よはくのてちょう

手帖の余白に書くようなことを

耐震偽造について少しばかり


結局職業にはしませんでしたが、かつて建築を学んでいました。

その中でことに興味を覚えたのは建築史と構造計算で、まったく異なった雰囲気で妙ですが、建築史の方は趣味的に好みでした。構造計算の方は、そのさっぱりした無機質な世界に魅かれていました。後にコンピュータが登場し、ポケコンが出たときにはこれで計算屋の仕事はなくなったも同然かなとも思い、仕事にしなくてよかったとも思いました(そういうものではなかったようですけど)。

マンションの耐震偽造の話を聞いたとき最初はさほど驚きませんでした。現場では少しでもお金を浮かそうとして手抜き工事するのが日常茶飯事で、建築士の大事な仕事のひとつはちゃんと監視してそれを防ぐこともあるとよく言われていたので。また手抜き工事か、くらいに思いました。

なので、構造計算の段階で偽造していたというのにはちょっと驚きました。どちらかというと設計の側にいる立場なので、自分たちの設計した通りに作られているかどうかチェックしなければならない人たちのはずでしたから。

記事によると震度5程度でも危ういというそうですから、「想定外」と言われた阪神大震災くらいのが来たらイチコロですね?阪神大震災を多少は体験した一人としてはみんなが心配するのは理解できます。