よはくのてちょう

手帖の余白に書くようなことを

雪を昇る

夢をみた。

社内旅行だ。
その日の旅館は広かった。
なんだかいろいろあったような気がするが忘れてしまった。

夜になった。
雪が降りはじめたのでウキウキして出ていった。
ふと見上げると暗い夜空の空中でまわしいっちょうの相撲取りが大勢ダンスを踊っていた。
  (これは何かのCMの記憶が出てきたのだろう。)

「アンタかて空に浮かべるんやで」と誰かが言った。
「雪踏んで階段のように上がっていけばエエんや」
へぇ、やってみようかな。
「でも、あのダンスのステップでないとアカンねん」

しかたないので、ふにー、ふにーと踊りながら雪を踏んでみた。
そしたらたしかに一段上がれる。
次の雪を。
次の雪を。

しだいしだいに高くなる。
50メートルくらい浮かび上がったところで少々怖くなる。
うっかり踏みそこねたらまっさかさまやなあ。

少しずつ移動して大きな木の上あたりまでやってくる。
上から見下ろした木には雪が積もりつつあって美しい。
この位置ならもし落ちても木にひっかかるやろう。
そう思ってる。