よはくのてちょう

手帖の余白に書くようなことを

『四季〜秋〜』森博嗣…講談社NOVELS(800円)273頁初2004年01月08日・了{評}【ミステリ・小説】

四季 秋 (講談社ノベルス)
また、例によって逐時的に書いていきます。

S&Mシリーズ最終話の、数カ月後。
久々に西之園萌絵犀川創平のコンビ登場。

「愛情なんて、どこからだって芽生えます。何かがこすれたときに発生する摩擦熱みたいなものです」(p.35)

萌絵さん、めずらしくさえてる?

保呂草潤平さんらしき男も登場。

すべてがFになる』以来ずっと謎に思ってきたこと。なぜ真賀田四季博士は島を出たのか?四季さんレベルになると島にいようが外にいようが、関係ないものね。自由を得るためなんて違和感ありすぎやから。その疑問に犀川センセが答えてくれるのでしょうか。珍しく真剣に考えてはるけど。
ん?そもそも四季博士は島を出ているのか?

各務亜樹良も登場。保呂草と再会。

「(略)ねえ、なぜ、ミラノへ来たの?」
「君に会いに」
亜樹良は舌を鳴らした。「嘘ばっか」
「じゃあ、君は、どうしてここにいるんだい?」
「貴方を待っていたのよ」(p.127-p.128)

ううむ、まるで恋愛映画かハードボイルド映画や。楽しんでますね、作者さん。
なつかしい名前、エンジェル・マヌーヴァも出てきました。まだ続いてたのかあ?あれ、どーなったんやったっけ?忘れてもうたけど。

絶対にうまくいかない二人だ、と亜樹良は思う。(p.148)

ありゃ、なんや、単純に新しい研究したかったから施設のあるとこに行ったゆうことか。考える必要もなかったか。
そして、皆が集まり始めます。ある場所に、四季に誘われ。

理解に必要な最小限の条件とは、理解しようとする意志、そして決意。(p.177-178)

「それに、別に僕は許してもらうつもりはないよ」保呂草は微笑んだ。「僕自身だって、僕を許したことはないんだ」(p.184)

「もともと、彼女はこの世にいないのかもしれない」》(p.189)

ふーん、なるほど、レゴはそういう用途か。『すべてがFになる』を読んでからもうずいぶんになるから、気づけなくてもしゃーないか。

瀬在丸紅子さんと犀川創平センセと、真賀田四季さんは同じ方向にいる人たちでしょう。でも、おそらく西之園萌絵さんは違う。かなしいですね。萌絵さん?

おっ、これは、萌絵さんと紅子さんの…対決?

そう、バランスが取れている状態とは、シーソーみたいに、最も不安定な状態にほかならないからだ。(p.267)

闇の中へ吸い込まれるように、この道を行こう。/自分たちにはそれが似合っている、と彼は思った。(p.273)

Vシリーズが終わったとき、紅子さんと保呂草にはまた会えるだろうと思っていました。でも、保呂草には今度こそもう会えなくなるのかもしれない。