よはくのてちょう

手帖の余白に書くようなことを

死の側から見た生の思い出

どうも体調が芳しくない。
こんな状態ではさほど長生きはできそうにない。

事故などに遭わずしても、十年・・・もって二十年といったところか。
どこかでガクッと弱ったら五年くらいで終わる可能性も無きにしも非ずか?

ともあれ今は、そう遠くなさそうな死のイメージをつねに片隅に抱きつつ、生きてはいる。

それもまたいい。

だらんと過ごしてきた人生の、スパイスくらいにはなっているやもしれぬ。

思えば中学生時分から二十代なかばくらいまで死ばかり見つめてきたような気もする。
その後のんびりやってきたけど、死の相の下で越し方を振り返ってみたら、すべてが微温の風景で、これはこれで、そんなに悪くはなかったなあとは思える。

いなくなってしまうまでには、鏡花全集と、石川淳全集と、荷風全集くらいはぜんぶ読んでおきたいなあと思っている。

ま、べつに今すぐ死にそうってわけじゃないけど、ちょっとこういうことも書いておきたい、物憂い夜だなあ。