「ラインの虜囚」田中芳樹
カナダからパリにやってきた少女コリンヌ。
大富豪の祖父から不可解なクエストを押し付けられる。
孫と認める条件として。
死んだはずなのに実は囚われていると噂されているナポレオンが本物かどうか調べてこい、と。
そのために彼女の見つけ出した仲間はどいつもひと癖ありそな連中で…。
挿画があの鶴田謙二さん。
作者も、画家も、こんな仕事やってるくらいならあの作品の続きを書いてくれよ〜、と思う。ていうのはウソ。これはこれで、けっこう楽しかったですよ。
「ミステリーランド」の中でもおもしろいほうだと思う。
これ、同じメンバーで続編欲しいなあ。最低5冊分くらいのキャラクタになってると思うし。
(2006年03月07日読了)
大富豪の祖父から不可解なクエストを押し付けられる。
孫と認める条件として。
死んだはずなのに実は囚われていると噂されているナポレオンが本物かどうか調べてこい、と。
そのために彼女の見つけ出した仲間はどいつもひと癖ありそな連中で…。
挿画があの鶴田謙二さん。
作者も、画家も、こんな仕事やってるくらいならあの作品の続きを書いてくれよ〜、と思う。ていうのはウソ。これはこれで、けっこう楽しかったですよ。
「ミステリーランド」の中でもおもしろいほうだと思う。
これ、同じメンバーで続編欲しいなあ。最低5冊分くらいのキャラクタになってると思うし。
(2006年03月07日読了)
下に、ラインの虜囚に関する簡単なリストを置いときます。
- この話は
- 1830年のフランスが舞台。コリンヌがブリクール伯爵の財産を相続するためにはクリスマスまでにナポレオンと噂されている男が真実かどうか確かめて戻らねばならない。
- 暁の四人組(パトロン・ミネット)
- 「犯罪通り」を支配している4人組。熊みたいな大男のグールメール、元舞台俳優だったバベ、覆面のクラクズー、未成年のモンパルナス。今回ちょっと出張することになりそうだ。
- アレクサンドル・デュマ
- 作家。通称アレクという大男。もちろんあのデュマでしょう。デュマ・ペールの方。父親はデュマ将軍で「黒い悪魔」と恐れられた人。1802年-1870年。
- カスパール・ハウザー
- ドイツ最大の謎と言われる事件の主人公の少年。種村季弘さんの本で読んだことあります。
- コリンヌ
- カナダからパリに来た少女。後に黒人解放に尽力し奴隷所有者から「北国の女悪魔」と呼ばれるようになる。その頃ラフィットと再会した可能性はないでもない。1814年-1891年。
- 双角獣の塔(ツヴァイ・ホルン)
- ライン河畔にある十字軍の頃建てられたと言われる古さ以外はごく普通の塔。名前からすると二本の塔が建っているようにも思えるが一本だけ。ナポレオンが囚われているともっぱらのウワサ。観光名所か?
- ジュラール
- エティエンヌ・ジェラール。だれかの本名。ナポレオン軍の准将だった。コナン・ドイルの小説「勇将ジェラールの回想」の主人公。1782年-1858年。
- シュタイン伯爵
- エフライム・フォン・シュタイン伯爵。ジュラール准将と15年前に剣を交えたことがある。
- すてきなおとな
- ≪欠点や弱点も魅力に変える人たち≫p.286
- 鉄仮面事件
- フランス史最大の謎と言われる事件。
- ナポレオン・ボナパルト
- 超有名な成り上がりもの。1804年に皇帝となり、1821年52歳にしてセント・ヘレナ島で死去。もし生きていれば現在61歳で、生きているというウワサが流れている。
- バウアー
- プロイセン軍の若い中尉。まじめでノーマルすぎて強者にはかなわない。
- ブリクール伯爵
- ギイ・ド・ブリクール。大金持ちの貴族。ナポレオンが嫌いなガンコ爺い。というようなかわいげのある爺さんではなく身分にとらわれたイヤなヤツ。
- マルセル
- ブリクール伯爵の甥。
- メッテルニヒ
- オーストリアの宰相。この時代の欧州を支配している嫌われもの。ナポレオン没落後すべてをナポレオン以前にもどすと宣言した。
- モーリス・ド・ブリクール
- コリンヌの父。1803年フランスからカナダに渡り、現地の女性と結婚、コリンヌをもうけた。
- モントラシェ
- 酔いどれのなかなか強い男。おそらく偽名。戦士としての腕は一流。こういうゴツいおじさまはコリンヌのようなけなげな美少女に弱いと相場は決まっている。
- ラウスベルク
- プロイセン軍の憲兵大尉。わりと間抜け。
- ラフィット
- ジャン・ラフィット。山高帽の紳士。おそらく偽名。どうやら海賊だったらしい。三カ国から追われているのが自慢。もう一国コレクションを増やすことができるか。映画「大海賊」の主人公。マルクスの『共産党宣言』出版のスポンサーとなった。1782年-1854年。
- ルイ・フィリップ
- 現在のフランスの王。苦労してきたので質素な暮らしぶりで国民のウケも悪くはない。