よはくのてちょう

手帖の余白に書くようなことを

「悪霊シリーズ」小野不由美

あるものを見つけたナルくんは事務所を閉めると言い出して失業の危機に陥った麻衣は焦る。
そんなとき最後の(?)依頼がやってきたら皆が出会ったのと同じような廃校舎の調査だった。
これがなかなか手強くて、ひとり、またひとりと仲間たちが消えていき、とうとう麻衣だけになってしまう。
霊能集団の反撃はなるか?

それにしてもこの少女マンガ的なノリのこれがあの小野不由美さんの作なのだものねえ。
君子は豹変す、とかね。

(2006年10月27日読了)


事件は麻衣の活躍で早々に解決。

あとはシリーズ全編にわたる謎(主にナルの謎)の解明に。
悪霊シリーズ最終回とか。
昔、シリーズのうちのどれかを読んだことがあります。
作品リストに載っていないので、この後に書かれたものかと思われますが。
なぜか後ろから読んでいくことになってますね。

それより、どうもこの本が出た時点ですでに十二国記は始まっていたみたいで、その違和感にクラクラ。

(2006年10月28日読了)


渋谷サイキック・リサーチに関する簡単なリストを下に置きます。


【悪霊】人は身体と霊でできており、さらに霊は魂と自我でできており自我は魂をくるみ込んでいる。さらに魂は気持ちという粒子でできておりプラス粒子が多いと上昇し(天国)、マイナス粒子が多いと沈み込んでゆき(地獄)、沈み込んでしまった魂が悪霊となる。とナルは言っているようです。
【意志表示】《別れるのがイヤだったら、イヤだって意志表示すればいいんだ》by麻衣
【個性】自分のことを都合良くあげつらうときに使う「便利な言葉」by真砂子。
ジーン】ある重要人物。本名はユージーン。さる人の双子の兄。麻衣に似たタイプらしい。
【渋谷一也】通称ナル(ナルシストのナル)。傲岸不遜で唯我独尊男。ただし超美形。気功法を使えるが、使うと倒れてしまう体質。
【浄化】麻衣ができる唯一の悪霊対策か。マイナス要因が強く悪霊となってしまった魂に、とにかく明るく暖かいプラス要因を対峙させてなだめること。とりあえずいろんな人が好きというココロが彼女の武器。
ジョン・ブラウンエクソシストだが若すぎる。
【真実】《いったん「人」というフィルターを通してしまうと、真実は限りなく屈折してしまう》byナル
【タカ】麻衣の同僚。高橋さん?
【滝川法生】アンちゃんふうの元高野山の坊さんで今はスタジオ・ミュージシャンらしい。坊さんのときは「ほうしょう」で今は「のりき」と呼ぶらしい。若くして仲間内ではおっさん扱いされているが、本人も一味のお父さん的役割に甘んじているので自業自得か。
【谷山麻衣】主人公というか、語り手。渋谷サイキック・リサーチでバイト中。両親はおらず寝ぼけてたらなんか霊視とかの能力を発揮するらしい明るく元気で喜怒哀楽の激しい女子高生。ナルとは正反対のタイプ。通ってる高校の事件で皆と知り合う。
【ナル】→渋谷一也
【廃校】《学校が静かだと、意味もなく気味悪いのよねえ》by綾子
【原真砂子】強い霊感を持った和服美少女でTVでもおなじみの有名人。ナルにお熱らしい。
【松崎綾子】ちょっとイケイケネーチャン風の巫女さん。実は世話焼きのアネゴ肌。
森まどか】いずれかの話で登場した人らしい。最終巻で再登場。
【安原修】元依頼者でいつの間にか助手になったらしいふつうの大学生(出会ったときは高校生だったらしい)。坊さんとの漫才は本シリーズの売り物のひとつ。
【リン】ナルの秘書的存在。無口なおっさん(青年)。
【別れ】別れのない人間関係なんか、ない(by坊さん)