よはくのてちょう

手帖の余白に書くようなことを

クラフト・エヴィング商會(2)

 クラフト・エヴィング商會の本を好む人は必ず思うでしょう。
 「ああ、この本は私の作りたかった本だ」と。
 そうなのです。
 みんなの夢を盗み取って形にしてしまうのがクラフト・エヴィング商會の恐ろしさなのです。あなた方はいつの間にか自分たちのエッセンスを奪われていたのです。
 そして、自分の夢なのにお金を払って買い戻していたのです、なんとまあ、ずるい商売でしょう。
 ご注意ください。
 忘れた夢はどこに行くのでしょう。そう、クラフト・エヴィング商會が青い風船に詰めて持っていってしまうのです。