新聞のスクラップについて
スクラップという作業について考えてみた。
多くの人が、必要性というだけではなく、むしろ趣味的にいそしんでいるように思われる。
なぜそうなるだろう?
ネット上の情報について趣味的に集めようとする者はあまり多くはないように思えるのに。
ひとつは、そこに取捨選択するための「思考」が入ってくることはあるだろう。
考えることの愉しみを味わえるのだ。
ひとつは、手の行為、運動が入ってくることの愉しみもありそうだ。
ひとつは、物理的な体積、質量が存在するからでもあるだろう。
ネット情報に比して欠点ともなるがアドバンテージともなりうる。
「物質」としてたまっていくことの充実感だろうか。
「知」の「物質化」とでも言えようか。
ひとつは、あとから「何の気無しに」パラパラと、意味もなく、めくっていく愉しみがあること。
書店で本の背中を眺めていくことの愉しみ。レコードのジャケットを眺めていくことの愉しみ。ウインドウショッピングの喜び。そんなのに通じるところがある。
人間にとって意味の薄い行為ってなんだか嬉しいものなのだ。
とりあえず思い付くのはそんなところ。まだまだありそうだが。
新聞の役割
考えてみました。
とりあえず下書きレベルの覚書です。でも、公開しちゃいますけど。まあ、永久に完成しないページでしょうし。
なるべく簡単なことばで書くつもりです。
難しいことを易しく書くことは一種の詐欺でもありますけど、難しくしか書けないということもまた自分で消化できていないということかなとも思えるし。
ということで(どういうこと?)、あまり他の本とか意見とかを参照しません。
なんとか自分自身の中にあるものを分析していくことだけで書いていこうとしています。
自己分析ではあります。
だから、独断と偏見の部分は強くなりますし、あまりにも初歩的な部分での考え違いもあるだろうと思いますが、その辺は「どこかで気づくだろう」と笑って見守ってやってください。
少しずつ完成度を上げていくつもり、ですが。
報道・ジャーナリズムは、もしかしたら衰退しているのでしょうか?
新聞の重要な役割に行政への批判というものがあると思われます。
それは社会の問題を浮き彫りにすること。
・世論を動かし、その問題点を解決するきっかけとなるのも新聞などの報道。
・それだけに、報道の自由は重要。
ですが、報道による体制への批判がしにくくなっているのではないでしょうか。
現在の日本は格差はあれど、それなりに豊かな社会。
豊かすぎる社会では、あるいは報道の意義は減じるものかもしれません。
どんな社会でも細かな問題点はあるのでそれを報道するのは当然のことです。
細かなというのは語弊がありますね。体制の問題というよりも、個人の精神(こころ)の問題が重要になってきているのだと思います。
心の問題は個人の問題。どれほどきちんとした体制を整えても、これは発生し続けます。
そんな個人の日常的な、細かな話題がよく取り上げられるようになったことは、体制への批判がしにくくなっているがゆえなのかもしれません。
中国産ギョーザの問題などたとえば中国側は「日本は騒ぎすぎ」ともコメントしていたりするようです。「なぜそんな言い方をするの?被害があったのに」というのが日本側の感覚でしょうが、あるいは、中国ではいまだジャーナリズムが扱うべき大きな話題が充分に残っており、こういう日常的な話題はそうそう大きく取り扱わないものだという意識があるのやもしれません。そこらへんに格差というか、ズレが発生している可能性はあります。
教員の不祥事や体罰なんかも今はすぐに新聞沙汰となり、うっかりするとその教師の一生を壊してしまいがちですが、状況によりますが、こういうのは地域や学校内で「今度から注意してくださいね、何度もやってるとクビにしますよ」とたしなめていく程度ですませるべきものかもしれません。
報道が扱うことによって、必要以上の社会的制裁を受けている可能性はあります。
報道機関が扱うべき話題が小さく細かくなっているのはたしかなような気がします。(そのことの良し悪しは、とりあえず今は語りません)
でも、世界を見渡したら、いくらでも問題はあります。
戦争・紛争、飢餓、etc...
これからの新聞報道は世界をひとつの「体制」と考え、世論を、世界を動かしていくようになっていくことが生き残る道なのかもしれません。
視点のグローバル化。
言語のグローバル化。
紙面のグローバル化。
ジャーナリズムの最終的な着地点は、少しでもより良いと(とりあえず多くの人に)感じられる世の中にしていくことなのだろうとは思います。
そのために、「ちゃんと見てるよ」という態度を示していくことなのだろうと。
それはべつに行政相手に限りません。
そう…、ジャーナリズムとは態度・姿勢を示すということなどでしょう。
結局のところ、何らかの圧力となることがジャーナリズムなのでしょうか?
