よはくのてちょう

手帖の余白に書くようなことを

「深夜の散歩」福永武彦+中村眞一郎+丸谷才一

はるか昔に読んだのは単行本。

内容なんて忘れているので再読してみた。
古本屋で見つけた文庫本を読み用に買ったことだし。
もういっかいいろんなミステリを読みたくなった。

福永武彦さんはちょいちょいネタバレやっちゃうのでけっこうな危険人物だ。
でも読みたいミステリはいくつか見つけられた。
実際のところ自分で読んだミステリだってほとんど内容は忘れてしまうものだから書評する人が多少ネタバレやったって数年後には問題なくなるのだ。

中村眞一郎さんのは昔読んだときはあんまりおもしろいと思えなかったけど今読むとかなりおもしろい。ミステリの書評というより軽いミステリ論・文学論になっている。
そこが当時のボクには合わなかったのだろう。というか期待通りの内容ではなかったのだろう。おそらくミステリを読むためのカタログとして読んでいたのだろうから。
今おもしろいと思えるようになったのはこちらにいくらかのゆとりができたからかもしれない。あるいはブックガイドとしてではなく単なるエッセイとして読んだからなのかもしれない。

丸谷才一さんのは当時もおもしろいと思ったし今度読んでみてもおもしろい。取り上げられているミステリを読みたくなるような書き方をしてくれている。
書評の書き手としていちばん上手なのはこの人だろうと思う。

(2011年06月14日読了=再読)