よはくのてちょう

手帖の余白に書くようなことを

「水木しげるの憑物百怪」

あの世とこの世をつなぐ本。


ちょっと変わったところで、「憑物」にこだわった図鑑(?)。

妖怪と幽霊は区別しにくい。
幽霊と憑物も区別しにくい。
当然妖怪と憑物も区別しにくい。
のですが同じ水木さんの妖怪図鑑系と比べると、妖怪の方が楽しく読めますが、こちらの方がリアルに怖い。

カラーの図版が美しいこの世ならざるものの図鑑としてぜひ一冊は持っていたい本。

(2006年05月18日読了)


この書で水木しげるさんは憑物も妖怪も同列に扱うことを宣言したように思えます。
どちらも霊的な現象だと。
また人の精神(心)もやはり霊的な現象なので人−憑物−妖怪すべては結局のところ霊の異なる相と見られるのではなかろうかと考えておられるのではないでしょうか。
いずれもあらわれかたの違いというだけで。
妖怪がいるものだと考えたとき科学的な態度でこれをとらえようとするとこうなるかもしれません。
水木さんは民俗学的にではなく科学的に妖怪現象を追究していこうとしているようにも見えます。

(2006年08月27日読了)