よはくのてちょう

手帖の余白に書くようなことを

父さん、ぼくのあのマッチ、どこ行ったんでしょうね

たばこに火をつけるという行為はただの火をつける機能ではない。
自分自身に対して「気分」を演出している。
ZIPPOの気分のときにはZIPPOで。
ガスライターの気分のときにはガスライターで。
ときには使い捨てライタの気分のことも。

でもいちばん多いのはマッチの気分だ。
なのに最近ではマッチはあまり手に入らない。
以前は喫茶店などで余るほどもらえたけど。

次善の策としてZIPPOで火をともす。
あれは、いくらかマッチなんだ。