よはくのてちょう

手帖の余白に書くようなことを

2004-06-29から1日間の記事一覧

死の側から見た生の思い出〜「菜穂子」解説〜(4)

(3) この物語は「やつぱり菜穂子さんだ」との、都築明の印象的なセリフで始まります。 この瞬間、「楡の家」*1以降の明と菜穂子の時間はまったく無効となってしまったのです。あるのはただ「自分を佯つてゐると云ふ」気分か、このすれちがいまでの生活に「何…

辻邦生全集

辻邦生さんは好きな作家です。 端正で、清潔感あふれる作品群。 生命に対する喜びも感じます。 今度新潮社から全20巻の全集が出はじめました。 欲しいのですが、たぶんだいたいの作品を持っているのですよねえ。 なのに1冊7350円。うーん。