よはくのてちょう

手帖の余白に書くようなことを

ツイッター脳

世界を席巻している「Twitter」だが、生活の中心に「Twitter」が据えられることによって脳そのものの働きがTwitter的になっていることを●×大学の研究チームがつきとめ、このたび発表した。

まず、どんな発言も140文字を超えない程度の短いセンテンスとなりはじめている。
ことに文章の場合に影響は顕著に見られる。
口頭での発言は息継ぎの必要があり、もともとそう長いものではなかったゆえ、はっきりとした影響はまだ見られない。

発言が140文字以内になるということは、思考そのものも140文字以内になるということでもある。
そしてそれで意外に不自由がないことにも気づく。
人間の思考はどんなことであっても140文字の積み重ねでなんとかなってしまうようだ。
「ある意味絶妙な文字数だ。計算された数値ではあるのだろう」と●×大学の▽△准教授は語る。

またたとえば、だれかから「いいセリフ」を聞くと、つい「RT」(Twitter上の引用のようなもの)しようとする。「Fav」(お気に入りのメモのようなもの)をしようとする。
しかしパソコン等に向かっていなければそれができないことにふと気づき愕然とする。
いや、もちろんリアルで聞いた「いいセリフ」をRTすることはどちらにせよ不可能なのだが。

「不自由なことはそれを可能にするのが人類。このままいけばいずれは脳内にTwitterシステムを組み込み、人類全体がネットワークを構成、脳内でさえずりを交わしだすのも遠い未来の話ではないかもしれない」と▽△准教授。

「はじめまして」
「はじめまして。おや、あなたはまだフォローしていませんな。アカウントをお教えいただけますか」
「そうですね。交換しましょう」

・・・・

「ここからはDMでお願いします」

・・・・

『では、あらためて、はじめまして』
『はい、よろしくお願いします』