の妻。全商連の大物。
【浪燕青】元茶州のトップ。秀麗が茶州州牧を務めたときにはその副官。超一流の武芸者でもある。静蘭をして「あの男より強い者を知らない」と言わしめた。鷹揚でおおらかで物事のわかった頼りがいあるヤツ。秀麗のファンの一人だが甘やかしてばかりではない。
【六部】吏部(りぶ/人事)、戸部(こぶ)、礼部、兵部、刑部、工部の六つの部署。政の実務を担当している。