よはくのてちょう

手帖の余白に書くようなことを

メルカトルの呪縛

中日新聞2010.08.15朝刊 「余談」より。

メルカトル図法による世界地図により、日本とヨーロッパは遠いというイメージは、なかなか払拭できないのですが、地球儀だと案外近いことがわかります。
名古屋とヘルシンキの間にはロシアしかない。
それが「メルカトルの呪縛」。
名古屋発の欧州便をフィンランド航空が増便したのはなぜかという記事でした。

メルカトルの呪縛と似ているような似ていないような、で、「交通機関の呪縛」というのもあるかもしれませんね。

子どもの頃親戚の家に行くのに、町までバスで出て、列車に乗って目的の駅に着いて、そこからけっこう長い距離歩いて、合計1時間30分から2時間くらいはかけて行ってました。
ところが。
中学生になったあるとき、地図を眺めていたら、その親戚の家がとっても近くにあることがわかったのでした。
「あれっ?」
自転車なら、20分くらい?
実際に行ってみました。
あっけないくらい簡単に馴染みのある「遠い」場所に着いたのでした。
ふだん遊び回っているエリアの範囲内といってもいいほど。
適当な交通機関が通じていなかったので、とんでもないほどの遠まわりをしていたのでした。
クラフト・エヴィング商會ではないですが、「すぐそこの遠い場所」でした。

都会で生活するようになった今、そういうことって、さらに度々発生しているような気がします。