ちゃんと見ているということを示すためには、ただの悪口では無理です。それは不快に感じさせることができても、脅威とはならないでしょうから。
そのための手法が、取材であり、調査なのでしょう。ここは一種の「科学」となります。
ここでいう「科学」とは、ものごとを客観的・普遍的に検証しようとするための考え方、その手法のことだと考えます。
新聞社をはじめとするメディアは、一般人にはない多大な組織力を持っています。これは上記の手法を採るには非常に大きな武器となります。新聞の信頼感はとそういうことなのでしょう。大きな武器を持っていますよ。これはそれなりの実績がありますよ、と。
中身は所詮人間が作っているものであり、頭から信用することは危険でもありますけど、「朝日新聞」という組織が書きましたよ、「産経新聞」という組織が書きましたよというラベル自体が信頼感ということになります。
記事そのものを読んでも、それにどれほどの裏付けがなされているのか判断はなかなか難しいでしょう。特に畑違いのジャンルであるならば。
で、一般人は、ほとんどのできごとについて畑違いなのです。
まず語り口は重要でしょう。
悪口雑言の繰り返しで品がなければ、どれほどの裏付けをその人が持っていても、おそらく信頼感は得られないでしょうから。
逆に言うと、信頼感を得るためには口が上手だったらそれだけであるていどなんとかなってしまうという面もあります。
詐欺師はおおむね口がうまいですものね。
そこでラベルが重要にはなるわけです。
最終的な着地点が「みんなの幸せ」であるならば、権利の問題なども比較的考えやすくなるかもしれません。
報道の自由はどこまで許されるかということについて、多くの人の幸せということを考えたら、芸能人の私生活などはさほど重要ではなく、政治家の私生活はそれなりに重要であるとは考えられます。
もちろん、ゴシップを知ると幸せを感じる人々はいるでしょうが、意味合いの異なる幸せですね。
もちろん枝葉末節、くだらないことまで見ているという姿勢はすべての人間にとっての抑止力になり得ますが、それはうっかりすると人を不幸にすることにもなり得ます。
その個人の不幸(報道され、うっかりすると社会的に抹殺される)が多くの人の幸福につながるものであるかどうかの判断が必要となるでしょう。
ジャーナリズムとしての力を上げるためには、大きな出来事はできるだけ細かく、市民の細部にわたる報道は控えめにするのがひとつの方法であるかもしれません。
小さなできごとの報道は人が読んで嬉しくなったり、ニヤリとできたりするものに限るのも悪くないかも。
(未完)
新聞のいいところ
▼新聞記事には信頼性があります。ネット上の情報はどうでしょう?無責任に書かれたものも、きちんとした根拠でもって書かれた情報も同列の扱いとなってしまっているのではないでしょうか。新聞記事の場合、取材と書くことのプロである記者が書いていることが約束されています。また新聞社そのものに長期の積み重ねがあり、帰結として提供される記事に一定の信頼性が発生しています。あるいはとりあえず、信頼性があるという前提を設定できるのです。ちゃんとした批判をすることができるのもだからこそです。ハナから信頼性が薄ければ誰も批判してくれないでしょうから。▼そんなこんなで知名度が高く、引用しやすい資料です。評論・エッセイ等を発信するとき、出典を明記して記すことができます。▼新聞記事だからこそわかりやすいものとなっています。記者自身は各種専門家ではないわけですがそれゆえにこそ図表、グラフ等も駆使し、わかりやすく書こうとしているのでしょう。原則的に、直接記者が取材しており、臨場感や素材性も高い情報です。▼新聞も人が作っているもの。やはりどうしても主観や間違いは入ってしまいます。でもそこが楽しいですね。異なる見方、異なる考え方、ことなる理解力。そしてミス。これらすべてを同時に味わうことができるのです。これは、「読む」ことの醍醐味と言えるでしょう。新聞はメディアリテラシーの申し子であり、最良の学習素材です。▼なによりも、「読む」という行為が発生することが重要です。「読む」ことは「考える」こととほとんど同義。ディスプレイ上の情報では紙媒体と異なり、やはり「見る」という感じになりやすいような気がします。新聞は考えやすいメディアなのです。
ネット時代にこそ新聞のいいところを考えたいと
今後も追加、修正していきたい項目です。
箇条書きにもしてみました。
情報の関連がわかる
- テレビは全体像が組取りにくく、ネットは関心ある情報に限定されやすいが、新聞からは情報の「見取り図」を読み取れる。
できごとの背景にせまることができる
- 解説の存在。
- できごとの経過を、折にふれては教えてくれる。
- 新聞は、「気づき」を促す。
- 新聞を読むことは社会参加につながる。
説得力
- 専門の記者が書いている
- 取材力が高い。
- 編集能力が高い。
- 専門家たちが集団で作っていることのすごさ!
