よはくのてちょう

手帖の余白に書くようなことを

『四季〜夏〜』森博嗣…講談社NOVELS

四季・夏 (講談社ノベルス)

《しかし、言葉というものは、元来が馬鹿馬鹿しい記号なのだ。》(p.30)

《各務はここへ来て、まだ一度も空を見上げていなかった。ずっとそんな人生なのだ。》(p.74)

《顔の特徴というのは、つまり、通常は目立つ欠陥に依存している、といえるだろう。》(p.99)

保呂草と真賀田四季さんを一度遭わせたいもんだと思っていたけど、どうやら実現したみたいね。
林さんが犀川って名前だって?もしかしてファーストネーム犀川林太郎とか?うーん?

四季さんのような能力の持ち主は、ふつうどこか異常になりがちなものだけど、四季さんは常に理知的だ。それじたいが異常かもしれない。
自分の価値観のみで動けるところは異常かもしれない。世間の価値観もあるていど認識し、それによる圧迫というか、思い通りにならない部分があるということを意識できているところも不思議だ。

《現代の医学は、病気を治しすぎる。》(p.162)

(窓のない建物について)《「カーテンだけでも、かけておけば良いのでは?」新藤が言う言う。「窓があるって錯覚できる」》(p.234)

《ルールでしか尊厳が保てないと錯覚している。/ルールが人を愚かにした。/単純化のシンボル。》(p.246)