よはくのてちょう

手帖の余白に書くようなことを

出生率低下の原因は(生物としての)


一般に先進国では(という言い方は「後進国」ないしは「発展途上国」の目指すところはここですよという押しつけがましいところがあり、嫌いなので「成熟国」とか「完熟国」とでもしたいところなのだが、あまり通用しないのでやはり「先進国」と書くのだが。ちなみにもちろん「発展途上国」という言葉ももちろん嫌いなので「生長国」ないしは「成長国」などでいいと思うのだがそれはさらに通用しないのでやはり「発展途上国」と言ってしまう。ともあれ先進国では)出生率が低下する傾向にあるそうだ。

人類も、逸脱ぎみとは言え、生物ではあるのだからここには何か生物的な原因があるのかもしれないと考えてみた。

生物にとって最重要の「子孫を残す」率を減少させざるを得ない何かが生物として組み込まれているのではなかろうかと。

もちろん「先進国」には生殖行為以外の楽しみが数多くあるのだから、それが原因ということは考えられるのだが、それだけでは出生率低下の説明には弱いかと思う。

生殖行為そのものはさほど難しいものでも手間のかかるものでもないし、受胎のヒット率をある程度維持するには「極端に」回数を減らすことが必要だろう。

あるいは意識的にヒットを回避するか。

いずれにせよ、意識的な回避がそこではなされていると思われる。

ということは、そういう方向に向かうべきだと考えてしまう何らかの要因があるはずだ。

外的には社会的基盤の脆弱さなどはやはりある。

内的には生物的な何かが発現しているのではないかということ。

「遊びたい」とか「子育てのたいへんさを回避しラクをしたい」と考えることもあろうだろうが、生物としてはこれは異常な発想と言えるので、なんらかの生物的な原因があるかもしれない。

で、ひとつ考えた。

「先進国」というのは要するに「比較的ラクに生きていける国」だろうと思われる。

そしてそこに住まうものは安住していこうとするだろう。例外的な個体がたまに出てくるのは別として。

そういう状況になったときに「それ」は発現するのだ。

そこに安住する連中は、生物としてはすでに「進化」は難しい。むしろあれこれ「退化」していく可能性が高い。

ここでいう「進化」は野性で生きていきやすい肉体になっていくということで、「退化」は逆。

そんな連中は、さっさとこの世から去るべきだ。

という何か天の声のようなものが組み込まれているのではなかろうか。

寿命遺伝子のように。まあ「それ」も遺伝子だろうが。

絶滅遺伝子とでも言うべきか。

安住すると子どもを作りたくなくなるのだ。

そして地域限定で種として衰退していく。

絶滅遺伝子は元来、バランスの維持のためのものかもしれない。

「安住の地」のバランスを壊すまいとする意志が出てくるのかもしれない。

自然(外的環境)の変化は別にして、バランスを壊す最大の原因は個体数の増加だろう。次は個体数の減少。

最適は、そこが安住の地となった時点での個体数の維持。

ちょっとしたうっかりで、出生率の減少となるのかもしれない。