- 逆に注意すべき部分でもあることを認識しつつ読みたい。
一覧性がある
- 様々な情報が一定のスペースに収まり、一目でわかる。
読み較べしやすい
- 見出しの差で即違いがわかる。
- その気になればデータ等ですら恣意的に書き手の見方を入れられるので見比べると面白い。
- 社説等を使うと簡単に違いがわかる。
- いくつかの記事を読み比べすることでようやく事実が見えてくることもある。
- メディアリテラシーの訓練に良い(実地でもあるが)。
- 記者の主観や取材深度に差がある。
- 扱いの大きさの差で重要度がわかる(かもしれない)。
「読む」という行為が発生する
- 「読む」ことは「考える」ことでもある。「読む」から「考える」という行為に移行しやすい。
- ネット上の文章は「読む」というより「読み流す」あるいは「眺める」という感じになりがちか。
- 所詮人が作るものなので完全な信頼性のないところが逆におもしろさでもある。
- 読むことの醍醐味がある。味がある。
- 記事から物事の考え方を探るのが楽しい。
話題が広い
- さまざまなジャンルのできごとがまんべんなくわかる。
- 新聞はアトランダムな情報との出会いの場。
- 話題が広く、世界が広がる。
- 世界中の話題がある。
- 世の中のことがだいたいわかる。
- こまかな話題も多い。
- 事実だけではなく、意見などを知ることができる。
- 点の情報が線につながるりやすい構成(思いがけないつながりを発見しやすい)。
- 情報量の多さ。
- 新聞は大人の教科書。
- 思いがけない情報に出会える「出会い頭効果」で関心が広がる。
- ローカルな話題がある。地域に密着した話題では地方紙に勝るものはないと思われる。
- 地元応援メディアとして。
- 毎日、内容が違うから飽きない
わかりやすい
- 新聞は、一番最初に重要なことが書かれている。
- わかりにくいことはわかりやすく読めるよう工夫してくれている。
- 見出しがある。
- 記者も特定のジャンルに関しては素人のことも多いのでかえってわかりやすい場合も多い。
- 最近の風潮としてよりわかりやすい表現を取ろうとしている(逆に物足りない面も発生しているが)。
- テーマごとに集めてくれている(経済面、政治面など)。
- 図、表・グラフがある。
- レイアウトに工夫がある。
- かなり分かりやすい文章・日本語であること。
- 新語紹介、解説などがある。
新しさ
- ネットほどではないが、それでも新しい。
- 新しいデータをゲットできる。
臨場感
- 素材性が高い。
- 原則的に記者が現場で取材している。
- 写真がある。
読みたいときに読める
- 興味ある部分(ニュース)だけ読むことができる。
- 興味あるものはじっくりと自分のペースで読める。
保存しやすい
- 「スクラップ」には定評がある。
- 文字として残る記録性。
- 紙という素材は簡単には消滅せず、意外に保存に向いている。
- 活字なので、記憶が残る(ディスプレー画面だとその場限り)。
- まとめて手元に置ける(大量の場合、場所をとるが)。
- 保存性の高さは記録性の高さでもある。
- 自由に書き込みできるのも案外資料性のアップに役立つ。
知的な時間
- 新聞は、大人の教科書。
- 何度でも読み返すことによって、深く入っていくことができる
- 当初興味がなかったことについても詳しくなれる
- ディスプレイで読むより頭に入ってきやすい(個人差はある)
- 読んでいるとなんとなく賢くなったような気がする。
- 自分のペースでじっくり読める。
続報性
- 後追い記事も読める。
携帯性
- 紙という素材は雑に扱える。
- どれほど折りたたんでも壊れたりはしない。
- 紙メディアは本質的にモバイルかと(豪華にしなければ、ですが)。
学習の素材にしやすい(NIE)
- 伝えることを最重要視しており、わかりやすい文章のお手本とできる。
- 中高生くらいなら読解は充分可能。
- 読む力がつく。
- 書く力がつく。
- 新聞記事だからこそ考える材料に適しています。
- 事象のより深い理解をするために。
- 身近にある生きた教材(山梨日日新聞2008.12.25より渡辺節子さんのことば)
- 工夫次第でさまざまな手法のバリエーションを作りやすい。
汎用性
- 弁当を包める。
- 体に巻いたら防寒になる。
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朝日は日本の新聞では初のランキング入りとか。嬉しそうですね、朝日。他の新聞には載ってなかった。