よはくのてちょう

手帖の余白に書くようなことを

シンプルかつ的確に

中日の落合監督がまだ選手だったときの話。
テレビで日本シリーズを見ていた。
チームが優勝できず落合選手はゲスト解説として放送席に呼ばれていた。
片方のチームのピッチャーがすごく好調で付け入る隙がないように見えた。

「落合さんなら彼をどう打ちますか?」
そうアナウンサーに聞かれたときの答えが印象的だった。

「このバッテリーは自分に対して必ず一球、ある球を投げてくる。だからそれを打つ」

そう聞いたとき、とてもシンプルな考え方をする人なんだなと思った。
もちろん、ブラフかもしれないけど。
本当だとしたらそんなことバラしてもいいのかな、と思ったが、そのときはそのときでまた異なった対処のしかたがあったのだろう。

人の考え方というのはそうそう変わらないもの。
監督になった今の落合さんもおそらく内部ではとてもシンプルな思考法をしているのではなかろうかと思う。
シンプルかつ、的確な発想。
シンプルなので、問題があったとき修正もしやすい。

仕事でもなんでも、世の中シンプルに考えておけばそれでいいのではないかと思う。
このときの落合選手の言葉はけっこうボクの規範になっているような気がする。
もっとも、その発想で出した案を他の人に理解してもらうのはなかなか難しいのだけど。
みんなにとって世の中複雑なんだなあと思う。