よはくのてちょう

手帖の余白に書くようなことを

「現在」の価値を上げる方法

夢の話。

いつもの待ち合わせ場所に行ったが彼は来ていなかった。
考えてみると特に決めておいたわけでもなかった。
ただぼくが戻ってきている間は毎朝会おうという暗黙の了解ができていると思っていたのだった。

おそらくは彼にとってこの関係は、ぼくにとってほどにはたいせつではなくなっているのだろう。

ほとんどの場合、去った側にとって失ったものは貴重なかがやきを抱きつづけるものだが、去られた側は、去られたというそのことを受け入れるか否かというだけのことなのだ。
去られた側にとって去った者は色あせていくだけなのだ。

去るという行動は去る者にとって現在のその場を宝物にするためのひとつの手段ではあるのだ。
だから去るのは好きだ。