よはくのてちょう

手帖の余白に書くようなことを

MADRAX

わけのわからない何かに巻き込まれたような気分になる作品。
見始めたら目を離せなくなります。
いったい何が起こっているのかと。
謎、謎、謎…すべてが謎のまま物語がゆるい速度で停滞していきます。
そしてすぐにでも何かが切れてしまいそうな激しい緊張感。
そして絶えずつづく(たいそうな感じの)音楽。

内乱が長く続いている国。この国でMADRAXと呼ばれている少女は超一流の殺し屋をやっています。彼女の欝屈は何なのか。クールさと哀しみ、そしてどこか甘えたがりの雰囲気を漂わせています。

一方平和な国で女子高生をやっている大富豪の娘マーガレット。いつも安らかに眠っているようで、何を考えているのか掴みどころがありません。一見、完全な天然です。彼女には10年以上前の記憶がないようです。父親とともに先の内乱の国で行方不明になったのですが、彼女だけ戻ってきたらしいです。そこでいったい何があったのか。
献身的なメイドとのボケた会話がいいです。

二人の少女にはどういう接点があるのでしょうか。どういう出会い方をするのでしょうか。
まったく先が読めません。
また、情報で人を操る謎の組織。
二人の少女双方に出会っている謎の青年。
そして、夢のような世界で会話する少年と少女は何者なのでしょう。
製作者は、謎を積み重ねて自己満足に陥っているようにも見えますが、目を離せない雰囲気をかもし出せたところで、勝利していると思います。

製作者が同じかどうかは知りませんが、以前見ていた「.hack/SIGN」や「AVENGER」と似た空気を持っているような気がします。